日記102:「アン・ニン・チャレンジ」

食えたことは食えた。

ここ(日記95:「ウルトラ元気特盛デー」https://note.com/tukidekka/n/nce0b7db17f4b)に行ってきた。今回こそゴンチャの杏仁豆腐ドリンク的サムシングを食いに行ったのだ。
学生諸君が春休み中なのか、あるいは卒業を済ませたのかはわからないが、モールは普段より人が多いように見えた。入口に足を踏み入れた時点でなんとなく今日は失敗するような気がし、それでも心配する母に大丈夫だと返してエレベーターに乗り、2階へと足を進めて通路をぽつぽつ歩き、そこでアウトだった。
前を歩く人の香水か、はたまた視界の斜向かいの方に存在するコーヒー屋か、とにかく甘いキツい匂いが鼻に突っ込んできた。ごめん、やっぱり今日行けないや…と頭を何度か下げると母は、「じゃあ買ってってやるから、先に車乗ってなよ」と言ってくれた。面目ねえの気持ちでそれでも私は何度も頭をぺこぺこ下げ、母の背中をぽつぽつからとぼとぼに変化した足取りで追い、駐車場へ向かった。車内は少し暑かった。

いつの間にか寝ていたようで、母が車のロックを外す音でびっくりして目が覚めた。母はサムシングを紙袋に入れて持っていて、「えーっと、こっちがシロップ少なめ、こっちが普通で、氷抜きはできなかった」。ありがとうと申し訳ないをミルフィーユにして口から呪詛のように繰り出す私を見ながら、母はズゴゴゴとサムシングを食べていた。
私も食べた。杏仁豆腐の食感が、なんだかあんまり食べたことのないそれの柔らかさで、おいしかった。上にかかったやや塩味のあるクリームがまたよかった。
「あ」と母が言った。「これ、混ぜんのね。そのまま飲んでたわ」。 
私もこれを打っていた今、「あ」となった。これ今まで「飲む」じゃなくて「食う」で表記してたな…？