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【AirPods4】あえてAndroidスマホとMacBookでAirPods4を使ってみた結果【そして返品へ】
iPhone16は色々あってスルーすることとなった自分だが、Appleの発表会で非常に気になる商品があった。
それはAirPods4。
AirPodsシリーズの最新版である。
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自分はApple製品をMacBookAirしか持っていないのでよく知らなかったのだが、AirPodsにはカナル型(耳栓型)のAirPodsProと、インナーイヤー型のAirPodsの2つのシリーズがあるらしい。
そして今回出たAirPods4は、なんとインナーイヤー型なのにノイズキャンセリングが出来るという凄いものなのだ。
これは非常に革命的で、カナル型のイヤホンを使うと体調不良を起こす自分にとっては、インナーイヤーなのに電車の中や洗い物中にノイキャンで音楽が聞けるという最高の製品となる可能性がある。
ノイズキャンセリング付きモデルが3万円という勘弁してほしい価格のイヤホンだが、Apple製品は返品制度があるので試して駄目だったら返品もできる。(14日以内)
そんなわけで、自分は気軽に注文してみたのだった。
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さて、ではさっそく届いたAirPods4を使ってみよう。
ちなみに調べたいことはあれこれある。
・MacBookとの相性
「Apple製品同士の相性の良さはすごい!」というのはよく聞く話だが、それはMacBookとAirPodsでも当てはまるのか。
・Androidとの相性
ノイズキャンセリング等は普通に使えるという話は聞いているが、少なくともAndroidスマホとMacの相性の悪さが壊滅的なのは知っているので、AirPodsがAndroidとの組み合わせでどうなるかが気になる。
・電池持ち
AirPods4はノイズキャンセリングを使うと4時間しか持たないという。
実際使ってみてどうなるか。充電速度も気になる。
・体調が悪くなるかどうか
自分はカナル型イヤホンを使うと確定で体調が悪くなるが、インナーイヤーでノイキャンなAirPods4ではどうなるのか。
では、さっそく調査開始!!
【MacBookとの相性】
さて、自分はApple製品はMacBookAirしか持っていない。
果たしてそんな自分でもAirPodsは買う価値があるのだろうか?
さっそく接続から始めていこう。
iPhoneの場合だとAirPodsの蓋を開けるだけで接続するかどうかのポップアップが出るというが……
どうもMacの場合はそういうのはないらしい。
初回の接続をするには、ケースを開けた状態でケースの前部を2回タップして(知らなきゃ絶対やらなそうな動作)、Bluetoothの項目に入ってAirPodsを選択すると完了する。
正直この初回ペアリングの面倒さに関しては他のイヤホンと大差はない挙動だ。
もちろん事前にiPhoneにAirPodsを登録している場合は話が別で、同じAppleIDを使用したMacであれば、そのまま設定なしにAirPodsを使えるとのこと。(確かにそれは便利だ)
そんなこんなで接続に関しては普通な感じだったのだが、MacでのAirPods利用の問題点として、バッテリー残量表示のあれこれがある。
Macではイヤホンのバッテリー残量はわかるが、ケースのバッテリー残量の確認ができないのだ。
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別にどうでもいいと言われればそれまでだが、これは地味に不便である。(まあ他のイヤホンはそもそも本体の残量すらわからないことが多いが)
ところで、外音取り込みやらSiriに関する項目はどこだろう?
Mac内で項目を探しているが、それらしいものがないのだ。
まあこんな検索作業をさせられている時点でApple製品同士の親和性に疑問を抱かずにはいられないわけだが、ネット検索するとMacでも色々設定可能という情報は一応ある。
しかしそれらの記事は基本古いMacOSのものだし、AirPodsProについて語っているものばかり。
もしかしてAirPods4ではMacのみで細かい設定は無理なのだろうか……?
こんな感じで明らかにMacではAirPodsの設定項目が少なく、後述するケースが発する音に関する設定もおそらく存在しない。(非常に困る)
……まあいい、もう設定項目探しは諦めよう。
こういうことで時間を浪費する休日が一番もったいないのだから。
【Androidとの相性】
Androidスマホと繋いだ感想だが、ノイズキャンセリングは普通に効く。
最強のノイキャンというわけではないが、洗い物中に使えば動画やらポッドキャストを普通に聞けるレベルだ。これは良いぞ……!
