コロナウィルス状況下で改めて考えた、多国籍チームの価値とは?
2019年の冬に多国籍チームについてこのnoteを書き始めてきたのですが、この半年くらいの間に外国人と一緒に働くことの価値が大きく変わってきました。僕も多国籍チームでいることの重要性をずっと書いてきたのですが、それが本当に今後重要なのか、それともまったく役にたたないのか分からなくなってきました。
昨年、何回も海外に出張にいっていたのですが、今は2月にいったきり全くいけない状況ですし、今後も前の状況に戻るのか見通しも立っていない状態です。
それほどこのコロナウィルスの状況は日本と外国の関係性を大きく変えてしまったのですが、現在2020年5月末の時点での自分の頭の整理するためにも書いてみることにしました。
多国籍チームであることは本当に価値があるのか、ただの人材不足を埋め合わせるための理由だったのかメリットとデメリットをまとめてみます。
メリット1. 海外の状況がじかにわかる
まずはメリットから書いていきますが、アメリカの感染者がどのくらいだとか、今はブラジルが危ないとかニュースを通じてわかりますが、多国籍チームでいるとそれがもっとリアルにわかります。
例えば僕は毎週インドチームとオンラインでやりとりしていますが、インド人エンジニアの多くが打ち合わせの度に丸坊主になっていきます。
これは彼らがロックダウンで外にでれないため、自分で髪の毛を切っているいるのですが、インドの外出制限がいかに厳しいかを物語っています。
また、単純に日常生活がわかるだけでなく、ビジネスでの状況を知る上でもメリットはあります。
現在インドのビジネス状況について今は知りたくても物理的に行くことは不可能です。今インド市場について知りたければインドに住んでいる人などに聞くしかないです。
僕は前述のようにインドチームとのコネクションもあり、社内にインド人もいるのでこのあたりは人脈を通じてリサーチできます。
実際今ある案件ではインドのIT事情について、日本のインド人エンジニアを通じてリサーチを行っています。エンジニアがリサーチするだけでなく、彼らの友達やネットワークを通じてより深く状況を知ることができます。
つまりこれは、すべての人が海外とのアクセスを閉ざされた今、海外のビジネス事情をリサーチできる体制があることで、とても価値があることだと思っています。
メリット2. オフショアは元からリモートワーク
これは以前のリモートワークについての記事にも書いたのですが、「オフショア」イコール「リモートワーク」なので、日本がリモートワークになって四苦八苦しているところで、オフショアとのやりとりは特に何も変わらないということです。
上述しましたが、毎週インドエンジニアチームとやりとりしていますが、彼らもロックダウン状況で、それぞれの家からアクセスしています。ただ、日本側チームとしては前からオンラインでやりとりしていたのでまったく何の影響も受けません。もとからリモートワークだった訳ですから。
ということで海外とのやりとりはコロナウィルスの影響をもろとも受けていないということが改めてわかりました。
デメリット1. 日本チームの多国籍化ができない
僕はもともと外国人を受け入れることで、社内の日本人が外国人や英語に対しての障壁を低くすることを目的にしていました。
コロナウィルスのこの状況下ではみんなが一同に集まる機会がなくなったために、社員同士が会話をする機会がめっきり減りました。
もちろん全体ミーティングをして会話をすることで交流があったりしますが、実際はほぼ仕事の忙殺されているため、何気ない日常会話で英語を使ったりしてどんどん慣れてもらうという目論見はまったくもって実現できていないです。
また外国人にとっても日本語を話す機会が減ることで、日本語能力を上げる機会も減ってきています。
日本人と外国人とのコミュニケーションはますます少なくなっているのを日々実感しています。
デメリット2. 外国人とのオンラインでの日本語コミュニケーションが難しい
これは上述のメリット2の考え方とまったく逆の考え方なのですが、日本で働いている外国人とのやりとりのことです。
今までは同じオフィスにいて、日本語が完璧ではなくても図でかいたり、ジェスチャーなど使ってなんとなくコミュニケーションがとれていました。
そして、これはみなさん容易に想像できることですが日本人同士でのコミュニケーションがオンラインに移行することで難しくなるのですが、それをさらに輪にかけて難しくなります。
もちろんzoomで図を書いたり、文章にして伝えたりはしていますが、オフラインで会って話していたよりも倍の時間がかかっています。
皮肉なことに海外のオフショアとの外国人とのやり取りはまったく影響うけないのですが、日本にいる外国人とのやり取りが困難になっています。
結論として
多国籍チームといっても日本での多国籍チームを組むかか、海外を含めての総合的な多国籍チームかという定義がいろいろありますが、今回のテーマとしては「結論としては正直メリットでありつつ、デメリットでもある」という正直どちらとも言えない状況です。
こういってしまうと元も子もないかもしれないですが、結局は自分の気持の持ちようになります。
「外国人チームを作ることでこれは今後すごいチャンスになる!」と思うか「外国チームだとこの状況下ではかなり厳しいな」と思うかは今後自分がどう動くかによって思い方は大きく変わるでしょう。
そして僕自身はどちらかというと正直どっちも感じています。むしろ後者のデメリットを感じているほうが強いかもしれないです。
ただ、毎日このメリットとデメリットの間を揺れ動きながらも日々過ぎているのが実際の感じです。これは別に多国籍チーム問題に限らずみなさんいろんな局面でポジティブに考えたり、ネガティブに考えたりするのは同じような感覚になっていることだと思います。
ということで結論になっていない感じですが、半年前に自分が選んだ方向性が間違ってないと信じながら進むしかないかなと決断し、日々のタスクをこなしながら将来方向性を探っているのが現状です。
なんだかまとまりのない話になりましたが、今現時点を整理する上では重要な考え方かなと思っています。