深淵の灯
落ち込んだ時は、果てしなく深い。
着地点が見えない程に深く深く落ちてゆく。
考えても答えは見つかっていたり、分かりきっていたりするものであるけれど・・浮上する術がない。
そんな時にキャンドルを灯すと意識が寄せられて、
「考えても仕方がない」
と明るい場所に引き戻してくれる。
暗い波の奥深くから
突き上げられるその腕
その内なる炎は神々しく指先に火を灯す
不安の深淵は奥深く
夢見る事もままならぬ
数字を辿り
光を辿り
蜘蛛の糸さながらに
明日につながる今へ
意識を戻す
アールヌーボーの展示会に行くと必ず見かける装飾芸術家エミール・ガレ。とある展示会で見たガレの作品に今でも忘れられないものがある。
「手」
人の手が波もから貝殻と海藻をつれて突き出されている作品である。ガラス作品であるが、彫刻の様でもあり好きだ。
アグモキャンドルの記事を書くのによく「人間味」があるような表現をするのだが、その具現化が今回の写真である。
一本のキャンドルが火を灯すことで姿を変え、キャンドルという固形から変容し人の手となり溶けてゆくさまが生きている様に見えた。
キャンドルというのは奥深く、不思議なものである。
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