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【eスポーツ】 思いがけず炭酸の利点を学んだ記録 【筑波大学ポッドキャスト「研究室サイドストーリー」】


「炭酸」が苦手だ。


なんで痛みを感じながら水分補給しなきゃならんのだといつも思う。


炭酸水」なんてさらに意味がわからない。

味もない水に炭酸だけ入れてなにがしたいのだろう?

爽やかな感じになるのはわからんでもないけど……。


……そんな炭酸否定派の自分だが、相変わらず世間のニュースはろくにチェックせず、好きなポッドキャストを聴いていたある日のこと。

そのとき聴いていた『筑波大学ポッドキャスト「研究室サイドストーリー」』にて、

期せずして炭酸飲料についての衝撃的な研究結果を知ることとなった。


せっかくなので記事にして共有したいと思う。



その回は「eスポーツ」について語る回だった。

「eスポーツ」は、
電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指すもの」らしい。


現在のeスポーツは、まだまだトレーニング方法が未開拓な部分が多く、国によってトレーニング形態が全然違っていたりする。

例えばかなり強いことで知られる韓国のプロゲーマー達は、なんと一日10時間以上の練習をしている。

だがその一方で、アメリカなどでは4〜5時間の練習しかしていない。

韓国のような長時間方式は、ある意味で昔の根性論でどうにかするスポーツトレーニングのようなものを思わせる。

ただ、これが強くなるために良くないのか、逆に効果的だったりするのかについては、まだまだ研究が足りていないようだ。


しかしゲームとはいえ体は疲労しているらしく、現状でも睡眠への悪影響などが確認されているらしい。


そういえば、ゲームをしすぎて死んだ人がいるというニュースも過去に聞いた気がする。

そうならないためにも、これは研究が必要な分野かもしれない。



疲労に関しては、eスポーツの場合は一般的なスポーツとは違って、
疲労しているのに疲労を感じない」という傾向があるらしい。

実際には体は疲労しているので、その状態ではパフォーマンスも落ちていて、効率的な練習が出来ているとは言えない。

そしてそんな「自分でもわからない体の疲労具合」をどうにか知ることが出来ないかと研究した結果、「瞳孔の大きさをチェックする」という方法に行き着いたという。

実は人間の瞳孔は脳の活動が活発なときは瞳孔が大きくなり、
活動が低下しているときは小さくなる

なのでアイトラッキングで瞳孔径を読み取って疲労状態を知り、適切な休憩を挟むことができれば、最高効率でトレーニングが出来る可能性があるのだ。

・・・

いや今更だが、なんで「筑波大学のポッドキャスト」でこんなeスポーツの話をしてるんだろうと思う人もいるだろう。

なぜかといえば、筑波大学にeスポーツのチームがあるからである。


……というか、今やいろんな大学でeスポーツのチームを持っているものらしい。

そりゃあ効率的なトレーニングの研究にも熱が入るというものだ。



さあ、ではいよいよ炭酸の話に入ろう。

ゲーマーで炭酸って言ったらそりゃあもちろん……

エナジードリンクのことである。


エナドリ(エナジードリンク)は、いわばカフェイン糖分炭酸の混合飲料だ。

なんだか「eスポーツのスポンサーといえばエナドリメーカー」みたいな感じになっている昨今だが、そんなエナドリにゲームの能力アップ効果が本当にあるのかについてもしっかり研究されている。


調査の結果はというと、

飲んで15分くらいは、FPS等のシューティングにおける正確性と反応速度が向上することがわかった」とのこと。

……ちゃんと効果があったとは。


しかしエナドリは、ここぞというときに飲むものらしい。

もし日常的に飲んでいた場合は、体がカフェインに慣れてしまっているので、こういった効果は期待できないとかなんとか。


だが、エナドリにはその能力向上バフ以上に、別の問題がある。

カフェイン睡眠不足を引き起こすのもそうだし、
糖分肥満や高血糖で悪影響をもたらすのは明白。

しかしこんなパワーアップアイテム、出来ることならいっぱい使いたい。

・・・

ところで「炭酸」はどうなんだろう?


そう思って、「炭酸水」を飲ませて長時間ゲームをやらせたらどうなるかをチェックしたらしい。

すると……?

・長時間のゲームでも疲労しにくくなった
・なんだかゲームが面白くなった


まさかの良い感じの効果が出たのだ。

しかも炭酸水なので太りもしないし、目がギンギンに冴えたりもしない。


おいおい……

炭酸水って最強なの……?



なぜ炭酸水でこんな効果が出たかというと、TRP(トリップ)チャネルという人間がもつセンサーのようなものが関わっているらしい。

TRPスーパーファミリー

これは2021年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた研究だったりする。(https://www.nikkei-science.com/?p=64951


人間は様々なセンサーによって活動が支えられているが、例えばカプサイシンの辛さワサビの辛さは、同じ「辛さ」を扱っているように見えて、実は違うチャネルが発動している。

カプサイシンは熱さを感じるチャネルで、
ワサビは冷たさを感じるチャネルでそれぞれ発動するのだ。


では炭酸水はというと、なんとそれらのチャネルが両方発動する。

炭酸部分が熱さのチャネルを、
水の冷たさが冷たさのチャネルを発動させるためである。

そしてそうやっていろんな刺激がいくと……なんか良いらしい。(雑)

温度感受性TRPチャネル
http://tenaca-nips-2016.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20161004145432-C9A0307CDC5BFFBE368042C37301506118242A368CDD5986EDA4A983ED7B8D92.pdf


そんなわけで、実は炭酸水を飲んでいる人は極めて正しく、メリットしかない行動をしていたことが判明した。

あんなものを飲む人間の気がしれないと自分は思っていたが、実際には彼らが圧倒的な勝ち組だったとは。


というか、飲めない自分がめっちゃ損してる気分になってきたぞ……?


世の中にはまだまだこういう事例が溢れているのかもしれない。

研究者の方々には、これからもこの世界の秘密を紐解いていって欲しいなと思ったのだった。


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