ポケモン第三世代に存在した最強にして最狂の廃人向け施設、「バトルフロンティア」をキミはもう完全制覇したか?
タワータイクーンの リラが
しょうぶを しかけてきた!
十四年前の発売当初、ゲーム史上最も興奮すると言っても過言ではない(僕調べ)この文章をゲーム機で読めた猛者は幾ばくほどいたのだろうか。
ポケモン第五世代の記事↓が短いながらもそこそこ好評だったので、またポケモン関連で書いてみる。
先日(といっても三か月ほど前だが)、昔使っていた勉強机の引き出しの中を整理していると、懐かしいものを発見した。宝石か昆虫の翅のような光沢を放つ、緑色の物体……。そう、ポケットモンスターエメラルドである。
発売は2004年。今からもう16年前も昔のゲームだが、未だに値崩れせず、某動画サイトでは未だにバグ技が解析されたり攻略動画が上がったりと、根強い実況人気を誇っている。
当時はルビサファ→FRRG→エメラルドの順で発表されたので、純粋に驚くとともに、ちょっと追加要素があるだけなんでしょ、と眉を顰める親を必死で説き伏せて買ってもらった記憶がある。
マイナーチェンジであるエメラルドの主な追加要素として、皆大好きバトルフロンティアが挙げられる。そして忘れてはいけないのが、フロンティアの各施設を統べる七人のフロンティアブレーン。
それぞれに漫画で言う「二つ名」的なものが付けられているのだが、これがいやに格好いい。男の娘から格闘少女、セクシーな御姉様と面子も濃い。
ジムリーダーよりも四天王よりも強い輩が七人も(しかも称号付きで!)出てくるというだけで当時小学生の僕にとっては衝撃だった。当時のアニメポケモンではサトシが並み居るブレーンをばっさばっさと斬り倒しており、毎週目を輝かせてテレビ画面に張り付いてたのを覚えている。
よし俺も絶対全員倒す、と意気込んだものの、エメラルドのバトルフロンティアは幼気な小学生の心をへし折るどころか大人のガチプレイヤーも匙を投げかねないほどの正真正銘の鬼畜難易度であり、ブレーンまで辿り着くだけでもう満身創痍といった有り様だった。
この文章を書いている人は、十四年ほど前に、一番辿り着くのが容易な銀シンボルのアザミが使用する、砂と毒を撒いてひたすら眠り続けるツボツボに涙目になり、ゲームボーイアドバンスSP青を投げかけた。
それもそのはずである。当時は三値(種族値、努力値、個体値といった隠しステータスのこと)など知る由もなかったし、それこそ一生かかってもクリアできるかどうかも怪しいほど、目の前の敵は強大だった。強さがあまりに未知数過ぎる。当時はツボツボはおろかルンパッパの弱点さえも解らなかったくらいだから。
だが、今はもう違う。第五世代のレート乱世で培った一端の対戦知識と、厨ポケ軍団。あとは十四年ぶりに挑む執念を引っ提げれば……、行けるんじゃないか? と怖いもの見たさで起動。
十四年前の雪辱を果たすべく殴り込むことに。
対戦環境を整えるのに最初から躓いたのは、ソフト本体の時計が止まっていたこと。ラムの実や貝殻の鈴など、時間イベントで手に入る道具は使えない、というまさかの縛りを強いられることに。幻島は今日どころかもう永遠に見られない。
エメラルドのバトルフロンティアの施設は以下の七つ。なおプラチナやHGSSにもフロンティア自体は存在するが、施設の数は5、難易度もかなり良心的になっているので、エメラルドの「本物」に挑む前に肩慣らしがてら挑戦するのもお薦め。
以下、簡易に施設紹介。
バトルタワー……特殊ルールなしでひたすらに戦う
バトルアリーナ……交代不可、3ターンで決着という異色の条件で戦う
バトルドーム……見せ合いで3体から2体を選ぶ形式で戦う
バトルファクトリー……レンタルしたポケモンで戦う
バトルパレス……ポケモンが戦うのを見守る
バトルチューブ……3つある道の一つを選んで進む
バトルピラミッド……7階ある暗いダンジョンの中を進む
続いて使用した個体の紹介。
使用個体は主に以下の四体。基本的にラティオスとハピナスは固定、残り一枠を施設によってメタグロスかボーマンダで使い分けていた。
☆ラティオス@オボン 臆病 CS252
サイキネ/波乗り/10万V/冷B