だが、ランニングや自転車に乗って使おうとか思っている人は考えを改めたほうが良い。
風切音は普通に入ってくるのであまり快適とは言えないし、そもそも自転車に乗りながらのノイキャンイヤホンはNGである。
「試したんですか?」って? いやそりゃその…… ゴニョゴニョ……。
なお、AirPodsの接続設定に関しては、MacBookと同じくこちらも普通という感じ。他のイヤホンと大差ない。
だがAndroidスマホでは、Macでは確認できていたイヤホンのバッテリー残量すら確認不可である。
ただこれは自分の普段使っている骨伝導イヤホンも専用アプリでしか残量なんて見れなかった気がするので、普通といえば普通か。
ただしその8時間持つ骨伝導イヤホンと違って、AirPods4は4時間しか持たないという事情があるため、流石にバッテリー残量は気になるのだが……。
とはいえ思った以上にAndroidスマホでも普通に使えはするようだ。
MacBookのようにAndroidスマホは認識すらしないなんてことがなくて良かった。
なお、iPhoneと接続すれば、左右のイヤホンとケースのバッテリー残量はもちろん全て確認できる。
やはりiPhoneの所持が前提なイヤホンという感じだな……。
【電池持ちについて】
購入するにあたってレビュー動画は色々見たのだが、総じて言われているのがバッテリー持ちの悪さである。
公式ではノイズキャンセリングONだと4時間とのことだが、正直これでは短すぎる。
まあ行き帰りの通勤電車で使えさえすればOKという人は問題ないかもだが、Apple製品同士の切り替えのスムーズさを活かして家のiPadとMacとiPhoneで活用しまくりなAirPodsを常時つけていたい人にとっては、4時間という使用可能時間はかなりきついだろう。
なお実際に自分がYoutubeやAudibleを流して使用可能時間を確認してみた結果は以下となる。
【1回目】100%→0% 約4時間
【2回目】100%→0% 約4時間30分
なんで1回目と2回目でズレがあるかというと、多少は再生してなかった時間があったからだろう。
そしてあくまでもこれは連続再生時の話なので、こまめにケースにしまって充電する人であればさほど気にしなくてもいいことではある。
ちなみに充電時間に関しては以下のような感じ。
充電開始してから30分:70%まで回復
充電開始してから45分:85%まで回復
充電開始してから60分:95%まで回復
充電開始してから70分:98%まで回復
充電開始してから80分:100%まで回復
スマホと同じで最大容量に近づくにつれて充電速度は遅くなるようで、100%までにかかる時間は約1時間20分くらいだった。
満充電までにはそこそこ時間がかかるようだ。
ただ、1分間充電したら10〜20分使えたことも確認しているので、そんなに困る場面はない可能性もある。
常に音楽を聴いてないと死ぬわけではないのだから、充電が切れたらイヤホンを充電ケースに入れて静かに3分ほど瞑想でもすれば、頭もリフレッシュしてイヤホンも多少は使えるようになっているだろう。(謎の擁護)
なお、イヤホンの残量が10%になった時点で、「テンポコポンポン♪」みたいな音が鳴ってバッテリーの減少を伝えてくる。
そしてバッテリーが切れるときにも「テンポコポンポン♪」と鳴り、充電するためにケースに入れた際は「テンテテテテテ…」という甲高い音がケースから鳴るし、ケース充電のためにUSB-Cを繋ぐと「チョーン♪」という音が鳴る。
なんだか「意地でも音を鳴らしてやる」というAppleの強い意思を感じる仕様だ。
静かな場所ではケースに関わることは何一つしないほうがいいだろう。
周囲に音が響き渡るから。
このケースから音が鳴る仕様は、「探す」機能のときに役に立つらしいのだが、少なくとも自分の環境では音量をゼロにする方法がないのが困りもの。
ケースの音量設定に関してはおそらくiPhoneかiPadがないと無理そうだ。
個人的には最大級にマイナスポイントである。
そしてケースの充電能力についてもちょっと気になる。
現状まだ調査しきれていないが、ケース使用込みで20時間というのはちょっと盛ってるような……?
