スマホゲーの中毒性とゲームのアクセシビリティについて
「た、たのしい……!やめられない……!!!」
……その夜、自ら定めた禁忌を再び侵してしまった男がいた。
そう心に決めたはずだったのに……。
「ウマ娘」は1回だけやってすぐアンインストール出来たのに……!!
(禁忌だけどわりと破りがち)
「ああ……!! にゃんこ大戦争楽しい!!!」
そう、あの大人気ゲーム、にゃんこ大戦争である。
もうインストールしてから10時間以上連続でプレイしている。
気づけば空も白んできた。
あぁ……自分はこういう人間だから、絶対にスマホゲーなんて手を出しては駄目だとわかっているのに……。
「次のステージ……次のステージぃ……!!」
……もう完全にゲームの虜になっている。
スマホゲーはどうやったらユーザーがもっとやりたいと思うのかを本気で考え抜いて作られている。抜け出すのは容易ではない。
もうこのゲームをやり続ける人生になるしかないのか……?
・・・
「……ここの敵強いなぁ」
この福島県ステージに入ってから、もうかなりの時間戦っている。
ここまで勝敗が決まらなかったのは初めてだ。
明らかに自軍の戦力が足りていないのだろう。
まあリセマラ(初回配布チケットで良いガチャ結果が出るまで粘る行為)をしてないから、いつかこういう時が来ると思ってはいたが……。
「ん?敵の拠点からなんか出てきた?」
「…………。」
「やめるか……」
……危ないところだった。
ゲーム側から煽られなかったら、永遠にやっていただろう。
だが冷静になった結果、無事に呪縛を解いてアンインストールできた。
失った10時間は戻らないが。
しかしこのゲーム、あまりにも出来が良すぎる。
「課金しちゃってもいいかな…?」と何度思ったことか。
そして課金以外にも、「広告動画を見たら続けてプレイできるよ?」という別の収益源への導線もしっかり確保している。
しかもその導線が、そこらのスマホアプリにあるような強制的に広告を見せてくる方式ではなく、自主的に選ばせる方式なのでストレスも皆無。
むしろ運営に感謝すら覚える。
こりゃあ人気が10年続くわけだよ……。
だがしかし、今の自分には毒でしかない。
今回の決断は正しい。
・・・
(6億円当たったら再インストールしよう)
自分は長いことファミコンやプレイステーションなどのコンシューマーゲームを遊んできた。
だからスマホゲー特有の理不尽な難易度上昇(課金タイミング)などに遭遇したときなどは、目が覚めて冷静になれる気がする。
もちろん基本無料だからそういう仕様になるのは当然ではあるのだが、どうにも自分には合わないようだ。
自分は1年前に、ファスト映画に絡めてファストゲームについて書いた。
自分の人生は間違いなく色々なゲームに彩られてきたが、今にして思えば時間の浪費だったなと思ってしまう部分がなくはない。
ゲームで遊んで楽しかったのは事実。
だがあまりにも自分は同じゲームを繰り返し遊びすぎていた……。
だから延々周回するようなスマホゲーも避けようと思ったし、プレイステーションなどのコンシューマーゲームでも、難易度を一番下にして、ストレスなくさっさとクリアしたりするようになった。
難易度を下げてでも、気持ちよくストーリーを進めた方が自分には合う。
難易度を下げられないソウルシリーズやSEKIRO等もクリアしてはみたが、クリアまでの苦労の辛さは、クリアの達成感で補えるものではなかった。
もしデス・ストランディングに簡単な難易度がなかったら、戦闘が面倒になって最後まで遊んでいなかったかもしれない。
そして実は最近のゲーム業界では、自分のこの考え方に呼応してくれたかのように、ユーザーのアクセシビリティの一つとしてゲームの難易度緩和が選べるようになってきている。
ハードとかイージーとかそんなレベルではなく、「自分が無敵になる」とか「攻撃を受けてものけぞらない」とか、昔はチートだと言われていたようなことをオプションで設定できるゲームが出てきているのだ。
アクセシビリティといえば、基本的には耳の聞こえない人のために字幕を出したり、目が悪い人のために文字のサイズを大きくしたり、色を変えたり、という程度だった。
しかし今はそこに「難しいゲーム体験を望まない人」も含まれたという感じなのだろう。これもまた多様性である。
それに「製作者の最初に決めたゲームバランス」が絶対的に正しいわけではないことは、アップデートの度に変化する挙動とアイテム性能に翻弄されるゲーマーならもうわかっていることだろう。
こういう難易度方面での多様性を認める方向に行くのは大歓迎だ。
オンラインゲームならまだしも、一人でやるゲームなら、個々人が快適なように設定して楽しめた方がいいと自分は思うし、裾野も広がると思う。
そのゲームが本当に良いと思えたなら、イージーで慣れたあとに難易度を上げて再度楽しむなんてのはよくあることだ。
……しかしそう考えてみると、設定で難易度緩和という流れはスマホゲームには厳しそうだなと思えてきた。
そもそも厳しい戦いがあるからこそ、一回300円以上かかるガチャを回して強いキャラを手に入れる必要があるし、アイテム課金も必要なのだから。
そう考えると、やっぱり自分は根底からコンシューマーゲームが合っているらしい。
一応は終わりがあって、異常な金額の課金もなくて、
難易度への配慮もある。(配慮が無いものもいっぱい存在するけど)
もちろんスマホゲーだって多種多様だし、例えば片手しかない人でも楽しめるというアクセシビリティをスマホは最初から持っているとも言えるのだが。
まあ今回こんな事になったのも、ドラクエ6をスマホで遊ぼうとしたのがきっかけだったのだ。
スマホにゲームを入れない誓いを立てているとはいえ、「ドラクエ6なら終わりがあるからいいよな!」という独自裁定を下したのが転落の始まり。
しかしいざアプリ版ドラクエ6を買ってみると、自分のスマホだと表示が見にくいのに加えて、操作も画面タッチ方式なので違和感が凄すぎて全然楽しくなかったのだ。(無線コントローラも使えないし)
で、そこでふと目についた「にゃんこ大戦争」を入れてしまった。
いやなんでそこで普通にスマホゲー入れとんねんという話だが。
……まあそんなわけで、ゲームとなると異常にのめり込んでしまう習性がある自分は、これからもスマホゲーを避けたほうがいいのだろう。
そしてあれだけ記事内で褒めたコンシューマーゲームだが、去年は3本やったくらいである。
でもPS5もまともに買えるようになったと聞くし、人生観を変えるようなゲームも今後どんどん出てくることだろう。
デススト2も楽しみだし!
・・・
(ドラクエ、Steamに全部出してくれないかな……)