踊る阿呆に見る阿呆

強烈な劣等感を武器に自己表現する人達の群れが列をなしている
特別珍しい事を訴える人間はいない

私もその中にいる一人

人の評価を待っている
賞賛されたがっている

認められたいという欲求
全ての問題は幼少期にあると言われても今更なのだ
何度も自分と向き合い色々と試してきたが無意味だ
催眠術で記憶をすり替えてくれる人を探す方が早い

努力なく注目される事を待っている
自己表現に努力など必要ないと思っている
好きなように書き好きなように描き好きなように歌うのだ
下手でも自分を解放出来ればそれでいい…

本当はそれ以上のものを望んでいる
注目され持て囃されたい
評価がなければつまらない
人が人である限りの強欲

認められたいという欲求
人の評価が正しいか正しくないかなど問題ない
結局人の評価なくして何を得ることも出来ない

私はただの阿呆か
何気なく書いたもので注目されたかった
注目される運がありもの凄い努力をして
胃潰瘍を作りながら売れるのが仕組みか

自分で自分を大絶賛して満足出来るなら
阿保になりたい
どこまでもいつまでも凡人なんだという
自覚は消えない

自分に期待してワクワク出来る時が一番楽しかった
いつまでもどこまでも自分を信じていられたらいい
何を犠牲にした所で成功する保証なんてないんだし

だから私は何も犠牲にしない
ぬくぬくと成功を待っている

自分の内面を解放した先に成功が待っている
そんな訳ないよ
そんな事に今頃気付いている

みんな気持ちよく仲良く前向きに頑張りたい
不愉快で暗い感情表現は皆を笑顔に出来ない
だから共感を得る事って結構難しい

ふとした何かに誰かに触発された時
感じた気持ちを凄く貴重に思っている
そんな自分をいつまでも大切にしたい

だから阿保に憧れながら
長蛇の列に並んでしまう