【日本語】「〇〇弱」と「〇〇強」がわからない
某所でこんな話題があった。
……いやはや、言葉は変化するものではあるけれど、「〇〇弱や〇〇強」は震度にも使われている重要な表現である。
適切に理解していなければならないのは言うまでもない。
なるほど、弱と強ね……
ま、まあもちろん自分は知っているよ?(活字も読みまくりだし!)
「1時間弱」は「1時間〜1時間15分」くらいのことで、
「1時間強」は「1時間45分〜2時間未満」のことだよね?
・・・
えっ、違うの……?
もちろん違う。
1時間弱は「1時間より少ない」(50分とか)
1時間強は「1時間より多い」(1時間10分とか)
社会に出たら知っていて当然だね!!
(……😌)
なお、どの程度多かったり少なかったりするのかは人による。(は?)
そしてこの強弱問題に関しては、NHKによる計744人のアンケート調査があったりするのだ。(8年前のだけど)
アンケートでは、自分のように「1時間+αの度合いを示す」と勘違いしている人が、10代で43%、20代で28%、30代で18%存在した。
(このレベルで勘違いされている表現は使わないほうがいいのでは……?)
このアンケートから8年後の2024年現在。
もしこのあと彼らがなんの学習もしていなかった場合、今の彼らは〇〇弱と〇〇強を勘違いしたままの状態で、会社の若手&中堅として活躍しているわけだ。
……もうなにかまずいことが起きる予感しかしない。
これが1時間弱とかそういうレベルならまだマシだが、「1年弱」や「1年強」という規模になると非常にまずいだろう。
例えば弱と強を勘違いしている自分が「1年弱でやりますんで…」と言った場合、それは”1年2ヶ月くらい”はかかるということを意味している。
しかしそれを聞いた上司が弱と強を正しく理解していた場合は、(1年弱なら”11ヶ月くらい”で仕上げてくるだろう……)と思っているわけだ。
この行き違いはかなり危険だろう。
そもそも「変動幅が個人の裁量に任されている表現を仕事で使うなよ」という話ではあるが、日本語ってそういう曖昧な表現多いから……。
なお、震度でも弱と強があるという話を最初にしたが、厳密には「1時間弱」などの表現と震度とでは微妙に違う。
震度の場合は明確に範囲が決まっているのだ。
震度5と6には弱と強があるのだが、いずれも0.5の範囲という範囲指定がある。
【例】
震度5弱:計測震度が4.5以上5.0未満
震度5強:計測震度が5.0以上5.5未満
「1時間弱」の表現では、「50分」はありえても、「30分」はもう「1時間弱」の範疇ではないよね、という雰囲気を感じてしまうが、震度においてはそれくらいの振れ幅はあり得るわけだ。
……まあでもやっぱり、自分の勘違いを生んだのはこの震度階級のせいだよなとは思う。
こうしてしっかり表で見せられても、「5弱は5〜5.5未満だろ」と思ってしまう自分がまだいるのだ。
(だってどう見ても5弱と5強は5〜6未満のエリアを2つに分けてるだけじゃないですか!)
まあ震度0の計測震度が「0.5未満」から始まるというズレが勘違いの原因なわけだが、回転の悪い自分の頭ではもう少し定着に時間が必要そうだ……
しかしこう……弱と強じゃない表現は何かなかったのだろうか?
例えば「5少」と「5多」とかだったら「5より少ないんだな(or多いんだな)」みたいな感じでわかりやすかったのでは?
いや、強と弱を知ってると違和感しかないか……
そんなわけで、〇〇弱と〇〇強を勘違いしていた方は自分と一緒にこの機会にしっかり修正しておこう。
そして現在上司の地位についている人は、この表現を自分から使うのは控えつつ、部下が使ってきた場合は詳細な数値を確認することをおすすめする。
若い世代がこの言葉を勘違いしている割合が高いのは、8年前からわかっていたことなのだから。
正しく知った上で使わない。
これもまた大人なのかもしれない。
まあ未だにモヤモヤしている自分としては、この表現が世界から消滅することを期待したいが、世の中は自分の思うようにはいかないものだ。
うまく対応していこう。
人間は社会的動物だからね……。
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