【富士登山2023】下山だ! 大砂走りだ!! もう限界だ!!!【山頂→大石茶屋】
前回は山肌からひょっこり出てきた御来光を見つつ、無事に富士山の山頂に到着した。
しかし最高地点の剣ヶ峰は大混雑。
そして自分の足も限界。
自分は安全策を取って、剣ヶ峰には行かずに体力を温存し、下山に望むのだった……!
それでは6時20分、下山開始!
足の踏ん張り力が下がった下山時こそ、気をつけなければならない。
油断せずに行こう。
下り始めてすぐに眼下の景色に感動する。
さっきも見たけど、何度見てもすごい景色だ。たまらん。
つづら折りになっている道を見下ろして、夜中歩いてきた道はあんな感じだったんだなと知る。
明るくなってようやく全体像が見えた感じだ。
しかしあれほど登りでは辛く険しかった道が、下山するときは本当にあっという間に過ぎ去っていく。
時刻は8時。
山頂から1時間半ほどで赤岩八合館に到着。
こりゃ早い。
8時30分、わらじ館に到着。
この調子でガンガン行こう!!
しかしこう……さっきから気になっているのだが、同じリュックを背負った外国人集団ともう30人以上すれ違っている。
なんとなくだが、ツアー客とかではなくアメリカ軍っぽい雰囲気だ。
富士山近くに米軍のキャンプ地があるのは行きのバスで見たので、御殿場ルートという険しい道で体力錬成でもしているのかもしれない。
そしていよいよ目玉の大砂走りに到着!!
御殿場ルートはこのためにあると言ってもいいだろう。
一体どんな感じなのか……!!
さっそくスパッツを装備し、小石が靴の中に入らないようにする。
いざ、大砂走り!!
うおぉおおお……!!
おぉ……?
な、なんか、
そんなでもない……?
というか大きめな石とか普通にあるし、走ったら危ないような……?
なんか思ってたんと違うな……。
困惑しつつ左手側をみたら、半蔵坊が見えた。
大砂走りを選ぶと半蔵坊には寄ることは出来ない。
深夜出発ゆえに山小屋の方に感謝の言葉は伝えられなかったが、本当にありがたい存在だった。
今回の登山は半蔵坊なしでは登頂できなかっただろう。
そんなことを考えて降りていると……
なんだか足場の状態が変わった。
さっきまであった大きめの石が消え、砂利の分厚さが格段に増している。
そう、実はここからが『本当の大砂走り』だったのである!
すごい。
靴が全部埋まるレベルでふっかふか。
こ、これは他の登山道では味わえないぞ……!
そしてなんという開放感!!
富士登山とは思えない広大な下山道が目の前にある。
これは良いぞ……!!
「よーし、ちょっと走ってみるか^^」
大砂走りなのだからやっぱり走らねば。
この登山で始めて駆け足を開始する。
ザッザッザッ(駆け下りる音)
ザッザッザザザザザ!!(勝手に早まる足)
ザザザザザザザザザザザ!!!!(暴走)
ああぁあぁぁ!!!!
勢いがついて止まれません!!!!
そして弱った足へのダメージがエグい!!!!
そう、自分の足はもうボロボロだったのを忘れていた。
そもそも最近走った覚えがないのに突然走っちゃったことにより、自分の足に凄まじいダメージが入る。
その後ストックのおかげでどうにか停止はできたが、盛大にコケる一歩手前だったのは間違いない。
正直めちゃくちゃ焦った。(お鉢めぐりしてたら足がアウトだったな……)
どうやら大砂走りを満喫するには、富士山を登って降りて、その上でまだ脚力が残っている強者である必要があったらしい。
まあでも確かに天然のクッションでめちゃくちゃ楽しいのは理解できた。
……理解はできたが、自分の足は今の走りで完全に終わった。
ここからは、大砂走りを普通に歩きますね……。
ほどなくして、大砂走りは終了した。
もう靴が埋まるほどの地面ではなくなり、路面の硬さが足からダイレクトに響くようになっている。
そんな道を、ストックを頼りに満身創痍(2日連続)で必死に歩き続ける。
……ああ、もうすぐ大石茶屋だ。
あそこまで行けば実質ゴールのようなもの。
健脚向けの御殿場ルート、自分でもどうにかクリアできたぞ……!
(もうボロボロだけど)
そして登山後のかき氷って最高!!
大石茶屋で、勝利のかき氷をいただく。
ボロボロになりつつも、事故もなく無事に終わった2023年富士登山。
御殿場ルートの厳しさと楽しさを味わい尽くすことが出来たと思う。
よーし……!
帰ったら2日分寝るぞ!!
〜完〜
そんなわけで、無事に富士登山を成し遂げることができた。
御殿場ルート、キツすぎである。
では情報を整理していこう。
YAMAPアプリによると、
2日間の行程での総歩行距離は約21km。(双子山往復を含む)
休憩等を含んだ総活動時間は約20時間だ。
双子山への往復を抜きにすると、
新五合目登山口から山頂までに要した時間は約10時間。
山頂から登山口への下山は約4時間となった。
(過去の自分の吉田ルートでの記録が『登り4時間、下り2時間30分』だったことを考えると、御殿場ルートはやはり健脚向けだ)
そして大砂走りはかなりの速度での下山を可能にしているのが、グラフからもよくわかる。
グラフを見ると、大砂走りによって標高3000mから1400mまでの5kmほどを約2時間で下っていたらしい。
自分はヘロヘロな歩きでそんな感じなので、体力と脚力が残っていて大砂走りを走り続けられる人だったら、圧倒的速度での下山が可能になるはずだ。
やはり健脚の人にとって、御殿場ルートは相当楽しそう。
また、御殿場ルートでは当たり前に感じてしまう人の少なさだが、この日の他のルートは大混雑していたというのは重要な部分だろう。
そんな中で今回の御殿場ルート登山では、最初から最後まで人の多さに悩まされることは全然なかった。
そして人に会わない分、富士山という存在としっかり向き合えた気がしている。
大砂走りの楽しさと、人の少なさ(+山小屋の確保しやすさ)という素晴らしい要素を併せ持った御殿場ルート。
この良さが少しでも伝わればいいのだが。(なお登山時間はエグい)
さて、思った以上に続いてしまった富士登山2023シリーズもこれで終了だ。
まだ9月まで富士登山シーズンは続くので、これから富士登山に挑戦する方のルート選定に少しでもこの記事が役立ったなら嬉しい。
実はまだまだ語っていない富士登山話はいっぱいある。
日焼けとか、トイレとか、荷物についての反省とか、消費した水の量とか、登山後の片付けとか……機会があれば書こう。
万全に仕上がった体ではなかったので、やっぱりやめようかななんて思っていたりもしたが、挑戦する選択をしてよかったと今は思う。
ぜひとも皆さんも、自分の「これだ!」と思ったルートで富士登山にチャレンジしてみてほしい。
自分も来年の須走ルートに向けて、今度こそ体を作ろう……!
ここまでご覧いただき、ありがとうございました!!