第198回 破壊者にとって非常に無力
1、くがね花咲く島よ
誰が決めたか分かりませんが、奥州三大霊場とも言われる金華山。
三年続けて参拝すると人生でお金に困らなくなる、という言い伝えもあるように、金運の神として名高い黄金山神社が鎮座していました。
東大寺の大仏のと金に使う金を産出したことにちなむという由緒を持ちます。
また、島自体や山になっており、宮城の各眺望地点から望む格好の場所になってもいます。
国立公園として自然が多く残されており、シカが神の使いとして保護されているのも特徴です。
そんな島の悪いニュースを聴くことになろうとは。
2、自らの庭を汚す
報道によると、神社の宮司以下職員が廃棄物処理法違反で逮捕されたとのこと。
現場には冷蔵庫や自動販売機などもあり、数十年前から不法投棄がなされていたとみられる。
というから驚愕です。
たしかに離島(港から観光クルーザーなどで30分くらいの距離)ということで、廃棄手数料はかさむことが容易にわかります。
ですが、聖なる島で、国立公園で、観光地として成り立っている場所で、こんなことがあっていいのでしょうか。
偏見かもしれませんが、神職という閉鎖的な職業空間で感覚が麻痺していたのでしょうか。
自分の任期が終われば後のことは関心がないというお役所的な思考停止に陥っていたのでしょうか。
いずれにしても、歴史文化の大切さを発信している身としては悲しさしかありません。
3、発想を転換して
前向きに捉えると、ようやく清算の時がきた、ということですね。
歴史文化も、自然も致命的なダメージを受ける前に発覚したことで、あるべき姿を取り戻すかもしれませんよね。
ひるがえって自分はとあるメガソーラー建設予定地に遺跡との関わりがないかを確認する仕事をしてきました。
二時間山道を歩き回っても特に遺跡との関連をうかがわせるものはありませんでしたので、特に反対意見を付すことはできません。
遺跡とは関連がなくても、豊かな自然が失われてしまうのを止められないのは、とても無力感に陥ってしまいます。
殺風景なソーラーパネルも50年経てば文化財になるのでしょうか。
目と鼻の先で鳴いていたキジの声が寂しく感じました。
今日は少し、暗い文調ですね。
来年夏に東京国立博物館で行われる「三国志」展のことでも考えて
気分を切り替えていきたいと思います!
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