小学生が考えたようなフルアタ技構成ながらシンプルに強い。冷Bはマンダを処理するのに役立った。対面で七割くらいは倒した八面六臂のエース。余談ですが(こいついつも余談ばかりだな)ポケモン映画はラティ兄妹が一番好きです。謎の少女再びは定期的に聞きたくなる。
☆ハピナス@食べ残し 図太い B252 S調整残りH
地球投げ/卵産み/毒々/身代わり(金チューブ攻略時のみ 癒しの鈴持ちの別個体)
特殊は全てこいつで受ける。第三世代まではタイプごとに物理特殊が分かれているので、両刃でもない限り炎水電気草といった特殊タイプは全て「ハピで止まる」。下手な物理技ならそうそう落ちないのも頼もしかった。
☆メタグロス@拘り鉢巻 せっかち A252 S調整(実数値119)残りH
コメパン/シャドーボール/瓦割り/大爆発
性格はパレス用。Sは確か金ウコンのスイクン抜き。瓦割りは、他の二匹だとカビゴンが重すぎるので……。鉢巻爆発は基本どんな相手でも木端微塵なので、いざというとき役だった。この時代のグロスは本当に強い。
☆ボーマンダ 陽気 AS252
地震/岩雪崩/恩返し/燕返し
ラティとハピはエメループ乱数個体、グロスは孵化厳選個体。このマンダはというと流星の滝で適当に捕まえたタツベイに適当に努力値を振ったもの。それでも強い辺り種族値は大正義か。マンダは野生産でも強い。
さて、ここから肝心の攻略に入っていく。施設の難易度に関しては、あくまで個人の印象であることには御留意頂きたい。
各施設の所感としては、まず小学生の時はどう足掻いても不可能に思えたパレスやピラミッドは性格や道具集めの準備さえ整えなければさほど難しくなく、拍子抜けだった(逆に準備をしないと難しいかもしれない)。
ドームはBW時代のランダム対戦でさんざん6350(六体から三体を選んでレベル50で戦う形式)を経験していたので余裕。対戦勢はドームが一番楽だと思われる。
意外と苦戦したのがチューブ。ラムの実を持っていなかったため、終盤に二匹が眠りか凍りになるとほぼ完全に詰み。ともあれ運さえ良ければ(最終周はブレーン戦以外一度も戦わずクリア)、一番楽な施設であることは間違いない。鬼門のダブルバトルも、何かが囁く音が聞こえるに入らなければいい話だし。個人的には、ピラミッドと人気を二分する面白施設です。
一二を争うレベルで難しい&暑苦しいアリーナは、ブレーンのコゴミちゃんに辿り着くのが精一杯で、ヌケニン対策を怠ると涙を飲むことになる。道中のソーナンスやヌケニン、ひたすら分身を積んでくる害悪ポケは、パーティ全体で何らかの対策を仕込まないと最悪完封もありうる。つくづく順番が大事な施設。(交代ができないため)
にしてもコゴミちゃん可愛い。
タワーは小細工なしにひたすら戦うだけ。ブレーン本体の強さなら恐らくリラが一番。使ってくるポケモン&技構成に驚いた。ちょっとガチ過ぎですよ……。100連勝(リラ三回目なので厳密には105連勝)達成したときの爽快感は半端なかったです。
冒頭にタワーを引いておいてあれだが、ファクトリーが一番難しいのには異論がないと思う。
正直言って明確な対策法はない。ひたすらに良いポケモンが来るのを祈るだけ。僕はエクセルでレンタルポケモンのデータベースを作り、強ポケを書き出すことで何とか凌ぎきった。まさにデータ戦術である。当たりさえ引ければ割とすいすい行けるが、引けなかったときはその分苦戦を強いられる。何が当たりポケモンか、使いやすいかは正直個人の技量や好みによるところが大きいと思うので、ここでは割愛する。なるべくタイプを分散させることと、物理特殊を分けること。分けないとハピナスカビゴンとかカウンターミラーコート持ちでかなりの確率で止まる。
あとは、自分が持っているポケモンは相手は絶対に使わないことを念頭に置いておけば有利に立ち回れる。つまり、600族や準伝説、ハピナスヘラクロスといった強ポケモンを見たら、相手に使わせないために自分で持っておく、ということ。もっと掘り下げて言うのなら、自分のパーティで対処しきれないポケモンは自分のパーティに取り込むが吉、ということ。
こうして書いてみると、ある意味ではチューブ以上の運ゲー施設と言えるかもしれない。正直に告白するのなら、この施設だけ攻略に丸一ヶ月もかかっている(放置期間含む)ので、もう二度とやりたくはないです。ネジキ……? 知らない子ですね……。
