いいことばかりだった私の初めての挫折【音声と文章】
山田ゆり
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※今回はこちらのnoteの続きです。
↓
https://note.com/tukuda/n/n2e8a02988c9e?from=notice
のり子は快適なひとり暮らしを続けるうちに都会で暮らす自分を想像するようになった。
のり子の勤務先は東京に本社があり、社内で転属できる制度がその頃始まり、のり子は東京の本社の事務管理部に転属したいと思うようになった。
都会での独り暮らしは怖い。
当時ののり子には親、姉弟、親戚、誰一人として東京にいる人はいないから、何かあってもすぐに駆け付けてくれる人はいなかった。
それでも都会で仕事をしてみたかった。
まずは何をすればいいのかのり子は考えた。そして、店長にまずは自分の意志をお伝えした。
店長はのり子の大胆な考え方に驚いたが「では、本部の方に聞いてみるから」と言われ、数週間後に本社で面接をしてくださることになった。
のり子は東京にある本社へ向かった。
のり子は受付で「訪問者」の名札を受け取りエレベーターホールへ向かった。
エレベーターは6台あり、とまる階によって乗るエレベーターが違っていた。
人事部は何階かを確認してエレベーターを待った。
その間もぞくぞくと人が集まってきた。どこからそんなに人が来るのだろうと思うほど、僅かな時間で多くの人がエレベーターを待っている。
人事部は高層階にあった。
エレベーターから降りたのり子は歩くたびにパンプスが厚い絨毯に吸い込まれていった。
のり子にとっては想像がつかない世界だった。
そしてのり子の面談が行われた。
数日後に「残念ながら」という文字が入った書類が届いた。
のり子は面談の時に、人事部に聞かれたことを思い出した。
それは、東京近辺に、家族又は親族がいるかということだった。
のり子の会社は「誠実」を社訓の一つにしているくらい真面目な会社である。
都会で一度も暮らしたことが無い女性を受け入れることはしていない。これから初めて都会暮らしをするのなら、家族又は親族が東京近辺にいることが会社の採用の条件の一つだと言われた。
のり子の家族は勿論、遠い親戚でも東京近辺に住んでいる人はいないのである。
本当の理由はもっと違うことだったかもしれないが、近しい人が都会にいないということで「不採用」の結果に終わった。
おもちゃ売り場に異動になって自由に仕事をし、良い結果ばかり続いてきていたのり子にとって、初めての挫折だった。
そして、世の中は自分が思っているほど甘くはないと、目が覚めた。
自分は何ができるのだろうか。
何をしたいのだろうか。
当時ののり子は、「一旦就職したら定年まで勤めるのが当たり前で、途中で辞めるなんて自分では考えられないこと」という常識だった。
だから、自分の将来の姿をこの会社でしか想像していなかった。
30歳近くなったのり子は
「これまでは、若いというだけで周りからチヤホヤされていたが、これからはそうはいかない。人は必ず歳をとる。歳だけ取って何も知らない先輩になるのは恥ずかしい。
恥ずかしくない先輩になりたい。」
そう思っている。
その後、ある日、「家族に一人、税に関して詳しい人が必要だ。」とのり子は痛感した出来事があった。
それでは誰がいる?
姉は嫁いでしまっている。
残っているのは私と弟だ。
弟は新聞社に勤めていてたぶん無理だ。
ということは誰も居ない。
( ^ω^)・・・
そして、閃いた。
そうか、私がそれになればいいんだ。
私が税に関して詳しい人になればいいんだ!
会社に入ったら定年まで勤めるのが常識と思っていたのり子は、その常識を変えればいいということにその時初めて気が付いた。
今の状況でそれが達成できるかできないかは関係なく、なりたい将来の自分を描いてしまったのり子は、新たな目標に邁進することを決めたのである。
長くなりましたので、続きは次回にいたします。
※note毎日連続投稿1900日をコミット中!
1808日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。
どちらでも数分で楽しめます。#ad
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のり子は快適なひとり暮らしを続けるうちに都会で暮らす自分を想像するようになった。
のり子の勤務先は東京に本社があり、社内で転属できる制度がその頃始まり、のり子は東京の本社の事務管理部に転属したいと思うようになった。
都会での独り暮らしは怖い。
当時ののり子には親、姉弟、親戚、誰一人として東京にいる人はいないから、何かあってもすぐに駆け付けてくれる人はいなかった。
それでも都会で仕事をしてみたかった。
まずは何をすればいいのかのり子は考えた。そして、店長にまずは自分の意志をお伝えした。
店長はのり子の大胆な考え方に驚いたが「では、本部の方に聞いてみるから」と言われ、数週間後に本社で面接をしてくださることになった。
のり子は東京にある本社へ向かった。
のり子は受付で「訪問者」の名札を受け取りエレベーターホールへ向かった。
エレベーターは6台あり、とまる階によって乗るエレベーターが違っていた。
人事部は何階かを確認してエレベーターを待った。
その間もぞくぞくと人が集まってきた。どこからそんなに人が来るのだろうと思うほど、僅かな時間で多くの人がエレベーターを待っている。
人事部は高層階にあった。
エレベーターから降りたのり子は歩くたびにパンプスが厚い絨毯に吸い込まれていった。
のり子にとっては想像がつかない世界だった。
そしてのり子の面談が行われた。
数日後に「残念ながら」という文字が入った書類が届いた。
のり子は面談の時に、人事部に聞かれたことを思い出した。
それは、東京近辺に、家族又は親族がいるかということだった。
のり子の会社は「誠実」を社訓の一つにしているくらい真面目な会社である。
都会で一度も暮らしたことが無い女性を受け入れることはしていない。これから初めて都会暮らしをするのなら、家族又は親族が東京近辺にいることが会社の採用の条件の一つだと言われた。
のり子の家族は勿論、遠い親戚でも東京近辺に住んでいる人はいないのである。
本当の理由はもっと違うことだったかもしれないが、近しい人が都会にいないということで「不採用」の結果に終わった。
おもちゃ売り場に異動になって自由に仕事をし、良い結果ばかり続いてきていたのり子にとって、初めての挫折だった。
そして、世の中は自分が思っているほど甘くはないと、目が覚めた。
自分は何ができるのだろうか。
何をしたいのだろうか。
当時ののり子は、「一旦就職したら定年まで勤めるのが当たり前で、途中で辞めるなんて自分では考えられないこと」という常識だった。
だから、自分の将来の姿をこの会社でしか想像していなかった。
30歳近くなったのり子は
「これまでは、若いというだけで周りからチヤホヤされていたが、これからはそうはいかない。人は必ず歳をとる。歳だけ取って何も知らない先輩になるのは恥ずかしい。
恥ずかしくない先輩になりたい。」
そう思っている。
その後、ある日、「家族に一人、税に関して詳しい人が必要だ。」とのり子は痛感した出来事があった。
それでは誰がいる?
姉は嫁いでしまっている。
残っているのは私と弟だ。
弟は新聞社に勤めていてたぶん無理だ。
ということは誰も居ない。
( ^ω^)・・・
そして、閃いた。
そうか、私がそれになればいいんだ。
私が税に関して詳しい人になればいいんだ!
会社に入ったら定年まで勤めるのが常識と思っていたのり子は、その常識を変えればいいということにその時初めて気が付いた。
今の状況でそれが達成できるかできないかは関係なく、なりたい将来の自分を描いてしまったのり子は、新たな目標に邁進することを決めたのである。
長くなりましたので、続きは次回にいたします。
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