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『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』

ロスがエグい。

 最終回放送から三か月経っても思い返せば警察と快盗のこと考えているし、4月のファイナルライブツアー参加してさらにしんどさが増している。この映画の舞台挨拶が、キャストにとってキャラクターの衣装に袖を通す最後の機会では~~~!?!?!?!?とか考えちゃって、帰りの電車でちょっと顔を伏せて泣いたりしている。そんなわけで絶賛ルパパトロスを患っている。どんだけロスってるかと言えば、録画したリュウソウジャーをまだ1話も観ていないと言えば、深刻度合いが伝わるでしょうか。ケボーンは何も悪くない悪いのは昔付き合った女(ルパパト)を未練がましく忘れられないおれのほうだ。

 そんな中、実質最新作のVシネマの期間限定上映が始まった。キュウレンジャーと一年ぶりの同窓会みたいなものなのに、あまりにルパパト好きすぎて入場特典のシールを貰って「あっこれリベリオンのみんな出るじゃん」とか思ったくらいに狂っていた。気が違っていた。そんなヤツが本作を観てどうなったかと言えば、ロスがまたエグなっただけである。

 本作は、『ルパパト』最終回以前の時間軸の物語だ。つまり、快盗の正体が警察に露見する以前のもので、少なからず両陣営に緊張感があった頃である…だというのに別宇宙から落下してきたラッキーのせいでシリアスがブレイクする。恐ろしいことに全編このノリなので、どうかついてきてほしい。

 細かいストーリーの言及は省くとして、まず驚いたのはキュウレンジャーとルパパトの相性の良さだ。そういえばキュウレンジャーにも怪盗BN団がいて、利害の一致により快盗と手を組む下りは天才か!?と震えた。バランスがいつものノリで快盗と絡むの眼も耳も幸せだし、久しぶりのナーガちょっと頬が緩んでて妙にツボる。めっちゃ楽しんでるでしょこれ。最高。

 一方の我らが朝加圭一郎は主にラッキーとの小競り合いに。宇宙屈指のポジティブシンガーなラッキーと堅物な正義感の朝加圭一郎、これもベストマッチです。戦隊界の戦兎と万丈。こんなに濁音浴びせても全く理解してないラッキーさんマジラッキーだし、宇宙連邦大統領(この世で一番つよい職業)ツルギが身元保証人になった途端態度が丸くなる圭一郎、ほんとそういうところ好きだぞ。

 基本的にこの映画これの繰り返ししかないというか、「このキャラとこのキャラを組み合わせたら美味しい」をじっくり煮込んでおれたちの口元に放り投げてくる。本編終了後のVシネマはとくにファンサービスに偏りがちだが、大本の『ルパパト』がキャラクター同士のアンサンブルを推していく作風だったため、キュウレン組もその磁場に寄せられた形になる。

 キュウレン組も本編のその後が描かれつつも、「女子組」「シェフ合わせ」といった、キャラの属性ありきで会話や戦闘のタッグが組まれていく。一切奇をてらわず、このキャラとこのキャラを絡ませたい!というこちらの期待値を順当に叶えていく。「公式が最大手」を地で行く東映の嗅覚は、同好の士のそれを感じずにはいられない。

 全3戦隊合計19戦士(Xは別カウントすれば20戦士)全員でご丁寧に名乗りを挙げた後は、数の暴力で敵を圧倒。ドン・アルマゲの影武者?知るか馬鹿。救世主と快盗と警察のオールスター大集合と主題歌メドレーを大画面大音響で浴びると、敵とオタクは死ぬ。

 そして何と言っても白眉は、エンドロールとその後のオマケ映像だ。みんなで踊るキュータマダンスは多幸感すごくて電子ドラックかと思ったし、何だかんだ言って本作は『ルパパト』TVシリーズ完結後に製作された作品。従って本作がどのように終わるかと言えば、あれ以外考えられないのである。ぶっちゃけここが一番泣けるし、東映スタッフのわかりみの深さに、おれたちは手を合わせ拝むことしかできない。

 こんなに新作が待ち遠しく、同時に「観たら終わってしまう」と焦燥感を覚えた戦隊は初めてだ。ずっと語り継がれる作品であってほしいし、来年の今頃も堂々と先輩面したアイツらに会いたい。願わくば、もう仮面を着ける必要のない快盗が警察と堂々と手を組む展開とか見せられたら、劇場に死体が増えることになるため、怯むことなく東映さんにはオタクを殺すテクニックを磨いていただきたい所存。どうぞご検討の程よろしくお願い申し上げます。


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