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制作日記:心をえぐる【赤】
詩画集の掲載後から、いろいろ変化があり。
「心象画」を描いていた事に気が付いたり、そこからプロフィールの簡略化に着手。そして制作の方向性も見えてきたので、道筋をメモして内容を考え直したりと今年は「変化」が多くついていくのが大変です。
〈自分の事なのに‥〉
「変化が嫌い」だったと思っていたのですが、向き合ってみると意外と探求が好きらしくInstagramの勉強や新しい事を自分なりに調べたりしています。
思うに・・昨年まで〈感情〉が眠っていたようでセッションなどで揺り動かしたら起きて活発に動き始めたかもしれないですね。
最近は苦手な色に向き合っています。
「赤」色彩心理でもあまり良い印象を抱けなかった強い色。
赤系統の色の対しては拒否感か無関心か、どちらかだった昨年の振り返り。
「色彩」を思い出してからそろそろ九ヶ月。
「苦手だから使わない」
そんな理由で描かないのは嫌なので、失敗を繰り返しながら向き合う日々になりました。
過去の赤い絵を振り返る
ペン画で10年制作。
ほぼモノトーンの世界を描いていましたが、何枚か水彩絵具で着色したものもあります。しかし、思い出す限り【色彩効果】で使っていたように思います。
「赤」は色彩の中では一番強い色。
何かを目立たせたい時に端に添えれば際立つ。
それに、モノトーンの中に真っ赤が置かれると印象的だし妖艶な感じにも演出できました。
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純粋さからの転落のような意味で妖艶さの演出で「赤」を使いました。
「そうだ、知識的に【赤】を使おうとすれば使えるかも?」
【赤】について印象的にイメージを考えたのですが、何も浮かばない。
ゴシックのような【妖艶】
退廃的な【血のような赤】
孤独感を表す【くすんだ赤】
どれも、知識的。
「・・なんか違う」
今まで【赤】を作品の効果として扱ってきた使い方は、どうしても【赤】は脇役になってしまう。
自分なりの【赤】のイメージを・・
【赤】が主役になるイメージは?
自分の記憶の中の【赤】を思い出す事から始めることにしました。
【赤】のエッセイを書いた
自分なりの「心象画」と「エッセイ」の関係は、浮かんだ心のイメージを絵で描いて言葉で読み解く。
今回の【赤】の場合は「逆もあり得るのではないのか?」という考えで制作の順番を逆にすることにしました。
絵を描く前の事なので、文章も断片的な〈草稿〉と言う形。
「言葉」で自身の内面の【赤】を深掘りして、絵として表す。
【赤】を描けるようになるキッカケでもつかめればとの思いつき。
断片的なメモの様なエッセイの草稿。
雲をつかむ様な思考が数日間続きました。
・・大変だった。
【赤】に対する思いは深く複雑。
【赤】に対する思い出はほとんどの印象に関係することが多かった。
リリ色彩心理受講の備忘録でもだいぶ苦心したけれど、【赤の系列】が苦手な理由が何となくわかった。〈桜色〉も〈赤紫〉も〈橙〉も混色として多く利用されるのは【赤】だけれど、心理的な思いの作用にも混色の色が関係するなんて、色彩心理は改めて面白い。
ここで、【赤】について書くのは、無理があるので色ごとでこれからエッセイで書いていけたらと思います。
3000文字では足りないと思うし、一記事では一作品では解決しない話なので・・とりあえず【一枚の赤い絵を描くために、エッセイを一本書いた】
そんな感じである。
「赤」は色彩心理の三原色の一つ。
波長が強くインパクトがあり心理的な影響を与える。色の影響で心拍数を上げ体にエネルギーを与える効果があると聞いた事がある。
なるほど、イベントなどで「赤」が多く使用されているのは心理的に高揚させる効果をねらっての事だと思う。ほかに食欲を刺激させ、時間経過を早く感じさせる。
赤い色の服を着ると暖かく感じるように〈温かい〉印象も抱かせるようだ。
余りにも苦手なのでどのような効果があるのかと調べると+(プラス)なイメージが多いような気がする。しかし、面白いもので強すぎるから長くその場にはいる事が出来ず、長く「赤」を見ていると目が疲れてくるのも頷ける。
