名前の無い花

名前はなにかって？

いいじゃないですかそんな事は｡

知ってどうするんです？

次に話す言葉に困るでしょ｡

特技ですか？

語りかけるのも好きですが

案外聴くのも得意です｡

今日も明日も

誰かの無事を祈り

ある意味“味わい”を添える､

これを特技とします｡

忘れさせないのが“仕事”です｡

〖重い〗事実を

〖想い出〗に変えるのが役目です｡

香りですか？

『石鹸の香りがする』

と

よく言われます｡

時折

“金木犀を連れて”

風に揺れます｡

“過ぎた季節を想わせる”のも

私の大切な

役目ですから｡

色ですか？

見ればわかるでしょうに｡

赤ですよ｡

強いて言うなら朱色です｡

ホントは

白なんですけどね｡

花だってヒトと同じように

“頬”を染めても

可笑しくないでしょう？

夜は静かでいいですね｡

風を浴びながら

月を見上げながら

星を数える楽しさを

アナタはご存知ですか？

明日が良い日とは限らない｡

それでも

夢見ていいじゃないですか｡

幸せのカタチは

自分で決めるものですよ｡

何処かの偉人が唱えた

“Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow.”

この言葉を送ります｡

私の心の支えです｡

余談ですけどね､

『星が綺麗ですね』

アナタはなんて返しますか？

私のもつ応えは

『もう少しこのまま眺めていてもいいですか』

意味は想像してください｡

教えてばかりではつまらないでしょ？

そうそう｡

つい先程､〖名前〗を授かったんでした｡

“カガミ”だそうですよ｡

暫くはそう呼んでください｡

ホントの名前ですか？

なんでしょうね｡

私は今日もこの地で風と謳っています｡

またお会いしましょう｡

“また逢う日を楽しみに”

〖花に心を添えたなら〗

(2022/03/19)