【入院】避けては通れぬ下の話【多目的トイレ】
入院となれば避けては通れないのが下の話だ。
いや下ネタの方ではない。排泄関係の話である。
まあもうすでに尿瓶ネタを書いてるわけだが、実は手術を終えてみたら尿道カテーテルがいつのまにか繋がれており、もう尿瓶からは開放されていたりする。
尿道カテーテルでの排尿は実に楽だ。
これは膀胱と外部の袋をカテーテルで繋いでしまう処置で、長時間の手術のときなどにも使われる。
一体どんな感覚なんだろうと前々から思っていたが、「出すぞ!」と自分が思ったら外部の袋に溜まっていく……というわけではなく、勝手に常時排出されていく感じだった。
なんの違和感もなく、普通に過ごしているだけで尿が排出されている……
うーむ、こりゃ便利である。(尿瓶使わなくていいし)
……とか思ってnoteで検索すると、「カテーテルを抜くときが地獄」、「抜いたあとの後遺症が地獄」という意見が大量にあった。
どうやらこのあと天国から地獄に落ちそうである。
まあそれも含めて経験ということで、結果を楽しみにしていてほしい。
【追記】カテーテル抜きました。
さて、小に関してはカテーテルでどうにかなったわけだが、大はどうか。
これに関してはもう看護師さんを呼ぶしかなかったりする。
自分の場合は左足が使えないので、左足を伸ばせる車椅子を準備してもらい、それに乗ってトイレまで連れて行ってもらうことになるのだ。
もちろん使うのは多目的トイレ。
思えば、自分はある時期からなぜかオストメイトのマークが気になり始め、旅行中にもやけに目に入るようになった。
オストメイトマークは人工肛門や人工膀胱を持つ人の用具洗浄設備が存在することを示すもので、多目的トイレには大体ある。
マークが気になったことで由来を調べ、こういう状況にある人も世の中にはいるんだな……と学んだのを覚えている。
思えば尿道カテーテルとつながった袋が体から外せないという今の自分は、人工膀胱を持つ人と同じような状況でもある。
思わぬところで体感することになってしまったな。
まあそんなこんなで多目的トイレに関しても大事な存在だなとは常々思っていたのだが、それを今回は実体験として学ぶことになるのだった。
というわけで、看護師さんに車椅子を押されてトイレに到着した。
多目的トイレといえばその広さが特徴だが、こうして車椅子で来てみるとこの広さは車椅子のためにあったんだなと実感する。
ある程度広くなくては車椅子では方向転換すらできないのだ。
では車椅子を便座に寄せたところで、ここから便座に移って……
いやどう移るんですかこれ!?
……そうなのだ。
便座に移るには最終的には気合いが必要なのである。
いやこれに関しては個々人の症状によるとしか言えないのだが、
自分の場合は右足はまともに使えるため、右足でケンケンする感じで便座へ動きつつ、左足はフレーム部分を自分の手で持って、どうにか車椅子から便座へ移る形となる。
そして間髪入れずに丸椅子を看護師さんに設置してもらい、そこにミニチュア足場のくっついた左足を置くことで、ようやく排出体勢が完成するのだ。
つまりは左足を伸ばした状態で便座に座っている感じ。
いや~~
(もうトイレ行きたくないわ)
便座に移るだけでどんだけ苦労するんだよということをまさに実感したわけだが、この経験で多目的トイレのありがたさがよくわかったりもした。
多目的トイレでは無駄にあちこちにある手すりだが、あの存在はとてつもなく大事なものだったのだ。
もし通常のトイレだったら、掴まるところがなさすぎて本当にどうしようもなかっただろう。
手すりのおかげでどうにか体勢を維持し、座ったり立ち上がったりすることが可能になった実感がある。
広さといい手すりといい、こんな素晴らしいものを考えてくれた人、設置に踏み切ってくれた自治体や会社には感謝しなきゃだな……。
多目的トイレは大事なのだ。
いやしかし片足骨折ですらここまできついとは思わなかった。
骨折によるQOLの低下は深刻である。
まあもはや毎日のカテーテル洗浄なんかで羞恥心など消え失せており、トイレのために看護師を呼ぶくらいどうということはないはずなのだが……
やっぱり自分はどうにも人に頼るのが苦手らしい。
なんだか余計なことを考えて、いらぬストレスを抱えている気もする。
もうすこし図太くなるのも大事だなと思いつつ、3日ぶりの爽快感を味わうことができてとりあえずはよかったよかった。
(……やはり環境の変化の影響は大きいようだ)
さっさと自分だけでトイレに行けるようになったらいいなと思いつつ、次の手術に向けて待機するとしよう。
これも人生経験だから……!