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読書要約#5 アウトプット大全

①アウトプットとは

本書ではインプットは「入力」、アウトプットは「出力」と定義されている。具体的には「読む」「聞く」がインプット、「話す」「書く」「行動する」がアウトプットとのこと。インプットしているだけだと、脳の中の情報や知識が増えるだけで「現実世界」には何も変化は起きない。一方でアウトプットは「現実世界」に対して影響や変化を与えるものである。つまりアウトプットして初めて、「現実世界」を変えることができるのだ。

そしてインプットとアウトプットの比率は「3:7」がベストとか。世間一般はその比率が7:3になっている人が大半だが、研究によると、アウトプット中心にした方がインプット中心の群より記憶の定着がしやすいということがわかっている。例えば、月に10冊本を読む人より、月に3冊しか読まないが、3冊分のアウトプットをしている人の方が、本の内容をよく理解しているということだ。10冊分を読んだ時間が全て無駄になるよりかは、読んだ本の数は少ないかもしれないがしっかりとアウトプットした方がいいのだ。

もう一つ大事な概念として「フィードバック」が登場する。ただ単にアウトプットの量を増やしたからといって成長するということはない。アウトプットして発生した様々な反応や結果を振り返り次に活かさなくては、また同じことが繰り返されるだけだ。アウトプットした後の振り返りが大事だということだ。

②話す

アウトプットの中の1つ「話す」から特に印象に残ったものを紹介する。ズバリ「感謝する」ことである。実は、人は感謝をすると幸福物質である「ドーパミン」、癒しの物質である「セロトニン」、リラックスの物質である「オキシトシン」、脳内麻薬ともいわれる最強の幸福物質「エンドルフィン」をも分泌するらしい。さらに、感謝などポジテイブな感情が多いと心臓血管系が安定し、免疫力が高まり長生きすることが多くの研究でわかっている。しかもこれは感謝をする側とされた側どちらも享受できるものとなっている。感謝をすることでこんなにも多くのものを享受できるのだ。効能が多すぎてびびるほど。これを聞いたら誰しも「感謝」というアウトプットをしたくなるだろう。

③書く

次に「書く」から特に印象に残ったものを紹介する。それは「書き出す」というものだ。すごい当たり前のことなのだが、意外とないがしろにしてしまうのではないか(自分はそうです。。)。人間の脳は同時に3つのことしか処理できないらしい。これ以上のことを同時に処理しようとするとパニック状態に陥るのだという。つまり、頭の中でやらなければならないこと/やりたいことを思い浮かべるだけでなく、紙やPCにメモとして「書き出す」ことでパニック状態を免れることができる。どんどん「書き出す」というアウトプットをすることで脳の空きトレイを増やしていくイメージだ。

④行動する

最後に「行動する」から特に印象に残ったものを紹介する。それは「始める」だ。誰しもやる気がなかなか出ないなあという日や瞬間がある。世間ではそれを「やる気スイッチ」ともじり、人気CMとなった事例もある。「やる気が出ない」とはそれくらい浸透していて共感を生む現象なのだが、それを解決するためにはとにかく「始める」ことしかないようだ。研究によると、脳のやる気スイッチである側坐核を活動させるには、ある程度の刺激が必要になることがわかっている。その必要時間はたったの「5分」だとか。つまり、とにかく机に向かうなど「始める」行動がやる気の鍵になる。やる気が出ないなあと思っているままだと、残念ながら何も変化は起きない。とにかく「始める」のだ。

⑤所感

そもそも自分がこうして本の要約をしているのは自分の中でのインプットとアウトプットの比率を調整するためであった。自分はアウトプットの割合が低いと自覚しているので、読んだ本の要約をすることでアウトプットをしている。そういった意味でアウトプットそのものにそもそも興味があったため本書は非常に楽しく読み進めることができた。脳の仕組みや研究などからエビデンスを引っ張って論じていたためすんなりと理解も進んだ。だし、自分の本を要約するっていうアウトプットの方向性は間違っていないとこの本が証明してくれている気がした。確かに今まで要約した本の内容は記憶にしっかり残っている。これからも自信を持ってこれを続けていこうと思えた。この本を読んで本当にインプットとアウトプットはセットだと感じた。インプットしただけでは記憶も定着しなければ、自分の現実世界はなにも変わらない。行動して初めて、周りの環境が変化する。むしろアウトプットしないほうがリスクが高いのではないか。アウトプットしてマイナスの評価が下されるかもしれないが、それをしっかりと振り返って次に繋げればそれは前より成長しているということができる。とにかくやらなければなにも起きないし一生停滞だ。そのあたりの危機意識が高まった一冊だった。

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