次の創造につながる「書かない時間」の過ごし方
文章を書く前には、一定の「仕込み時間」が必要です。
情報収集をする
あれこれ思考する
情報を整理する
などなど……。
とはいえ、こうしたことにかけた時間は、なかなか「成果」として実感できないのが難点。
執筆にかけた時間は、
「今日は何文字書けた」
など、成果を目に見える形で確認しやすいため、「仕事をしている」実感を得るために、早々にパソコンに向かう人も多いかと思います。
けれど、この行動は、かえって作業効率を低下させると、経験済みの方も多いことでしょう。
「仕込み」の時間をしっかりとらずパソコンに向かっても、書いては消し
書いては消しの繰り返し。
結局、1行も書けずに1日が終わってしまった……なんてことはよくある失敗です。
そうならないために、
「書かない時間も仕事をした実感を得る(かつ文章を生み出すことにつながる)秘訣」
をご紹介したいと思います。
「書かない時間」を充実して過ごすことで、そのあと書き上げた「文章」の質がグンと変わってくるはずです。
■「脳の中身」をメモにして視覚化する
まず、パソコンに向かう前にしておきたいのがコレ。
「思考を視覚化する」
思いついたこと、考えたこと、調べたことを、メモに記して残しておくのです。
よほど記憶力の高い人でない限り、「調べたこと」「頭の中で考えたこと」をずっと覚えていられません。
「忘れないでおこう」「覚えておこう」という労力と気苦労を背負うくらいなら、紙にアウトプットして、それを「もう一つの自分の脳」としてファイルしておくほうが気楽ですし、確実です。
さらに、思考を文字化しておくと、ただ頭の中で考えるのみで過ごした時に感じやすい、「ぼんやり過ごしてしまった罪悪感」も解消することができます。
「手を動かし、思考を文字にする」
これだけで、何も形に残していないという焦りが消え、とっかかりを作れたという安心・充実感につながるはずです。
■アイデアは「一期一会」消えないうちにメモをする
メモを残すメリットは、単にメンタル面への配慮ばかりではありません。
メモは貴重なアイデアの源泉。
その瞬間、その環境、そのときの体調、そのときの心の状態……
あらゆる要素が複雑に絡まりあって、奇跡のように自分のもとへ降りてきてくれた宝物でもあります。
ぼんやりと流してしまっては、二度と戻ってはきません。
だからこそ、アイデア(とまで斬新でなくても思いついたこと)やコレと思った情報をすぐ「メモできる」環境を作っておくのが肝心です。
私はパソコンまわりはもちろん、寝室のサイドボードの上、リビングの卓上、キッチンにメモ用紙と筆記用具を置いています。
1つのノートにまとめたいとメモ帳を持ち歩くやり方もあるでしょうが、忘れっぽい私には向きません。
使用する場所に、使用するものを置く。これは整理収納の法則!ということで、実践しています。
書くことを仕事にしている以上、仕事場所はパソコンデスクに限りません。
「仕込み時間」こそ執筆につながる大切な仕事時間。
そう考えれば、行動範囲のあらゆる場所に筆記用具が必要となるわけです。
■「無地に手書き」のメモ術でアイデアが膨らむ!
近年はメモもデジタル化が進んでいますが、私自身は、手書きでメモを取るほうが好きです。
そして、紙は罫線などが入っていない無地を使用。方眼用紙も使いやすいです。
気分的なものかもしれませんが、罫線のない紙の上のほうが思考が広がっていきやすいと感じます。
そもそも、アイデアの原初は論理的ではありません。
思いつくまま、気の向くまま断片的に書き留め、一見、何のつながりもないような異なったものが偶然出合って起こるスパーク。
これを期待して、メモするのです。
さらに、メモの持つ臨場感も大切にしたいもの。
これは、スマホやパソコンで打った綺麗な文字では感じることができません。
メモを見返した時に、その言葉やアイデアに出会ったときの高揚感や思考したことがみずみずしく蘇ってくるのが手書きメモのメリットと思っています。
着想の瞬間を追体験し、さらに膨らませていく力を生むのが「無地の紙に手書き」というメモ術なのです。
人に見せるものではないのですから、落書き感覚で構いません。
楽しみながら思考を視覚化、落書きしてみる。
そこから、明日の大発明、名文が生まれるかもしれないと期待しながら、今日もランダムに言葉を書きなぐっているのです。
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