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【やさしい】妊娠と体重(やせ)【初心者ガイド】

たなかゆうすけです。

今日は妊娠と体重の話をします。

近年、女性の『やせ(痩せ)』が一つの健康問題となっています。2019年(令和元年) の日本人女性の11.5%がやせ(BMI<18.5kg/m2 )とされています。特に、20代~30代の比較的若い女性に多くやせが見られることが報告されています。

やせの原因としては、ストレスや過度のダイエット、スポーツ、神経性やせ症などがあります。

妊娠前にやせがある場合、低出生体重児のリスクが上昇するとされており、低出生体重児では糖尿病、心疾患、高血圧などのリスクが上昇するとされています。

このように赤ちゃんにも影響がありますが、妊娠すること自体にも影響がでることがあります。一定以上体重が減少して生命に危険が及び状態になると、体は生命維持を最優先とするモードへ切り替わって行きます。そうなると、生命維持に不要であったり、生命維持に不利になるものは切り捨てられていきます。妊娠もその一つです。

妊娠すると、お母さんと赤ちゃんの二人分の生命を維持するだけのエネルギーが必要になります。お母さんの生命維持もおぼつかない状態で妊娠してしまうと、お母さんも赤ちゃんも共倒れになってしまう可能性があるため、妊娠をしないようにモードが切り替わります。そもそも妊娠が起こらないように、排卵に必要な機能を停止させてしまいます。つまり、間脳視床下部ー下垂体系からの卵胞刺激ホルモン(FSH;follicle stimulating hormone)や黄体化ホルモン(LH;luteinizing hormone)の分泌を停止させてしまいます。これにより、月経不順や無月経の症状が出現します。

体重減少に伴う無月経には、

1.単純性体重減少性無月経
2.神経性やせ症

があります。両者とも標準体重から20%以上の体重減少を認めますが、単純性体重減少性無月経では、病識(病的な状態であるという自覚)があり、食行動の異常がありません。それに対し神経性やせ症では、絶食、大食い、隠れ食いなどの食行動異常や、体重や体型への認識のゆがみ(体重増加に対する極端な恐怖など)がありますが、病識の欠如から自分で専門機関を受診するのが難しい場合があります。

標準体重まで体重が増加した場合、単純性体重減少性無月経で100%、神経性やせ症で90%の確率で月経が再開するとされています。長期的には、単純性体重減少性無月経の70-100%で、神経性やせ症の60-80%で月経が回復するとされています。

このように過度の体重減少でやせとなった場合には、妊娠にさまざまな問題を起こすことがあります。これから妊娠を考えている方は、体重の減らしすぎには注意しておきましょう。適度なダイエットは健康上も有効ですが、なにごともほどほどに。



妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…

たなかゆうすけでした。

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