「どうして気づかないの!」そう言われたって・・・【音声と文章】
山田ゆり
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※音声と文章、どちらでも楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
「どうして気づかないの!」そう言われたって・・・
ということをお伝えいたします。
「ピーーーー。」
会社の複合機からFAXの用紙が出てきた。
でも誰も複合機に向かわない。
勤務先での雑用はそれぞれ分担されていて
FAXが来た時にそれを取りに行く人も決まっていた。
座っている椅子を半回転すれば
手が届く位置にいるA子さんがその役目だった。
しかし、複合機が変わり、
FAXの用紙が出てくる場所が
これまでの逆の方向になり
B子さんが少しだけ椅子を後ろにしたら右手でとれる位置になった。
複合機が変わってもその役目は変更にならなかったから
FAXが来たらA子さんが取りに行っていた。
しかし、気づいているのかいないのか
A子さんは取りに行かないことが多くなった。
B子さんは事務ではなく別の部署の方で
FAXは自分がとるものだという認識がないから
FAXが来ても全く気にしていない。
私は部屋の奥で壁を背にしてA子さん達の姿が見える位置にいる。
他の方も誰もFAXをとろうとしない。
急ぎのFAXだったらどうしよう。
そう思うと私は気になり、複合機に近づいてFAXを手にする。
そんな事が多い。
どうしてA子さんはFAXを取りにいかないのよ。
その役目ではなくても、B子さん、たまに取ってくれてもいいじゃない。
他の皆さんも私よりも複合機に近いんだから取りに行ってよ。
たかがFAXのことでイラつく自分が恥ずかしい。
心の中で一人つぶやく。
でも私はそれを言葉にできない。
いい人ぶりたい自分がいる。
二女だったらここではっきり言うだろうなぁ。
一言いえばいいことなのだが、私はそのひと言が言えない。
意気地なしなのだ。
ある日の午後
事務所内はシーンとしていた。
社内には音楽など流れていないので
電話や来客が無い限り事務所内は静かなものだ。
私が振替伝票をめくる音とか
誰かがステープラで紙をとめている音とかが事務所内で響く。
お昼休憩後の午後は独特の空気がある。
うるさいのにウルサクナイ。
外の世界から隔離されているようなそんな空間にいる感覚がある。
これは「眠い」というのではなく
「閉じられた空間の中にいる」感覚だ。
そして来客だったり電話だったりで
その空間は終わりを告げられる。
私たちは「スー――――。」とした音を聴きながら仕事をしていた。
その音は途切れることなくずっと続いていて、その音を違和感なく受け入れていた。
その音はずーっと続いていた。
すると、C子さんがこれまで我慢していたのを抑えられないというような感じで、いら立ったように立ち上がり
ストーブの上に置いてあった大きなやかんを持ち上げた。
すると、事務所内の今までの連続音が突然止んだ。
その時初めて、これまでやかんが沸騰し過ぎて、やかんの中が少なくなって音がしていたことに私は気が付いた。
いつからその音が鳴り始めたのかは全く気が付かなかった。
連続するその音に、「なぜ鳴っているのか。」という思いはなく、その音を当たり前のものとして私は受け入れていたことになる。
そして、C子さんはその音を不快と感じて誰かがやかんに水を入れてくれるだろうと期待していたのだろう。
しかし誰もそれをしない。
「どうして気が付かないの!?」
C子さんの心の中で葛藤があったと思う。
そして、意を決して(大袈裟ですが)自分が立ち上がったのだろう。
しかし、本当に不思議なのだが
やかんの音に私は全く不快だとは感じていなかった。
やかんの音が鳴っていることさえ気が付いていなかったのだ。
そして、やかんをストーブから持ち上げた瞬間、
突然その音は止み、これまでの音がうるさいものだったと気がつき
これまでの夢が覚めたような感覚になった。
これは私がFAXに対する思いと同じだとその時私は気づいた。
私は気になるが他の皆さんは全く気が付かない。
それは悪意でも何でもなく、ただ気づかないだけ。
気が付く人だけがイライラする。
FAXややかんのことなど
ほんの些細なことなのだが
気になる人、気にならない人
それぞれなのだと改めて感じた。
「どうして分かってくれないの!」
「そう言われても、気が付いていなかったんだもん。」
夫婦の会話にありそうなこと。
人はみんな違う。
自分と同じ人間はいない。
いくら大恋愛の末に結婚しても
お別れする時がくることもありえる。
どこが気になってどこに気が付かないかは人それぞれ。
新学期が始まる。
新しい環境が始まる方が多い季節。
何となく気が合いそうと思って友達になっても
自分と全く同じ考えの人はいないから
自分と同じことを相手に期待してはいけない。
それを肝に銘じてお付き合いした方が
良い関係でいられるのかもしれない。
今回は
「どうして気づかないの!」そう言われたって・・・
ということをお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
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【わたしだけじゃないんだ】
突然、アルツハイマー型認知症になった同居の実母を介護した、
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期間内に解約すれば無料で他の本も読めます。