あとケース自体の充電もなんだか遅く感じる。
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まあ自分の環境ではケースのバッテリー充電量を知る方法がないのでなんとも言えないが、AirPods4は充電周りで結構大変な思いをすることになりそうな予感がする。
(2Wでも1時間ほどでケースの充電は終わっていたので、気にしすぎかもしれないが)
【切り替えの快適さについて】
AirPodsでよく言われるのが、「Apple製品同士の切り替えが神!!」という話である。
例えばAirPodsをはめてiPhoneで音楽を聴いているときに、「ちょっと大画面で動画を見たいな」とおもむろにiPadで動画の再生を始めると、何の接続操作も無しに耳のAirPodsからiPadの音が流れ始めるのだ。
この快適さは普段Bluetoothイヤホンを使っていて接続切り替えのダルさを知っている人なら、非常によく分かるはず。
しかし実際の所、「切り替えがスムーズで超快適!!」というAppleユーザーがよく言うこの利点は、もう既に他のイヤホンでも出来ていることではある。
それが最近増えてきたマルチポイント接続だ。
AirPodsは「MacやiPhoneなどのApple製品間でのみ切り替えがスムーズ」なわけだが、マルチポイント接続対応製品ならば、相手がWindowsだろうがMacだろうがiPhoneだろうがAndroidだろうが、対象を問わずにそこそこスムーズな切り替えが可能となっている。
一応マルチポイント接続の問題点として、一部の機種を除いて基本的に2台の切り替えしか出来ないという制限があるが、2台でも十分な人は多いだろう。(自分はスマホとMacBookが切り替えられるだけでいいし)
もちろん、MacにiPhone2台にiPadに…みたいな感じでデバイス環境をApple製品で揃えている人にとっては、OSレベルでシームレスに繋がっているAirPodsは最高の選択肢になるのは言うまでもない。
……さて、では自分の環境では使い勝手がどうだったのかを語ろう。MacBookとAndroidスマホという環境では、AirPodsは快適に使えるのか。
結論から言うと、めっちゃダルかった。
まず最初に、登録済みのMacBookにAirPodsを接続するだけならとても楽だ。イヤホンをケースから取り出すだけですぐに繋がってくれる。
しかし、そこから登録済みのAndroidスマホに繋ぐ場合は、Bluetooth設定を開いて接続を選択するという厄介な手間が発生するのだ。
そしてそして、そこから再度MacBookの音を聞きたくなった場合は、今度はMacBookでBluetooth設定を開き、数多のBluetooth機器の中からAirPodsを探し出して選択するという操作が必要になってくる。
要するに、マルチポイント接続がない時代のBluetoothイヤホンと同じような挙動というわけだ。
だがこれはマルチポイント接続に慣れているユーザーからすると、正直耐え難い体験になってしまっている。
AirPodsはマルチポイント接続には対応していないため、WindowsやAndroidが間に挟まった時点で、MacBookだろうと切り替え時に利便性が悪化する。
やはりAirPodsを真の意味で快適に使いたいなら、スマホはiPhoneである必要があるらしい。
【Siriが使えない?】
自分はスマートウォッチのタイマーを毎日使っている。
それはカップラーメンの時間を測るときだったり、コーヒーの抽出時間の把握のためだったりするわけだが、もうこれ無しでは生きていけない。(過言)
そしてそれがAirPodsによるSiriの起動でやれたら最高だなと思い、ちょっと期待していたのだ。なんだかんだでスマートウォッチの小さい画面でいちいちタイマーを設定するのは面倒だし。
(「AirPodsなら小声でSiriが操作できるよ!」というレビューもあった)
だがいざ試してみると、なぜだかSiriが起動しないのである。
もちろんAirPodsはMacと接続した状態だし、マイク設定を変えてみたりもしたのだが……全然駄目だ。
MacBookとAirPodsの組み合わせでは、Siriすら使えないということなのだろうか?
本当にApple製品同士って相性良いの……?
