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第104回 世代間の差は何を産むか

1、中学生が何を想うか

『ぼくらの七日間戦争』

「世界一受けたい授業」で紹介していました。

リアルタイムではありませんでしたが、できたばかりの市民図書館で何度もLDを視聴していました。

作者の宗田理さんの原風景である戦争体験や信用のできない大人たちへの反発などを掘り下げられています。

戦時中は国のために死んでくれ、と指導した大人達が敗戦とともに、平和のために、と言い出すことに不満を抱きます。

安保闘争で社会に反発していた若者たちが、教師になって生徒を管理しようとしている社会への批判が作品に込められています。

その作品が30年経っても読み継がれていること、これは色々示唆に富んでいると感じます。

2、大人と戦った中学生はどうなったか

まずは、若者の意識について。

前項でも触れられていましたが、

戦時中に少年期を迎えていた世代と安保闘争を戦った世代の間には大きな隔たりがあるのでしょう。

またそこに反発した世代、「僕らの七日間戦争」に描かれた80年代に中学生だった世代はどのような人たちだったのでしょうか。

新人類とかバブル世代とか団塊ジュニアとか呼ばれています。

参考になるジェネレーショングラムというものを見てみると、カラーテレビが全世帯に普及し、ファミコンが生まれる一方で、イジメが社会問題化しています。受験戦争で揉まれ、就職も氷河期に例えられ、ロストジェネレーションとまで呼ばれることになります。

職場など身近な人でその世代の人を思い浮かべると、最近続々と退職を迎えた団塊の世代よりも器は小さくても堅実で安定感がある人たちのように見えます。

光と陰を見てきた少年時代が反映されているのでしょうか。

3、次の中学生は何と戦うのか

続く世代は80年代、私が含まれているので実感を込めて語れますが、子供の頃は学級崩壊、荒れる10代&荒れる成人式が話題に。インターネットが徐々に浸透する一方で、フリーターやニートという身分がすごく身近になります。

911の同時多発テロで社会の不安定さが際立ち、今も続く新たな戦争の形が生まれてしまいました。

社会に出る頃にはスマートフォンがライフスタイルを大きく変え、生き方の可能性、多様性が大きく膨らんだと思います。

現代の視点から観ると

社会に反発するかどうかで世代が分断されたり、盲目的に進歩を信じて働き、消費するのも、何か違うと感じます。

社会に溢れた情報に誰でもアクセスできるツールを持っている現代は、志があれば無限に可能性が広がっています。

個人差はあると思いますが、私は恵まれた世代だと感じています。

仕事で触れた中学生たちはどうなのでしょうか。

毎日遅くまで部活をして、帰ってから宿題をこなす。SNSでの繋がりが足かせになって不自由になっているようにも見えます。自分の時間がないと嘆いていました。

だからといって、社会に不満を持っているとか、自分が社会を変えてやるという気概はあまり感じませんでした。

本当のところどのような世代かということは社会で働くようになるは10年後にわかるのでしょう。

私がどんなに丁寧に語ったところで、親世代と分かり合えないように、若い世代とも根本的には理解しあえないのかもしれません。

『ぼくらの七日間戦争』のように今の社会を反映した作品で、30年後まで読み継がれるモノはなにかあるでしょうか。

SNSで今をときめくインフルエンサー達の著書は現在の社会を鋭く分析していてとても面白いですが、親世代は著者の名前も知りません。

世代間のギャップは歴史的必然なのでしょうか。それとも時代の変化のスピードが早くなってきたから起こる現象なのでしょうか。

予察ですが私は前者だと思います。皆さんどう思いますか。

#世代間ギャップ #僕らの七日間戦争 #宗田治 #中学生 #読み継がれる作品



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