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【研究】骨折した体で『骨のない魚』を想う【骨粗鬆症】

病院食で出る魚料理が美味しい。


いやまあ同室の高齢者は「ここの飯はみんな同じ味がする!不味い!!」と毎日のように文句を言い続けているのだが、普通に美味しいのだ。

彼は見た目的に80代後半だと思われるので、もう味覚が衰えてしまったのだろう。高齢になると味覚は3分の1まで落ち込み、とくに塩味を感じにくくなるそうだし。

最近は味覚の変化を肯定的に感じることの多かった自分だが、こういうのを見るとあまりにも衰えてしまうのはやっぱり悲しいことだなと思う。


……いやそんなことよりの話だった。

病院の魚料理の何が良いかって、骨が抜いてあることである。

病人への配慮がなされているからなんだろうが、もう食べやすくて最高!(先述したように味も普通に美味しいし)

普段の生活では骨が面倒すぎて焼き魚を選ばない自分が確実にいたので、これはとても助かる。

魚がみんなこうなれば楽なのになあ……。


そういえば、最近ちょうど『骨のない魚』の研究のニュースを見ていた。

これは滋賀県立大学で進められている『骨なし魚』の研究だ。

まあ骨なし魚というのは大袈裟な言い方で、正確に言うと低リン飼料を食べさせることで骨密度を70%に減らし、「まあ骨ごと食べられるかも…?」というレベルの魚にしているとのこと。

そういえば自分もシシャモ程度の骨だったら丸ごと食べられるので、そんなノリということなのだろう。

今はまだ淡水魚での実験しかしていないが、のちのち海水魚でも試してみたいとのこと。(なお低リン飼料を食べさせると、脂の乗りが良くなって美味しくなるらしい)


そして研究を始めたきっかけはというと、

親の厳しい食育で魚を食べてきたおかげで、カルシウムも丸ごと摂れて骨折も一度もしなかったから、少しでも魚を食べやすくしたい

という、なんとも真っ当なものだった。


(魚よ、人間のために骨粗鬆症になってくれ)


でもカルシウム補充という面でいうと、病院食の骨を除去した魚ってどうなんだろうと思えてきた。

……いや、骨なんて結局大半は食べないのだから、やはりこの病院食は正しいのか。

きっとカルシウムは他の食材でうまいこと摂ってるんだろう。(たぶん)


しかし入院生活で日々衰えていく体を思うと、一度の骨折で今までのトレーニングにかけてきた時間とかが全部台無しになるのはきついよなと思う。

自分は筋トレやランニングとかは全然やってなかったのだが、なんだかんだで肉体労働を数ヶ月続けて体が変わってきたのを実感してきた時期の骨折だったので、なんだかなぁである。

(今までいっぱい飲んできた牛乳やプロテインは何だったんだろう……)


やっぱり怪我なんてするべきじゃないなとあらためて思いつつ、自分の粉々になった骨が良い感じに癒合してくれるのを待つのだった。

自分も小さい頃から骨ごと魚を食べまくっていれば、左足の脛骨は折れずに耐えてくれたんだろうか……?


子どもたちには太く育ってほしい。(骨的な意味で)


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