集中力の話。
仕事をしていくにあたり非常に重要な集中力。
子どものころよく親や先生から「君は集中力がない」とか言われなかっただろうか。私は周りに集中力がないと思われているはずである。だけど、私自身からすれば集中力があると思っている。このあたりのギャップから考察をひろげていこう。
まず、このギャップの原因として考えられるのは、端的に言うと集中力に対する切り口が違うということになるだろう。「長短」という切り口と「高低」切り口の違いである。集中力を高低で測る人もいれば、長短で測る人もいて、どちらかと言えば長短で測る人の方が多いイメージがある。
長短で語られる場合の集中力
集中力の高さは目に見えるものではない。なので、目に見えるもので測ろうとする。その結果、ずっと同じことに取り組んでいることから集中力を推し量り、あの人は集中力があるという判断をしていないだろうか。
実は、その人は能力がなく同じことをやっているだけかも知れない。
私は長い間同じことを考えるのが苦手である。長い間と言っても10分くらいが限度。すぐに工場内を散歩するし、とにかく落ち着きがない。家でもゲームをしながら待ち時間に本を読んだり、noteを書いたりTwitterをやったりする。
こう改めて書くとわかりやすい。実は、私に足りないのは集中力ではなく、持続力であろう。より分かりやすく言えばただ落ち着きがないのである。
長短で語られている場合の集中力の正体は、実は持続力なのである。
高低で語られる集中力について
次は集中力の高低についてだ。
これは一目でわかるようなものではない。なので、例えば周りの状況が目や耳に入らない状態の人、目つきや醸し出す雰囲気で推し量ったり、アウトプット、その人の言動からアウトプットに巡らされた思考の深浅、成果物の濃度で、これまた推し量っているのだろう。
アウトプットの濃度=思考力の深度=集中力の高さ
との関係が頭の中で成り立っているのではないだろうか。
要するに仕事ができると思っている人を半ば自動的に集中力が高い人と認識してしまっているのではないだろうか。
高低で語られている場合の集中力の正体は、実は思考力なのである。
では集中力とは?
能力を最大限に発揮できる状態を仮に集中状態とした場合に、「集中状態に素早く入るため力」だと考えます。
通常状態と集中状態を素早く、そしてロスなく往来することのできる能力。
集中するための力。これが集中力の正体ではないだろうか。
集中力と集中状態
Googleで集中力と叩くと、高める食べ物、や高めるトレーニング、などといったワードが関連して出てくる。やはり世間では集中力を高めたいというニーズは非常に多いと考えられる。
そういったWebサイトで取り扱っている集中力が思考力もしくは持続力のことであれば、もちろん高めるのに越したことはないし、メソッドもそれなりに有用なものも多い印象を受ける。
また、一部には、脳科学的な観点から、緊張→リラックス法やルーティン法、α波を意図的に出すことのできる音楽などで集中状態を意図的にコントロールするようなメソッドもあります。これらは一部アスリートの事例(特に五郎丸さん)などで見たことがある人も多いのでは。
でも私はアスリートではありません。アスリートの集中状態は深く長くとることができますが、ビジネスの世界では、深く考えることのできる時間を取ることはあまり現実的ではありません。
少し考えていると電話がなる。部下や上司から声を掛けられるなどは日常茶飯事です。そのたびに、音楽を聴いて、深呼吸をして、なんてやってられません。
私が一番理想と考える状態は、
通常と集中の間を高速でいったりきたりしているような状態です。さらに深く考えている最中でも周りに気が向けられていて、必要に応じてパッと通常状態に戻ってこれる。そんな状態です。
集中力の鍛え方
では、そんな状態に持っていくための集中力の鍛え方、私なりのトレーニングをご紹介します。
あくまで上で書いたような定義の集中力を鍛える方法ですので、その辺はあらかじめご了承頂きたい。
まず、会社に行くと、すべてのデイリーワーク、タスク、やりたいことなどをひろげます。私の場合は、まず紙に書いて構想してからエクセルファイルやパワーポイントに落とし込んで資料を作成するので、作りかけのファイルや紙をひとまずすべて机上に載せます。
次に、デイリーワーク、いわゆる日常業務を片付けます。その際に作りかけの資料のことが思いついたらそちらを先に手をつけます。それをやっているうちに他の案件のプランが思いついたらすぐにそちらに手を加え。。。というように、マルチタスクというか、思考のおもむくままにタスクを進めていきます。
もちろん期限の迫っているものなどはある程度的を絞って考えるようにしますが、もちろん他の案件のアイデアなどがあれば、そちらを進めますし、疑問点などが出てくれば、すぐに解消するように動きます。
いろいろな案件を敢えて抱えることで、脳内で思考されたことをもれなくアウトプットできるような状態に身(脳)を置き、分断されているアウトプットを最後の方で組み上げて、一つの企画、提案としていきます。
脳は元来、いろいろなことをフワフワと考えるようにできていると感じています。それを無理やり一つの事象に絞って考えさせるので、効率が良くないし疲労感もでる。そうではなく、脳を自由な存在にしておき、出てきたものをこちら側で手持ちの案件に当てはめていく。
そんな感じです。
そしてそれを繰り返していくことで、脳と意識が分断されたような感覚になる。そうなると脳は集中し深く思考をしつつも意識は通常側にある。
そういった状態が、集中状態に素早く出入りしつつ、意識を外部に向けている理想の状態なのではと考えています。