リリ色彩心理講座を受けた時に、私自身が抱く「赤」についての印象を思い返してみれば
「強い、嫌い」
激しい・息苦しい・眩しい・圧が強い・強制的・暴力的・酔う・眩暈がする・目に悪い
「ストレスを感じる」
ただ、良い印象でとらえていると思えるのが「情熱的」な印象を抱いていた事。
「血の色」という印象も抱いていた。
心理的〈赤〉のイメージにも〈血〉があったけれど、そこから派生する言葉にあまり触れたくないイメージがあった。
「家族・絆」これに関しては良い印象を思い出すのは難しい。
*リリ色彩心理講座を受けた時のエッセイです。
前編・中編・後編の3編執筆。【赤】は前編で書きました。
感傷的な「赤」を超えて
リリ色彩心理でも【赤】の数あるイメージの中で【血】というのがある。
今回の制作で書いたメモの様なエッセイでもその記憶が蘇ってきた。
【家族・絆】
項の中の「家族・絆」という言葉に目が留まり、あまり良い思い出として記憶にない事は分かっていた。
今となっては私の中の【赤】のイメージは「後悔」が滲む。
臆病であったが為に向き合えなかった記憶。
両親とのすれ違い。
愛情に対する過剰な期待。
私の制作は、「後悔」がよく言葉に出る。
それほどの出来事が後悔であることを【赤】の制作で実感した。
なので、腰を据えて制作したい。
「ならば・・」と思いつくものがあった。
「心象画」の【赤】を描くために、一つの油絵を参考にして描く事にした。
家の一角に何年も飾っている自作の「肖像画」がある。
亡くなった母の若い頃を描いた油絵。
今となっては風景の一部となっているその絵に注目して描いてみた。
参考までにと向き合ってみたが、どうも歳をとると涙もろくなるのか描けなくなることが何回かあった。とても感傷的な絵になったので、インスタで上げた以降は画像を消したみたいで残ってませんでした。
スクションを一応載せておきますね。
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【赤】は結構、心をえぐる。
価値観が変わっても、癒されるにはほど遠い色彩。
しかし、向き合う価値のある色である。
どんな思いを今抱いているか体感したのでこれからは【苦手だから赤を使わない】のではなく【大事な色なので時間が掛かる】と自身に言い聞かせて制作していきたいです。
しかし、不安になる事もある
冒頭で「変化が嫌いだったけど、探求や勉強が好きである」と書いた。
けれども、同じように「不安もある」
白紙から何かを発想して構築する過程は好きだけど、その結果が不明瞭で不安もある。
今、向き合ている事は正しいのか?〈この道は正しいのか〉
色彩で描けるようになり新しい制作に挑戦して、孤独感など内側を追及していた日々が、外側に目を向けるようになる。
「作品を知ってもらいたい」
「自分の経験や感覚や感情で制作した絵やエッセイで誰かの役に立ちたい」
という着地点の分からない目標に、戸惑いながらの制作の日々。
発信の理由や目標など、【発信していく事】を勉強すればするほど自己肯定が低かった自分には高いハードルが立ちはだかる。
・自分の作品の長所
・作品制作の意味(何を伝えたいか・誰に見てもらいたいか)
・作品を知ってもらうにはどうすればいいか
簡単な事だろうけれど、今の自分には断定は難しい。
思いついても、心のどこかで「自分なんか」という声が聞こえてくる。
昔の自分と新しい価値観の自分。
たまに、昔の価値観が顔を出してくる。
なので、日々の発信を振り返り、制作をして、発信をしては考える。
「前を向くんだ」
そう、自分に言い聞かせる為に。
価値観の変化の一年目は課題が多い。
無理をすると盲目になって行きたい道がまた見えなくなる。
自分と向き合って、できる事をする。
「先ずは行動する」
今は、そんな日々です。
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制作日記
絵とエッセイ(赤色のエッセイは現在執筆中です)
詩画集「胡蝶の夢」
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