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【自由】病院の屋上で『鯛茶漬け風スープ』をいただく

転院したことで起きた変化はたくさんあるが、中でもシャワーの自由化に次いで嬉しかったのは、屋上スペースへ行けることだった。

前にいた急性期病院では基本的に自分の病室のあるフロア売店の行き来くらいしか認められていなかったため、これは大きな変化なのだ。

まあ前の病院は日々大量の患者が訪れていたため、感染リスク的な意味でも入院患者が自由に病院内を動き回るのはリスクが高すぎたのだろう。

制限があったのは仕方のないことである。

それでも思いっきり新型コロナに院内感染したんだけども…)↓


今いるリハビリ病院はリハビリテーションのために入院している患者ばかりなので、感染リスクは前の病院よりは低いと思われる。

もちろん部屋の外は常にマスクが必須だし、面会もかなりの制限があるのは変わらないが、それでも非常に自由を感じる毎日だ。


なにより、売店や自販機へのアクセスが容易になったのが大きい。(前の病院は売店や自販機にたどり着くまでにかなりの移動が必要だった)

おかげで今の自分は毎日なにかしらの飲み物を買うようになっている。

いや普通に散財なわけだが、今回の入院では『服やタオルのレンタルサービス(日額400円)』を使用していないので、飲み物くらい買っても良いってことで……!(ポテチも買うが)


思えば今までの入院生活ではペットボトルに水道水を汲んで水分補給していたわけだし、

欲望、開放していこう……!!

(看護師にはどう思われていたのやら)


そんなわけで、今日も飲み物片手に屋上へとやってきたのだ。

リハビリを終えたあとの空き時間、しばしここで過ごすのが最近の癒やしルーティンとなっている。

そして本日のオトモになる飲み物はというと……!?

『鯛茶漬け風スープ』である。


……いやどんなチョイスだよと自分でも思うが、自販機の中ではぶっちぎりで安いし、なんだか今日は出汁が飲みたい気分だったのだ。


それに屋上は景色が素晴らしいものの、風が吹けばそこそこ冷える

そこに丁度この茶漬けの温かさが染みるという算段ですよ……!


それじゃあさっそく飲んでみよう。

蓋を開けてと。


(ゴクッ…!)


おぉ……!

確かに鯛茶漬けの汁だ!!

そしてなんだか、ほのかに柚子の香りがするような……?

胡麻と柚子がほんのり香る

缶の説明を読むと、やはり柚子の香りが入っているようだ。

こういうちょっとしたクイズみたいなものに正解するとちょっとだけテンションが上がる自分がいる。

そして実は今まで柚子はあんまり好きではなかったのだが、この2ヶ月の入院生活で柚子入りの病院食が結構出た結果、とくに問題なく食べられるようになった。

味覚の変化は世界を広げてくれるね……!


そして説明をよく見たら、この鯛茶漬けは「お米の粒入り」らしい。
ちょっと缶を振ってから飲んでみよう。

(ゴクぐにょっ……)


なんだか思っていたより米粒感のない何かが入っていた。

しいていえば、おかゆ以上コメ未満……?

これが缶の底にいっぱい残らないことを祈ろう。


とはいえ、『出汁を飲みたい』という謎の欲求はしっかり満たしてくれた。

どれほどの人が自分と同じ欲求を抱くのかはともかくとして、DyDoの開発者には感謝である……!



鯛茶漬け風スープで体を温めつつ、眼前に広がる素晴らしい景色を眺める。

この病院は少し高台にあるので街を見渡すことができるのだ。

まあそれが電波状況の悪さにつながるのだが、この景色と引き換えだと思えばOKかもしれない。別にスマホが使えないわけではないのだから、許容しよう。

それにこうやって外の空気を感じながら景色を眺められる自由さの方が、圧倒的に大事なことだと思う。


病院からの眺望とマップアプリを比較して、もう戻れないであろう職場を探したりしつつ、今日も1日が終わっていく。

来年の自分がどうなっているのかは本気で予想がつかなくなってきたが、とりあえずは眼の前のリハビリを頑張っていかねば。

・・・

(明日のオトモはおしるこにするかな……!)


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aosagi
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