日産とホンダの合同話について
昨日、このような記事が突如出てきた。
【ホンダと日産 経営統合へ協議 競争力強化につながるか】
これを見たとき、デジャヴを感じた。
そう、かつて日本国内で相次いだ携帯端末を製造するメーカー同士の事業合同である。
・カシオ+日立+NEC=NECカシオモバイルコミュニケーションズ
・東芝+富士通=富士通東芝モバイルコミュニケーションズ(後に東芝株全買取により富士通モバイルコミュニケーションズ→事業再編により富士通コネクテッドテクノロジーズ→富士通の事業切り離しによりFCNT→民事再生適用申請の後レノボ傘下に)
・三洋(大阪三洋)の携帯事業を京セラが買い取り
今挙げた事業合同の3つの事例は、その背景が経営が苦しくなってきたことによる劣勢打破が主で、これは既述の日産とホンダの経営統合話と似通っている。
しかし、既に述べた携帯事業の3つの事例はいずれも個人向けの携帯事業を撤退もしくはメーカーが海外企業に買収されるという結果となっていて、どれも撤退や買収前には既に海外メーカーの攻勢に押され、支持層が高齢者に偏るなどかつての勢いは見る影も無くなるほど落ちぶれてしまっていた。
このことを考慮すると、日産とホンダの経営統合は実現したとしても海外勢に屈し最終的には事業を畳む可能性の方が大きいだろう。次世代の自動車であるEV車はソフト開発が重要だが、既に海外勢に対して大きく出遅れているので携帯事業で日本メーカーが悉く潰れたのと同様、日産やホンダも同じ道を歩むのは避けられない。そうなれば、トヨタが携帯事業におけるXperia(※)の位置付けになるのはそう遠い未来の話ではなくなると思う。
(※)2024年12月現在、個人向けの携帯事業でどこのメーカーにも買収されずに生き残っている日系企業はXperiaブランドを展開しているソニーが唯一となってしまっている。そのソニーも価格競争やソフト開発で海外勢の後塵を拝してしまっていて支持層も高齢化が進行、かつて日系メーカーの中でも世界シェア上位に位置していた勢いはすっかり無くなっているので、先はそう長くはないだろう。
トヨタは今のところ自動車業界では世界トップクラスのシェアを誇るが、日産やホンダ同様、ソフト面をはじめEV車開発では遅れを取っているので海外勢にシェアを侵食され、いずれ携帯事業でのソニーのように自動車業界において唯一生き残っている衰退しきった日系メーカーとなると考えている。