第174回 歴史文化で沖縄が盛り上がる
1、価値が評価されること
文化庁の文化審議会で19日、琉球王家の陵墓である玉陵(たまうどぅん)を国宝に指定するよう答申がありました。
なんでも沖縄県の建造物で唯一となるとのことで、まずはめでたい!
基地問題や知事選など政治的な問題でニュースになるのではなく、
歴史文化が評価された、という明るい話題で注目されたのは手放しで喜んでいいのではないでしょうか。
2、答申と諮問の意味
答申という言葉の説明が少し必要かと思うのですが、
まず国宝指定の候補リストを文化庁が作成します。
この時まずは所有者からの申請という形をとるのがミソです。
それが妥当かどうか審議するのが文化審議会。細かくは色々な部会に分かれています。
文部科学大臣から諮問という形で意見を求められ、答申という形で返答する、という流れになります。
国宝に指定する、という手続き自体は少し遅れますが
この審議の結果が公表されるので、
指定される見通し、という報道になるのです。
県でも町でも規模が小さいだけで同じ流れなので、このあたりのイメージは就職してよくわかりました。
3、琉球独特の葬送観
玉陵は首里城を居城とた尚氏という王族が葬られている墓地です。
石垣で敷地を囲み、全体は板葺屋根の宮殿型です。
墓室は三つに分かれ、中室に遺骸をを安置して白骨になってから洗い、洞穴になっている奥室に納骨するという形。
琉球独特の葬送を象徴する文化財として高く評価できる、ということですでに重要文化財にも指定されていましたし、
世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」にも含まれています。
お墓は最もその集団の特徴を表している、集団が移動しても元の習慣を維持し続ける、など
考古学ではとくに注目されます。
実は学生時代、首里城までは行ったのですが、玉陵は見ないで帰ってきてしまったのです。
今となって後悔。
また旅して見たくなるきっかけができた、と前向きに捉えたいと思います。
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