【音量の操作ができない】
AirPods4は本体のみでは音量の操作が出来ない仕様となっている。
もちろんわかっていて買ったわけだが、やっぱりこれは不便としか言いようがない。
たとえば自分のノイズキャンセリング使用シーンは洗い物中とかなわけだが、食器を洗っている際は普段より音量を上げるし、洗い物が終わったらすぐに音量は下げたいのだ。
それを本体だけで完結できないのは正直よろしくないなと思う。
そもそも他のイヤホンやヘッドホンにおいては音量操作が本体で出来ないなんてことはまずないわけで、その時点で意図的に機能を絞ってる感が凄い。(実際AirPodsPro2は本体で音量調整できるし)
「スマホやスマートウォッチで操作すればいいじゃん」とAppleが思っているんだとしたら、さすがにそれは許容できないし、ユーザーも認めるべきではないだろう。
これまたAirPods4の残念なポイントだ。
【無料特典が使えない】
どうやらAirPodsを購入すると、Apple Musicが3ヶ月無料で使える特典がついてくるらしい。
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正直全然音楽を聴かない自分ではあるが、空間オーディオとやらが凄いという話は聞いていたのでちょっと楽しみにしていた。
なのでさっそく3ヶ月無料の恩恵を受けようと思い、公式ページの手順を踏んでみたのだが、全然うまくいかない。
……うーむ、萎えた。
必死に方法を探すのも時間の無駄だ。
もう諦めよう。
(みんなは諦めずにしっかり特典を使おうね!!)
【体調はどうか】
カナル型イヤホンを使うと明確に体調が悪くなる自分だが、果たしてインナーイヤー型のAirPods4はどうだったのかを話そう。
結果から言うと、1日中つけるのは厳しそうだ。
今回は実験のために累計20時間ほどつけてみたものの、ノイズキャンセリングのせいか多少の疲労感はやはりあった。
しかしカナル型イヤホンを使うよりは明らかにマシだし、普段使っているノイズキャンセリングヘッドホンの方がもっと疲れる気がする。(重さ的にも)
ただ、やはり今の自分が常用している骨伝導イヤホンと比較すると、耳の中に異物を入れるという時点でちょっと違和感があるのは否めない。
インナーイヤー型はカナル型よりはマシだとはいえ、やはり耳に負荷はかかるようだ。
とはいえ昔はずっとインナーイヤー型のイヤホンを使ってきたわけだし、これも慣れの問題だとは思う。
骨伝導イヤホンは音漏れは凄いし騒音にも弱いため、使うシーンが限られる。
そういう意味でもインナーイヤーなAirPodsの進化には期待したい。
【まとめ】
というわけで結論は出た。
AirPods4はたぶん返品します。
【気になったところまとめ】
・バッテリーの持ちが悪い
・MacとAndroidスマホという自分の環境はやはりAirPods向きではない
・Macと接続しただけのAirPodsではSiriが使えない?
・無料のAppleMusic3ヶ月特典の利用方法がよくわからない
・音量操作が本体で出来ないのはきつい
・耳への負担は多少ある
とはいえ、『iPhoneを入手した上で、バッテリーを改善したAirPodsが出たらまた買おう』という感じではある。
(正直そうなる前に”インナーイヤー型かつノイズキャンセリングとマルチポイント接続3台以上に対応したイヤホン”が他社から出そうな気もするが)
実際、AirPods4は確かに革命的なノイズキャンセリングイヤホンだった。
MacにせよiPhoneにせよ、他機種ユーザーにとっては今更な機能をつけることが続いていた最近のAppleだったが、これは素直に凄いものを出してきたなと思う。
インナーイヤー型でここまでのノイズキャンセリングが可能という事実を示したのはさすがだ。
自分は今回返品するという流れになりそうだが、使用環境が合う人やApple製品で固めている人にはAirPods4は普通に良いイヤホンだとは思う。
望み通りに洗い物中でも使えるノイキャン性能はあったし、小さいので今まで使っていたノイキャンヘッドホンよりも気軽に使えるのは最高だった。
興味が湧いたのならぜひとも試してみてほしい。
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