電気ケトルの温度の正確さと、時間経過による温度低下について
素晴らしい電気ケトルに買い替えたことによって、自分の生活はとても豊かになった。
いつでも指定の温度でお湯が沸く……最高!!
コーヒーだけでなく白湯を飲む機会が増えまくりである。
……しかし、ふと思い出したことがあった。
自分はAmazonで何かを購入する際には、サクラチェッカーは当然使うとして、低評価レビューにも注目する。
確か、温度に関して気になるレビューがあったような……?
翻訳:
見た目は気に入っているが、温度が10度以上ズレています。
いつもは195度にするために「沸騰」させる必要がありました。
複数の温度計を使っても、最高で185度でした。
お、温度が10度以上ズレている……?
いや、確かに自分はこの製品のお湯の温度を完全に信用しきっていたが、本当にその温度で沸いているのかなんてことは確認していない。
レビュー内で195度とか言っているので、この人は華氏温度(ºF)で測るエリアの人なのだろう。(摂氏何度だよと毎回なるやつ)
さすがはGoogle。こんな変換も当然のように用意している。
つまりこのレビューの人は、「90℃のお湯を作りたいのに100℃設定にしないと無理なんですけど!!」と言っているわけだ。
まあぶっちゃけ、「住んでる場所の標高が高いだけじゃないの…?」という考えがよぎったけども。
いやしかし90℃で沸騰というと、標高3000mは欲しいところだ。
今の自分は買ったものを信じたい気持ちが先行している気がする。
自分が買い物に失敗したなんて、認めたくないものだからね……。
……だがそれでは真実はわからない。
これは実際にお湯の温度を調査する必要があるだろう。
というわけで、タニタの温度計を買いました。
noteのネタが増えるのはいいが、どんどん散財している気がする。
(正直、今回の実験以外でこれを活用する未来が見えない)
コインを使わないと開かないフタにキャッシュレス時代との噛み合わなさを感じつつ、どうにかセッティングが完了。
では計測を開始しよう。
そうだ、水の量も大事だ。
とりあえずコーヒー2杯は余裕でいける500mlにしよう。
ついでに室温と最初の水温も測っておく。
室温18.4℃、水温16.3℃。
さて、ではまずは60℃から調査開始!!
もちろんついでに湧く時間も測っている。
1分55秒経過し、お湯が沸いたことをしらせる清楚な音が鳴った。
即座に温度を測る。頼むぞタニタ!!
素晴らしい……!!
見事に60℃である。
では冷めないうちに次の70℃へ。
なんとボタンを押して30秒もしないうちに沸いた。
60℃から70℃は速攻で沸くらしい。
さて温度は……?
69.5℃!!
……まあいいでしょう。
では、こんな感じでどんどん調べていく。
84.3℃(85℃を指定)
湧く時間は1分。(69℃から)
90.2℃(90℃を指定)
湧く時間は40秒。(84℃から)
100℃(100℃を指定)
湧く時間は1分。(90℃から)
というわけで、「10度も違う」という現象は自分の電気ケトルでは確認できなかった。
十分に妥当な温度でしっかり沸いてくれている。
これなら製品として全く問題はない。
……しかし今回の実験でわかったことがある。
お湯が冷めるのは想像以上に早いということだ。
フタを開けて温度を測っていると、みるみるうちに温度が下がっていく。
もちろん今はまだ寒い時期であり、室温が18℃であることも関わっているのは明白だが、せっかくなので冷める経過も測ってグラフにした。
これは100℃のお湯が沸いた状態でフタを開けていると、どれだけ時間経過で温度が下がるかを示しているグラフだ。
ケトルのフタが開けているだけで、5分もすれば100℃のお湯が80℃まで下がってしまうことがわかった。
自分は普段の生活で、お湯が沸いたケトルをすぐに使わず放置することがよくあったが、最高に無駄なことをしていた可能性がある。
・・・
でも普段の放置状態を考えると、フタは閉まったままか……?
じゃあ再検証しないと。
とはいえ正直もうめんどくさいので、
フタを閉めて10分刻みで温度を測った結果が以下である。
開始時・・・100℃
10分経過・・・85.1℃
20分経過・・・70.0℃
30分経過・・・62.0℃
……なるほど。
フタを閉めていようが、30分も経てば白湯レベルになるようだ。
やはり沸いたお湯を放置するべきではないらしい。
そんなわけで時間とお金の両方を無駄遣いして謎の検証データを生み出すことに成功した。
自分はなにをやっているんだろうと思わなくもないが、人類はいっぱい居るので、これもきっと誰かの役に立つと信じたい。
ケトルで沸かしたお湯は、冷めないうちにすぐ使うようにしましょう!!
……これも学びだ。
(「学び」って言っておけばとりあえずOKだから……!)