番外編 ビブリオバトルに出演します!

1、初挑戦ってわくわくする

実は人生で初めてビブリオバトルに挑戦します。

読書好きの人たちの前で、自分の好きな本の良さを語る、

そんな夢のようなイベントに参加できることに、

今からワクワクが止まりません。

今回はその発表原稿の下書きを兼ねて、取り上げる本の紹介をしていこうと思います。


辻村深月『東京會舘とわたし』

2、語り継がれる魅力

辻村深月さんは1980年生まれで、ちょうど私と同世代。

今年がデビュー20周年という、多くの人に愛された作品を生み出したベテラン作家さんです。

その数ある名作の中から、どうしてもみなさんに読んで欲しい、

感想を共有したい、と一番思う作品がこちらです。

みなさん、東京會舘でご存知でしょうか。

東京都千代田区丸の内3丁目、東京駅と皇居のお堀に挟まれた一等地にあります。

その歴史は古く、大正11年に竣工。

数多くの苦難を経て現在3代目。今でも宴会場、結婚式場、レストランとして多くの人に親しまれています。

三島由紀夫など多くの作家から愛されその作品に登場しますが、なんと言っても芥川賞、直木賞の記者会見会場として使われることから、作家の憧れの場所であり続けている、という特異な歴史もあります。

これが本作の最大の伏線なんですが、詳細は内緒です。

さて、その東京會舘が本書の主役です。

建物が主役、ってどういうことか。

この小説は10章に分かれていますが、それぞれ主人公が異なり、少しずつ時間が流れています。

例えるならばTVゲームで前作の主人公が次回作の序盤に導き手として登場するパターンがあるかと思いますが、そんな感じで、バトンタッチされていくイメージです。

関東大震災から始まって、太平洋戦争、GHQによる接収、東京オリンピック、そして東日本大震災まで多くの苦難を乗り越え、それでも建物が受け継がれていくのはなぜか。

本書の一節を借りると

「建物が変わっても、生き続けていくものは、これからも、きっとずっとある」

まさにこの一文がこの物語の魅力を端的に表しています。

どの章も単体で素晴らしいので、この原稿を考えるために読み返したら、また涙が止まらなくなってしまいました。感極まってしまうので電車の中など公共の場で読むことができません。

そんな中から、どうしても一つ選べと言われたら、私は

第4章のバーテンダーの回を選びます。

新人の桝野というバーテンダーが先輩の今井というカリスマの背中を追いかけて成長していく物語。この今井さんがかっこいいんですよね。

次々に見舞われるトラブルを華麗に解決していくのです。

ここで一つ問題です。

昼間からアメリカ兵で賑わっていた東京會舘のバーですが、

ある時最高司令官のマッカーサーがふらりとやってきたことに恐縮し

たのか、昼間からお酒を飲んでいたお客が自粛してぱったりと途絶えてしまったのです。

そこで起死回生の一手を打った今井先輩。

それが当たって元通り昼間も大繁盛することになるのですが

それはどんな方法でしょうか。

答えはぜひ本書を読んで確認してみてください。

ちなみにこの桝野が、コワモテの東京會舘の菓子部長に

あなたが開発したチーズパイがバーでも人気です、ありがとうございます、と声をかけるところから第5章が始まります。

そう、この菓子部長が第5章の主人公となるのです。

彼もまた不器用ながら職人気質で魅力的な人物です。

彼の魅力を引き立てる営業部の若者も芯が強くて…

読んでみたくなりませんか?

きっと貴方もこの本が誰かにお勧めしたくなる一冊になることを保証します。

3、こんなので大丈夫かな?

いかがだったでしょうか。

ビブリオバトルってこんな感じでいいんでしょうかね。

一応以前の出演者の動画が公開されているので、それをざっとみた感じですが…

ということは私の発表もきっとYouTubeで公開されるんだろうな。

その時はまたシェアしますね!

そしてもし「東京會舘とわたし」を読まれた方がいたら、ぜひ感想を語り合いたいと思います。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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