ゲーム史をたどる(#1)
世界初のコンピューターゲーム
最初のコンピューターゲームってなんだろう。
どこからをゲームと呼ぶのかっていう定義にもよるから「これが最初!」ってものはないけど、初めて一般人が遊んだゲームはアメリカのブルックヘブン国立研究所で制作された『Tennis for Two』といわれている。
当時、ブルックヘブン研究所では原子力技術の研究をしていた。
でも、その頃はまだ太平洋戦争も記憶に新しかったから、市民に原子力研究に理解を持ってもらおうと研究所を一般公開していた。でも、一般人にとっては原子力研究の話を聞いたり機材を見せられたところで難しくてよく分からない。それで、退屈した見学者を見た博士が見学者に楽しんでもらおうと作ったのが『Tennis for Two』なのだ。
このゲームは名前の通り、2人で遊べる単純なテニスゲームだったんだけど、公開すると遊びに来た人で列ができるほどの人気が出たらしい。
そして、このゲームの仕組みにはミサイルの弾道の計算などの技術が応用されていたんだって。ということは、十数年前だったら兵器に使われていた技術が何百人もの人を楽しませたことになるね。博士は生前まで、核兵器拡散防止に努めていたけど、このゲームも科学技術の平和的な利用を願って作ったのかもしれないね。
それにしてもこのゲーム、ボールが放物線を描いたり、跳ね返ったり、今でいう物理演算みたいだよね。世界初のゲームが物理演算のようなものをを採用してたなんて意外だなあ。
ちなみに、このゲーム以前にもコンピューターゲームと呼べるものがいくつか作られていたけど、紙に書いて記録するものだったりしていわゆるビデオゲームではなかったし、一般の人には縁がない代物だったから今回は『Tennis for Two』を最初のコンピューターゲームとして紹介しました。まあ『Tennis for Two』もディスプレイはビデオ信号じゃなくてオシロスコープだったから厳密には“ビデオ”ゲームではないんだけどね。
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