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遊びを通して育てる共同注意 Part2

前回から大分時間が経ちましたが遊びの中で育てる共同注意について書いてみたいと思います。

前回のnoteはこちら。

#1 共同注意の種類

Part1でも書いたように、共同注意とは、相手と対象物を分かち合う目的で行われる行動のことです。つまり目的は物や活動の要求ではなく、相手からの注目という極めて社会的なものなのです。
定義だけでは、分かりづらいため具体的な行動を下記に挙げてます。

共同注意のために見る
パズルを完成させたとき、大好きな物を見つけたときなど相手と注意を共有するためにアイコンタクトをとる行動です。視線の動きは物から人へ人から物へと行き来することがポイントです。

共同注意のために見せる
子どもが面白いと思っている物を相手に向けて掲げて提示する行動です。

共同注意のために渡す
子どもはある行為や経験を他の誰かと共有するために物を大人に手渡す行動です。

共同注意の指差し
子どもが人差し指を対象に向けて指差して、経験を共有したり、何か驚くべきことや興味深いことを相手に伝えます。この際、相手の注意が向いているか確認しているかどうかも重要です。

共同注意の前段階としては、相手の視線や指差しを追従するという応答的な共同注意ができていることが前提となります。
また。上記4種類の行動は、子どもが自発的に行っていることが重要なポイントとなります。「見て!」など言葉とセットで出てくることも多いですね。では、後半は実際遊びの中でどのような関わりが共同注意を促すかについて書いていきます。

#3 環境設定

事前の準備である環境設定から考えていきましょう。
まずは対面で遊びましょう。視線が少しでも大人に向けられるようになるためには、床よりも机上のほうが確率は高くなるかもしれません。安定して座ることのできる椅子も重要です。玩具が十分に置けるよう机の広さも確保したいですね。

玩具の数はどうでしょうか?多すぎたり少なすぎたりすると注意が散ったり、遊びに飽きたりしてしまいます。お子さんに合わせた玩具の量に調整してください。はじめは少なく出して、あとから追加していくことが手堅い方法かもしれません。また、子どもが玩具を選択できるように複数種類用意できると良いですね。

その玩具が好きすぎたり、遊びのレベルとして難しいため大人と注意を共有できるような余白がない場合もあります。慣れている、簡単な玩具からスタートしても良いですね。

#4 共同注意の機会を作る

事前の準備ができたら次は機会をいかに作っていくか考えていきましょう。

想定外の出来事を利用する
想定外の出来事は見通しが崩れて、混乱することもありますが反対に驚きが面白さにつながることもあります。
積み上げたブロックが倒れたとき、玩具が予期せぬ反応みせたときに驚きに対応するために大人が先回りすることを少し待って、お子さんが驚きを共有してくれないか反応を期待しながら待ってみましょう。

心が弾むような玩具を紹介する
子どもは、心弾むような出来事や物に出会うとその気持を共有しようと視線を大人に向けたり指差したりしてくれることがあります。玩具の準備の際に夢中になりすぎる玩具はNGと書きましたが、紹介するタイミングでは自発的な共同注意の機会となります。ぜひ、タイミングを見計らって紹介しましょう。

ユニークな遊びのモデルを紹介する
いつもの遊びの中でお子さんが思ってもみないよう遊び方を行ってみせるのも良いでしょう。ケーキの上に野菜をのせてみたり、ポテトヘッドの腕を4本にしてみるなど遊びの中にユニークさを取り入れてみると面白さからこちらを見てくれるかもしれません。私は恩師から「子どもにウケたことは3回は繰り返してみよう」と冗談めかして言われましたが、実際やってみるとウケたら繰り返すは共同注意の場となる可能性がありました。

袋に入れて玩具を渡す
お子さんの「発見」の機会を作ることで共同注意の見せるや手渡しのきっかけになることがあります。外からは見えない袋や箱などを用意して玩具をしまっておきましょう。プレゼントのような気持ちで渡してみてはいかがでしょうか。

#5 おわりに

今回は具体的に遊びの中で共同注意を促す方法について書いてみました。共同注意の機会を設けた際にはお子さんの反応が出ることを期待して少し待ってみることも大事です。
大人のテンポが早すぎると諦めてしまうこともあるため余裕を持って待つことができると良いですね。
Part2を書き終えるまで大分時間が経ってしまいましたがまた、別のテーマでも細々書いてみたいなと思っています。それではまたどこかで〜。


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