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月岡恋鐘は天性のアイドルであり、揺るがない。

 ドーモ、伝書鳩Pだ。今さら言うまでもないことだが、シャニマスはすごい。キャラクターやシナリオの作りこみが半端ではなく、これをお手軽なスマホゲーだと侮ったおまえはその密度と濃さに恐れおののき、布団を被って部屋の隅でガタガタ震えることになる。おれもいま、久しぶりのW.I.N.G優勝の喜びに震えながら、舞いを踊っている。スキルに換算すればDance3.5倍アピールは下らない。シンサ・インのスタンディング・オベーションが目に浮かぶようだ。

 そして今、おれが心奪われたのは月岡恋鐘という女(ヴィーナス)だ。この娘っこはすごい。思わず目を惹くプロポーションと、庇護欲をくすぐるドジな一面、そして【方言】という最強のパッシブスキルを常時発動させている。出身は長崎の佐世保、ハンバーガーとレモンステーキに囲まれ育った恋鐘は、なるべくしてアイドルになり、至極当然のように頂点を手にした。

月岡 恋鐘 (つきおか こがね)
CV:礒部 花凜
年齢:19歳 身長:165cm 体重:58kg 出身地:長崎県
3サイズ:93/60/91 誕生日:2月25日 星座:魚座 血液型:B型

 恋鐘とプロデューサー(画面の前のおまえのことだ)は、オーディションで出会うことになる。特徴的な方言を隠しきれない彼女は、「アイドルになるために生まれてきた」と豪語し、その溢れる自信とポジティブさに惹かれたおまえは、即決で恋鐘をデビューさせてしまう。恋鐘はこれまで全てのオーディションに落ち続けたというが、そいつらの目は節穴で、どうしようもない。実際、ヤツらは今悔しさで枕を涙で濡らしているはずだ。

 その自信はどこから生まれたものであるかは、断片的に語られる彼女の幼少期に由来する。恋鐘の実家は定食屋であり、彼女はそこの看板娘。長崎ならきっと皿うどんが美味しい店に違いないが、こんなカワイイ娘が給仕をしていたらおまえはどう思う?お釣りを渡されるとき、手が触れてしまったらどうだ??おまえは恋に落ちたに違いない。実際、恋鐘はカワイイかつ歌が上手いと言われながら育ってきたと自負しており、それが今の恋鐘を形作っている。

 恋鐘は、際立った才能を持ち合わせているわけではなく、その点はおまえがレッスンやお仕事で導いてあげなければならない。だが、彼女は誰にも負けないアドバンテージを持っている。ハートだ。何があっても目標を見失わず、己の在り方を曲げない、そういうつよさに、画面の前のおまえは惹かれていくはずだ。例えば、恋鐘は溢れる情熱が空回りして、失敗をすることがあったり、よく転ぶのもトレードマークだ。だが、恋鐘はウジウジと悩んだりせず、その失敗をも愛嬌に変えてしまう機転の利き具合で、どんなピンチもチャンスに変えてしまう。

 また、恋鐘はプロデューサーであるおまえを心から信頼し、全てを預けてくれる。自分をアイドルにしてくれた恩義もあるだろうが、屈託のない好意を、まっすぐにぶつけてくる。愛されて育った恋鐘は、そういうことにためらいがない。だからこそ、恋鐘を共に歩くためには鋼の心を持たねばならない。おまえはプロデューサーであり、恋鐘はアイドルだ。一線を越えてしまったら、その関係は崩れてしまう。節度のある接し方を心掛け、けっして相手が九州弁のカワイイ女の子だからって、気を許してはならない。

 話をまとめよう。月岡恋鐘は幼少期から愛されて育ち、その愛を一身に受け、自覚することで得られた「自信」を武器に、アイドルの世界に入り込んだ。自分が愛され、認められ、それを素直に受け取ること。それゆえに、恋鐘は愛をもって他者と接することができる。アンティーカのコミュやファン感謝祭編をみれば、恋鐘の他者受容の深さや、その明るさがユニットの原動力になっていることがわかるはずだ。

 それは同時に、強すぎる自己愛でもある。幼い頃から「カワイイ」「歌が上手い」と持て囃されてきた恋鐘は、自分をアピールすることに躊躇も照れもない。過去の経験から裏付けられた自信は、多少のことでは揺るがない。歌や踊り、持前の陽気さや方言だって、自分を偽らず100%を出力して、勝ち上がってしまう。自分をストレートに打ち出すことにてらいのない恋鐘は、アイドル力(ぢから)が群を抜いているのだ。

 これを天性と呼ぶべきか、魔性と呼ぶべきかで迷ってしまう。ドジな一面や方言も、そこに計算が一切ないとは、断言はできない。個人的には、天然半分あざとさ半分、と言ってしまいたい。「あざとい」と言うと言葉が悪いが、恋鐘は自分をカワイく魅せるという術を、本能的に察し実行する力があるのだと確信している。こうすればみんな褒めてくれた、という原初体験の積み重ねが、アイドル月岡恋鐘の原点だ。やはり恋鐘は、最初から強すぎる武器を持ち合わせた、天性のアイドルだ。

 月岡恋鐘につよく惹かれたきっかけとして、思い出深いコミュがある。先日のイベントで配布されたpSR【は~と♡に火をつけて】月岡恋鐘だ。

 このコミュでは、芸能界の社交場という珍しいシチュエーションから始まる。プロデューサーと共に業界のパーティに出席した恋鐘は、挨拶した業界人に名前を間違われてしまい、落ち込んでしまう。営業のため挨拶回りに勤しむプロデューサーを前に、一人張りつめていた恋鐘。ようやく帰りの車中で二人きりになった恋鐘は、あるお願いをプロデューサーに投げかける。

 予定を変え、高速を走らせるプロデューサー。どこへ行くわけでもなく、車中から夜景を眺め、何度も「きれい」と方言でこぼす恋鐘。やがて、恋鐘は自分のことを名前で呼んでほしいとおねだりをする。

 ここで露わになる、等身大の19歳の少女らしさと、素直にプロデューサーに甘えられる恋鐘らしさ。夜の車中というシチュエーションも相まって、少しムーディでオトナな雰囲気さえ醸し出すこのコミュに、おれはノックアウトした。それはシャニマスの大胆さであり、恋鐘のいじらしさに、である。いつも元気いっぱいなあの人が、おまえだけに弱いところを見せてくれるとしたら、それは信頼と愛のあかしだ。その想いを一身に受けられるプロデューサーは、この上ない幸せ者である。

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