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「社長室の冬」と日本のメディア

「この戦いには日本のメディアの未来がかかっている、もし負ければジャーナリズムは死ぬ」


テレビドラマ「社長室の冬~巨大新聞社を獲る男」(堂場瞬一原作、村上牧人監督)を観た。新聞は国民の真実を報道する大切なメディアとして、日本の高度経済成長を支えてきました。しかし、インターネットの発達により、24時間ネットニュースが流れる時代になり、新聞を読む人が減少してきています。130年の歴史を持つ日本新報は日本を代表する新聞社であったが、実質発行部数と広告収入の減少により経営危機に陥り、アメリカ巨大ネットショッピング会社AMC社への身売り交渉を始めていた。
AMC日本支社長の青井聡太(三上博史)は、社長秘書の高鳥亜都子(北乃きい)、顧問弁護士の垣田林海(新納慎也)と共に日本新報の新社長・新里明(笹野高史)の元を訪ねる。
主人公の南康祐(福士誠治)は、かつて日本新報の敏腕記者として、政治家の闇を突き止めたが、国家権力の圧力がかかり、記事にされることなく、社長室社員に異動。新里社長のAMC社との売却交渉を担当していた。
AMC青井社長と日本新報・新里社長との売却交渉は、インターネットに統合することで、リストラが生まれ、労働組合や日本新報筆頭株主・長澤英昭(田中泯)まで介入してきて難航した。青井社長は、かつて日本新報の記者であった。同じような経験を持つ南康祐の才能を見出し、売却交渉を進めていくが、長澤は衆議院議員の三池高志(岸部一徳)と組み、売却阻止が画策される。果たして、AMC社と日本新報の統合は実現するのか、それとも他に選択肢が見出されるのかという物語です。


「情報は、スピードが命」「どれだけ危機的状況にあるのかわかっているのか」「クライアントの制約を受けないメディア」など、現在のメディアの状況がリアルにわかりました。フェイクニュースの怖さも描かれています。
現在はコロナ禍にあって、日本経済もGDP4~6月が年率27.8%減少(内閣府)し、戦後最大の減少率になっています。マスコミは、スポンサーの意向に合う報道が中心で、情報統制がされるようになって、公正な報道が出来ていないのではと感じるときがあります。そういった意味でも、全国の家庭に流通する新聞の役割は今後も重要になっていきます。マスコミ報道の裏の一端が、このテレビドラマで垣間見ることができました。(敬称略)

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