そして挑み続けること幾星霜……挑戦から二か月ほどが経過した2020年9月26日、遂に金シンボルコンプリート。
無事に完全制覇、である。(誉めてください)
なお、最終バトルポイントが334になったのは、意図的な調整の結果ではなく、あくまでも偶然の産物であることは申し添えておきたい。
個人的金シンボル獲得難易度は、
ファクトリー>>>>>タワー>アリーナ>>チューブ>パレス≧ドーム>ピラミッド
の順。チューブはブレーンのアザミこそ弱いが(ラティで三タテ)、道中がかなり厳しい。運に賭けてください。アリーナ、タワー、ファクトリーの難関系はひたすら試行回数を増やして思考階数も増やせばいいと思う。運も実力だが、その運を引くための回数には実質制限がないのだから。何より、慣れに勝るものはない。残りはこの記事を意味を理解してここまで読める人なら難なくクリアできるはず。
余談だが(こいついつも余談ばかりだな)、ルビサファのリメイクであるポケモンORASでは、バトルフロンティアはそもそも存在せず、代わりにバトルシャトレーヌなる四姉妹が登場するバトルハウスへと変わっている。いくら「ルビサファ」のリメイクとはいえ、なんとかフロンティアの本物の鬼畜ぶりを再現して欲しかった。こちらも以前挑んでみたのだが、理不尽とも言える難易度は何処へやら、「可愛い」難易度だった。手加減モードなら、旅パでも工夫すれば勝てる。
こちらは性的過ぎる次女。この絵柄でアザミやコゴミを魅せて欲しかった……。
……いつの日か、ポケモンにまた「本物の」バトルフロンティアが帰還を果たすことを願うことをやまない。
さて、最後に。二回続けてポケモンへの愛を炸裂させておいてあれだが、実は最新作の剣盾は買っていない。というか現時点では、僕は既にポケモンを引退している。当面復帰の見込みもない。
先日フリマアプリにて気紛れに購入した、未プレイだった第七世代の未開封パッケージを手にしても、もう以前のような高揚感はなかった。残念ながら、これが現実だ。今となっては以前のような熱は冷めてしまった。
ゲーム売り場の特等席で目映い光沢を放っていた小さな箱は、もう想い出の奥底にしかない。
だが、それでいいのだ。役目を終えた夢の宝石箱は、心の奥底に仕舞われ二度と開かれることはないかもしれないが、想い出という芳醇な記憶を、その気になればいつでも、蘇らせてくれるのだから。
…………。
最後の余談……いいすか?
人生初エンカウント男の娘はリラでした。
「男の娘」という概念はリラで知りました。
恐らくあの衝撃はこの先一生忘れられない。(性癖が歪んだという話じゃないのかこれ)
おまけの追記(2020/11/21)
小学生の時に大好きだったポケスペを最近大人買いしたのですが、この26〜29巻に収録されているバトルフロンティア編が、各施設の詳細や攻略情報が「本当に小学生向けか……?」というほどふんだんに盛り込まれていて、下手な攻略記事(本記事含む)の内容より、よほど真に迫っている出来映えです。似たような攻略記事に倦んでいる方は騙されたと思って読んでみては……?(ちゃんと内容も面白いです)
拘りトリックや「図太い性格で防御力も……」のくだり、本当に笑ってしまう。これ本当にてんとう虫コミックスか?(当時は意味不明でした)
エメラルドじゃないですが、銀シンボルは一週間で全部とれました。
因みにバトルはめちゃくちゃ熱いです。こういうコマ割り、何歳になっても好き……。
以上、追記でした。エメラルドのバトルフロンティア、奥が深くて本当に面白いです。是非挑戦を!!
おまけのおまけの追記(2022/12/19)
先日12/15、本記事のpvが10000を達成しました。ありがとうございます。皆様の攻略の役に立っているかは不明ですが、ネットの片隅に置いておいた雑文がこんなにも反響をいただき嬉しいです。記念に金ダツラ撃破時の動画でも貼ります。ありがとうございます。(ところで動画内ではドンファン楽々撃破してるけど最新作のよく似たやつを旅パで全然倒せないんですが……)
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