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70代・一人暮らしの母に会いに行く

洋服を買いに行くと、母くらいの年代の方が一人で洋服を選んでいる姿が目に入る。

堂々と選ぶひと。
なんだか申し訳なさそうに洋服をながめるひと。
お喋りがしたくて店員さんに絡んでいるひと。
さまざま。将来の自分を見ているようだ。


そんな時、
母が1人で買い物している姿を想像する。
母は1人で静かに選ぶタイプだ。
疲れやすいからテキトーにさっさと物を選ぶ。
試着などせず選んでいつも失敗する。

数年前はよく実家に泊まりに行き、一緒に買い物をし、疲れたら喫茶店に入りコーヒーを飲んだ。

母が毎日のように通っていたコンビニに一緒に行って買い物をした時、母はなんだか誇らしげだった。テンションが上がっている時の声とそぶりを見せた。

『毎日1人で発泡酒を買いに来る年配の女性』から『娘と楽しそうに発泡酒を買いにきた年配の女性』になった瞬間。『この子は私の娘です』と胸を張っているような気がした。

母と歩いていると、必ず母の知り合いに会う。


『あら?娘さん?お母さんに似てキレイね〜』
『そうなのよぉ〜私に似て美人でしょ〜』
『わっはっはー』


という、お決まりのやり取りが繰り広げられる。
その時の母も嬉しそう。
ちなみに私は父親似。

そんな事を思い出しては、もっと一緒におでかけしてあげたいなと思うのです。


週に6回
体に鞭を打ちながら働いている母は
会うたびに小さくなり
いつも疲れているのがわかる
血圧200。血圧を下げる薬を飲んでいる

楽しみといえば、月に一度3姉妹で集まること。
たまに幼馴染と会うこと。
そして、たまーーーに娘が遊びに来る事。

片道1時間もあれば会いに行けるのに、なかなかタイミングを合わせられず会いに行けないのが気がかり。

しかし、いつ会えなくなるかわからない。
人間の死亡率は100%。
母が先かもしれないし、私が先かもしれない。
それは誰もわからないけれど、時間は有限。
いくら親孝行をしたとしても、
後悔する自信がある。
もっと会いに行けばよかったと思うはずだ。
だから、会いたい時に、会える時に、会う。

母はそういうお年頃なのか、卑屈になり、時にはメンヘラすぎて面倒な時もあるけれど


『あなたは1人じゃない』
『私はあなたの娘です』

を、行動で示していきたいと思う。


お母さん、待ってろ。
今月こそは会いに行くぞ!


トップのイラストは

AI術師の『なかなかさん』に描いていただいた作品です。

子供の頃の母と私。
雪国の田舎育ちなので、冬はバスが来ないことも多く、よく吹雪の中、母と歩いて帰りました。
そんな思い出をイラストにしてくださいました。素敵なイラストをありがとうございます。
他にも描いていただいたので、またの機会に記事に出来たらと思います。

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