第1420回 2023/10/28〜11/4の歴史ニュース
1,積み重ねてきたものたち
今週は三日間研修所に缶詰でお勉強してきました。
ザ公務員的な話でしたが、想像以上に面白かったですね。
それはさておき、夜の懇親会。
同世代の方達ばかりだからサラッと終わるのかな、と思いきや
わざわざ宿泊して、飲み会まで出てくるような方達は猛者ですから
強烈な個性の方ばかりでしたね。
私なんて影が薄くて。
さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。
ちなみに前回はこちら。
2,ニュースヘッドライン
①兵庫県洲本市の洲本城跡で新たな石塁が出土 R19
②沖縄県宜野湾市の大山貝塚出土の土器が地元に戻る R3
③京都府亀岡市の古民家が国登録文化財に R11
④福井県越前市で新規採用の専門職員が国府跡の調査 R7
⑤中国秦の始皇帝陵周辺から羊車が出土 R3
⑥フランス西部の遺跡から出土した礫に動物の皮のような柔らかい素材に長時間触れさせた痕跡 R5
⑦中国河北省の鄴城遺跡で大量の仏像が出土 R2
⑧群馬県前橋市の総社村東03遺跡で10万枚を超える埋蔵銭が出土 R12
⑨愛知県豊橋市の「牛川人骨」はヒグマの骨だった? R7
⑩福井県越前町の劔神社境内の「杉の花遺跡」で12世紀後半(平安時代末期)以前の大型掘立柱建物跡が見つかる R6
3,伝説と夢と未来
いかがだったでしょうか。
皆様の気になる話題もありましたでしょうか。
まずは②の話題。
戦前の調査など古い発掘だと、各地の大学が遺物を持って帰って整理研究し、
地元に情報がちゃんと引き継がれておらず、どこにあるのか知られていない、というケースは少なくないのです。
地元で活用して欲しい、と返却に応じた大学も、ちゃんと調べてその情報に辿り着いた自治体も素晴らしいですね。
続いては⑤の話題。
秦の始皇帝のお墓で羊の車が見つかったことがどうしてそんなに盛り上がるのか、と言いますと
秦の次が前漢、新、後漢と続いてあの三国志の時代。
それを制したのが司馬氏の起こした晋でした。
久しぶりに中国を統一した皇帝司馬炎は、やがて堕落し、
後宮に数多くの女性を侍らせ、しかもどの女性と夜を過ごすのか考えるのが面倒になったので
羊に引かせた車が止まったところに決める、という投げやりな感じに。
それを逆手に取って、羊が好む塩を部屋の前に置いておいた、という伝説があるんです。
秦時代に羊車の実例が見つかったということは、司馬炎の時代にも羊車があったことは間違いないな、ということで盛り上がっているのです。
そして最後は中世の埋蔵銭の話題。10万枚というその量に驚かされます。
戦乱を避けて隠すために埋められたものでしょうか。
とても全部の銭を分析することはできず、サンプル的に調べたところ
一番新しいものは1265年、最も古いものは紀元前175年と言いますから
1500年近く発行年の離れた銭が同時代的に使われていた、と言うことになりますね。
スケールが違いますね。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。