我が家の夏の怪

子供がまだ小さかった夏の日は
主人が仕事から帰ってくると夕涼みを兼ねて
よく散歩に出かけました

当時住んでいた家の近くには大きな公園があり
盆踊りの日には吉本の芸人さんがやってきて
それはそれは大いに盛り上がりました

しかし普段の夜の公園は暗くて人気もありません

すっかり日も落ちた散歩帰り

公園の周りは暗く
人も車もほとんど通りません

子供を抱っこしながら公園横を歩いていると

前を歩く主人に抱っこされた長女が
公園の奥の方を指差しながら

「おかあさん〜
夜やのに
あのお兄ちゃん
なんで1人でブランコ漕いでるの⁇」

と聞いてきたのです。

公園は暗くてもう遊んでる子供なんていてませんし
もちろんブランコを漕いでるお兄ちゃんなんて
居ません！2度見しても居ません！見えません

私は怖くてヒェ〜と走り出したかったけれど
叫んで走る母親の姿の方が子供には怖いやろうと
必死で平静を装いました

その後は半分駆け足で家に帰り
寝支度もソコソコにお布団に入ると

長女がまた台所を指差し

「おかあさん　　あのおばあちゃん　だれ〜？」

へっ！！おばあちゃん？
誰って！家におばあちゃんはいてないよ〜
何処におばあちゃん居てるのよ〜ヒェ〜


「誰やろうね〜早よ寝よね〜」
私は布団を被って「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・」

翌日、娘はおばあちゃんのことについては何も言わなかったので

無事おかえり下さったようです。

娘本人はスッカリ忘れていますが
リアルに怖かった我が家の怪談です

写真は2007年11月
興福寺東金堂の上空をおよぐ龍

と思っている写真です