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アイソトープ治療その2 ヨウ素制限と検査と治療あれこれ | バセドウ病体験談#11

治療までの長い道のり

アイソトープ治療の第一歩は、スケジュールを組むこと。

前回の記事でお伝えした通り治療自体はカプセルを服用して一瞬で終わりますが、その前後に長い道のりがあります。

私のアイソトープ治療までの道のりは下記の通り。

2018年7月アイソトープ治療を医師に勧められ承諾。翌月に眼科の各種検査を受け、11月にMRI検査。眼科の検査で異常が無かったため、アイソトープ治療が可能であることが確定。(もしここまでの検査で異常が見つかれば、アイソトープ治療ができなくなる可能性も。)

10月に自分の結婚式を控えていたため、結婚式が終わってから治療を行うことを希望しました。そのため、アイソトープ治療を決めてから実際の治療に進むまでに時間がかかっています。

ここからは、眼科の検査やヨウ素制限について詳しくお伝えします。

まずは眼科の検査

私はオリンピア眼科で検査を行いました。

内容は、今までやったことないような検査ばかり。

眼球を機械でぺちぺちと叩くような検査があって。もちろん全く痛くないのですが、「こんな検査あるんだ!」と、ちょっとシュールで面白くて笑ってしまいそうになりました。

検査当日は特殊な目薬をさすため、一時的に物が見えにくくなったり光を感じやすくなったりします。そのため車の運転は控えるよう注意があります。

実際、目薬の後は近視と遠視が一気にやってきた感じで、物が見えにくくなりました。

色々な検査があるので少し面倒ですが、基本的には痛い検査はありません。でも、私にとって辛かった検査が一つだけあります。MRIです。

パニック障害のため拘束される場所が苦手な私にとって、MRIだけは地獄でした。足、体、顔、全て固定された状態で機械の中に入り、機械の中では大きな音が鳴り響きます。

閉所恐怖症の方は申し出るように注意書きがあったと思うのですが、パニック障害の方も事前に医師に伝えておくと安心かもしれませんね。

私はつい最後まで耐えてしまいましたが、何かあった時に押すボタンも一緒に渡してくれます。だから本当は我慢する必要は全くないのですが、気の小ささも相まって押せずじまいに。

辛い時は躊躇なくボタンを押して、助けを求めましょう。

つらい?たのしい?ヨウ素制限!

私は治療の前後、当時勤めていた会社でお休みを頂いていました。もともと料理好きだったので、会社をお休みして余裕のある中でヨウ素制限食を考えるのは結構楽しかったです。

病院の方針によって違いはあると思いますが、私の場合は卵は1日1個までならOKといったように、少しゆるめの制限もありました。ですので料理をする余裕があれば結構バリエーションは広がります。マフィンなどのおやつも作っていました。

ご参考までに、私が作ったヨウ素制限食の写真です。

また、日々の生活の中で意外な所にヨウ素が隠れていますので、注意してください。私自身が「こんなところにも…」とびっくりした例を少しご紹介します。

①国外生産の塩

生産過程でヨウ素を添加している場合があります。日本は和食で日常的にヨウ素を摂取していますが、海外ではヨウ素摂取量が少ないため、ヨウ素欠乏症になることがあるそう。だからヨウ素欠乏症予防のため、塩にヨウ素が添加されている場合があります。

②一部の添加物

赤い着色料やカラナギンを含む添加物などにヨウ素が含まれています。

③うがい薬

殺菌成分としてヨウ素が含まれている場合があります。うがい薬を使用する際は、パッケージや添付文書で確認しましょう。

いざ、アイソトープ治療!

前日は検査用のカプセルを服用して、当日に甲状腺の大きさや働きを測定します。私の甲状腺の重さはもともと約20gでしたが、当日になって約40gまで大きくなっていることが判明。

治療量は、この結果をふまえて決定します。

当日は先生から色々と注意事項を聞いて、カップに入っているカプセルを水で服用して終わりです。カップに入っているのは直接手を触れないためです。

私は「222MBq(6mCi)以上277.5MBq(7.5mCi)未満」の量を服用しました。治療を受けた伊藤病院では放射線量が6段階に分かれていますが、その中の「3」です。

カプセルは全部で4個だったので、飲むのが少し大変でした。カプセルによって含まれている放射線量が異なり、それを患者さんに合わせた量になるよう組み合わせて微調整しているため、人によってはカプセルの個数が増えるのだとか。

治療前後の過程を考えると、とてもあっけないですが、当日はカプセル服用後に会計を済ませて終了となります。

アイソトープ治療後の注意事項

アイソトープ治療後の注意事項として、家庭、乳児・幼児との接し方、学童・妊婦との接し方などがあります。自分の放射線被ばく量が問題なくなるまで、周囲の接し方について気を付けましょうというものです。

私の場合は子供や妊婦さんに会う機会はありませんので、家庭での注意事項を守る必要がありました。例えば、治療から4日間は必要以上に出歩かない、一人で寝る、トイレ使用後はよく水を流す、などです。

これも実際どこまで気にするべきかというのが難しくて、つい神経質になり意外と大変でした。家の中ではなるべく物に触れないようにしたり、常に手を洗ったりしていました。注意事項を守ることはもちろんですが、神経質になりすぎてストレスをためないようにするのも大切かもしれません。

医師との相性が悪い時は

アイソトープ治療を提案してくださった先生とのやりとりで思う所があったので、余談としてお伝えします。

診察日の関係で、提案してくださった女医さんは主治医ではありませんでした。「結婚式を控えているので、治療は結婚式が終わってからにしたい」と伝えたところ「妊娠する可能性があるということですか!?」と間髪入れずにキツめの口調で問われました。私が治療をすぐに行いたくないと言ったのは、妊娠を考えていたからではなく結婚式当日に体調を崩すことを避けたかったためです。

アイソトープ治療を受ければ妊娠は1年控えなければいけないことも十分承知していましたし、そういったことを踏まえた上での決断でした。多くの患者を抱え大変なのは分かっていますが、非常に悲しい気持ちになりました。そして一方的な根拠のない決めつけに、茫然としてしまいました。

治療を進める上で、医師との相性はとても大切だと思っています。今までたくさんの病院に通ってきて感じたことですが、思想や信念や技術は医師によって全く違います。

一方的な決めつけをする方とこちらの話をよく聞いてくださる方。ひとつの思想に拘っている方と最先端の技術と設備を常に取り入れる努力をされている方。報酬を重視する方と患者の気持ちを重視する方。薬を大量に処方する方となるべく薬には頼らない治療を考案する方。今までそんな方々に出会ってきました。

病気をしている時は心も弱っているもの。普段なら傷つかないような些細なひと言も、私たちにとっては鋭利な刃物になり得るのです。

だからこそ「この先生とは合わないな」と感じた場合には、病院や主治医を変更する勇気を常に持っていて欲しいと思います。

治療の主役は医師では無く、私たち自身です。

さいごに

治療を検討している方、治療を受けられる方の不安が少しでも減ることを願っています。私の体験談が少しでもお役に立てば幸いです。

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アイソトープ治療の体験談は「その1」「その2」「その3」に分かれています。ぜひこちらの記事もご参考ください。

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バセドウ病体験談の記事まとめ↓

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