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【自分のための人生】
https://note.com/tukuda/m/m5b66808db98c
『読むとほっこりする』
『胸にじーんと来ました』
などの感想をいただいています。
.。*゚+.*.。 ゚+..。*゚+
大それたことはしなくてもよい
そこに向かう姿勢が大事
日々忘れない努力をする
.。*゚+.*.。 ゚+..。*゚+
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
「どうして気づかないの!」そう言われたって・・・
ということをお伝えいたします。
「ピーーーー。」
会社の複合機からFAXの用紙が出てきた。
でも誰も複合機に向かわない。
勤務先での雑用はそれぞれ分担されていて
FAXが来た時にそれを取りに行く人も決まっていた。
座っている椅子を半回転すれば
手が届く位置にいるA子さんがその役目だった。
しかし、複合機が変わり、
FAXの用紙が出てくる場所が
これまでの逆の方向になり
B子さんが少しだけ椅子を後ろにしたら右手でとれる位置になった。
複合機が変わってもその役目は変更にならなかったから
FAXが来たらA子さんが取りに行っていた。
しかし、気づいているのかいないのか
A子さんは取りに行かないことが多くなった。
B子さんは事務ではなく別の部署の方で
FAXは自分がとるものだという認識がないから
FAXが来ても全く気にしていない。
私は部屋の奥で壁を背にしてA子さん達の姿が見える位置にいる。
他の方も誰もFAXをとろうとしない。
急ぎのFAXだったらどうしよう。
そう思うと私は気になり、複合機に近づいてFAXを手にする。
そんな事が多い。
どうしてA子さんはFAXを取りにいかないのよ。
その役目ではなくても、B子さん、たまに取ってくれてもいいじゃない。
他の皆さんも私よりも複合機に近いんだから取りに行ってよ。
たかがFAXのことでイラつく自分が恥ずかしい。
心の中で一人つぶやく。
でも私はそれを言葉にできない。
いい人ぶりたい自分がいる。
二女だったらここではっきり言うだろうなぁ。
一言いえばいいことなのだが、私はそのひと言が言えない。
意気地なしなのだ。
ある日の午後
事務所内はシーンとしていた。
社内には音楽など流れていないので
電話や来客が無い限り事務所内は静かなものだ。
私が振替伝票をめくる音とか
誰かがステープラで紙をとめている音とかが事務所内で響く。
お昼休憩後の午後は独特の空気がある。
うるさいのにウルサクナイ。
外の世界から隔離されているようなそんな空間にいる感覚がある。
これは「眠い」というのではなく
「閉じられた空間の中にいる」感覚だ。
そして来客だったり電話だったりで
その空間は終わりを告げられる。
私たちは「スー――――。」とした音を聴きながら仕事をしていた。
その音は途切れることなくずっと続いていて、その音を違和感なく受け入れていた。
その音はずーっと続いていた。
すると、C子さんがこれまで我慢していたのを抑えられないというような感じで、いら立ったように立ち上がり
ストーブの上に置いてあった大きなやかんを持ち上げた。
すると、事務所内の今までの連続音が突然止んだ。
その時初めて、これまでやかんが沸騰し過ぎて、やかんの中が少なくなって音がしていたことに私は気が付いた。
いつからその音が鳴り始めたのかは全く気が付かなかった。
連続するその音に、「なぜ鳴っているのか。」という思いはなく、その音を当たり前のものとして私は受け入れていたことになる。
そして、C子さんはその音を不快と感じて誰かがやかんに水を入れてくれるだろうと期待していたのだろう。
しかし誰もそれをしない。
「どうして気が付かないの!?」
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そして、意を決して(大袈裟ですが)自分が立ち上がったのだろう。
しかし、本当に不思議なのだが
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やかんの音が鳴っていることさえ気が付いていなかったのだ。
そして、やかんをストーブから持ち上げた瞬間、
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これは私がFAXに対する思いと同じだとその時私は気づいた。
私は気になるが他の皆さんは全く気が付かない。
それは悪意でも何でもなく、ただ気づかないだけ。
気が付く人だけがイライラする。
FAXややかんのことなど
ほんの些細なことなのだが
気になる人、気にならない人
それぞれなのだと改めて感じた。
「どうして分かってくれないの!」
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自分と同じことを相手に期待してはいけない。
それを肝に銘じてお付き合いした方が
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本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
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突然、アルツハイマー型認知症になった同居の実母を介護した、
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