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わたしと読書|今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
朧の読書記録 #1
標野凪『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』双葉文庫,2022年
令和5年5月29日〜6月4日 読了
幸せって何かで測れるもの?
時間の使い方で幸せの質や量は変わるの?
10人いれば10通りの幸せがあるということを、コロナ禍を舞台に5つのストーリーを通して伝えてくれる作品だと思います。
5つのストーリーに登場する主人公たちは、コロナ禍の生活の中で疲れた身と心のまま、ひっそりと営業している喫茶ドードーに導かれます。
ドードーの店主そろりさんのとっておきなメニューが、タイミングよく主人公たちとわたしたちの心を癒してくれる短編集です。
そして短編集ならではの素敵な仕掛けも。これは読んでいるわたしたちにしか気づけない視点です。
コロナ禍を経験したわたしたちだから分かる主人公たちの生活スタイルと悩みが、この本を読み進める力になります。
どのお話も共感できて好きなのですが、特にわたしに刺さったのは、
第二話と第五話です。
今回もノートに記録した文章がたくさんあります。
最後に、それぞれのお話から特に好きな文章を1個ずつ紹介して終わります。
SNSとていねいな暮らしに悩むお話
他人の基準に振り回されて自分を見失ってはもったいないです。
自分がいいと思えばいい。
ただ、そのためには自分の研ぎ澄まされた芯を持つことが大切なんです。
新しい生活スタイルと家族の形に悩むお話
本の読み方やメロディーがひとつじゃないように、考え方もひとつじゃない。
理不尽さや理解されないことに嘆くよりも、その中から自分たちなりの「調理法」を見つければいいんだ。
仕事のために走り続けてきたお話
「人間の心もこうだといいですね。すぐにぺしゃんこにならないように」
少しの変化にも壊れない柔軟性があれば、簡単には心が折れたりはしない。
だから自分をいたわるんですよ。
自分がいたわらずに誰がいたわってくれるんでしょう。
新しい生活様式と気遣いに悩むお話
時には心の弓をひこう。
いつも笑顔でいられるために。
暮らしと仕事 程よく混ぜ合えばいいねのお話
どんなにいい大学だって、相手の気持ちを慮る方法を教えてはくれない。
それは社会に出て、失敗を重ねつつ学んでいくことだ。