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「もし良かったら」のひとことで生活が変わるかもしれない
ここ数週間、お客さまのお車の状況整理にバタバタとしておりました。
保険の前段階からの対応になったのですが、今回は自動車保険について書いてみようかなと思います。
自動車保険にも様々な割引があります。
全くの新規加入の際には複数所有新規と呼ばれるお得な割引があります。
複数所有新規は等級が10等級以上の自動車保険があれば、
2台目は安くなる制度です。
他にも家族(同一住所)で複数台所有されている方にはミニフリート(多数)割引というものがあります。
割引率は微々たるものですが2台目からできます。
また、通常の自動車保険を月々支払いしている方は5%の分割手数料がかかっています。
ミニフリートにすれば月々払いの手数料もなくなるので、
月払いの方はさらに安く、管理しやすくなります。
ミニフリートにまとめる際には条件がありまして
・契約者が同一名義
・保険期間の始期と終期が同じ日
・保険料支払い口座/クレジットカード名義が同じ(条件により別口座でも可)
他の自動車保険を解約の手続きをしていただいてという形になるので、
少し面倒な手続きが必要になります。
この提案をさせていただくと
「お付き合いがあるから…」
「長年お世話になっているので…」
というお断りを受けることが少なくありません。
手間をかけても少しの保険料が安くなる程度。
提案をしていない募集人が結構いらっしゃるように見受けられます。
今回もそんな状況下での「もし良かったら」でした。
本人が気づいていなかった"車検切れ"
新車を買われたお客さまからご相談いただきました。
「新規に加入すると高くなるかもしれないので相談に乗ってほしい」
というものでした。
久々にご購入された車だったので、
過去に入っていた保険も使えない状況だということが確認できました。
中断特則というものの一定条件を満たせば10年間は割引が引き継げます。
しかし、こちらでも調べましたが、
以前加入していた自動車保険の割引も引き継げない様子。
「奥さまはお車に乗ってらっしゃいますか?」
「自動車保険には長い間ご加入されていますか?」
「もしかしたらその保険を利用させていただくと安くなるかもしれません。」とお聞きしました。
これだけ聞くと「営業熱心な保険屋が来た」と思われるかもしれません。
「お付き合いもあると思うので、強制ではないですが、
もしよろしければ保険証券と車検証をご確認させていただけませんか?」
何とか信用していただき、奥さまの車検証を
確認させていただくことができました。
中身を見てみると1ヶ月前に車検が切れていました。
確認したところ、出産が重なり整備工場の連絡がつかずにいたらしく、
車検が切れてしまったということです。
普段はあまり乗らないお車ということが確認できたので
すぐに近所の整備工場を検索して紹介しました。
車検切れの車を行動で走らせた場合は以下の罰則があります。
車検が切れているだけでは罰則・罰金が課されることはありません。ただし、車検切れの車を許可なしに公道で走らせた場合、道路運送車両法に違反するため6点の違反点数が加算されます。
また、過去の前歴に関係なく30日間の免許停止処分となることも覚えておきましょう。行政処分後(免停明け・違反者講習受講後)は、点数が0点に回復するものの、前歴がつきます。過去の前歴に応じて行政処分になる点数や処分内容が厳しくなるでしょう。
たとえば「前歴2」以上の状態で車検切れの車を公道で走らせた場合、一回で免許取り消し分となります。さらに、免許停止や免許取り消しといった処分は、あくまでも行政処分の区域です。刑事処分として道路運送車両法108条により、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課されます。
また、車検有効期限を1ヶ月過ぎていた場合、
自賠責保険(強制保険)も切れている可能性が高いです。
(基本的に車検+1ヶ月で入る 例:37ヶ月、25ヶ月)
罰則だけならまだ本人の責任ですが、
この状態で人を轢いてしまったら相手の方は補償されません。
自賠責保険は相手にケガをさせてしまった場合に歩行者などを守るために強制的に入る保険です。加入せずに運転していると罰則があります。
また、自賠責に入っていないと任意自動車保険の対人賠償もお支払いすることができません。対人賠償は自賠責の支払い限度額を超えた際にお支払するものだからです。
死亡・障害などが残ってしまった場合、弁護士を立てて裁判になることが予想されます。
参考までに、日本での対人賠償最高額は5億843万円です。(実際にはここから過失割合が適用されます。それでも1億円くらいです。)
ようやく、車検も終わり、書類の出来上がりを待つだけになりました。
しかし、事の発端の自動車保険の証券が出てきません。
継続していたはずの保険が切れていた。
期限切れの車検証は出てきたものの、
任意自動車保険の証券が出てきません。
確認を取っていただくと保険継続を失念していたという話が出てきました。
話を伺うと、第一子の出産時期と重なり、自動車保険の見直しを行う関係でそのままになっていたようです。
それも2年前の出来事なので、せっかく進めていただいていた
割引を引き継ぐことができませんでした。
旦那さんは開業医をされている方で金銭的に余裕があるのですが、
もし車検切れも判明していなかった時に事故を起こしてしまった場合、
恐らく病院経営にも影響が出てしまいます。
結果的に失念していたのだとしても、車検切れの車で走行していたというのも世間体にも影響が出そうですよね。
何より、事故を引き起こしてしまうとご自身の生活だけでなく、
相手の生活も不幸にしてしまいます。
僕が聞いてなければ気づかずにそのまま乗っていたのかもしれません。
では、実際にどれくらいの割合で自動車保険に加入していないのか?
ということが以下の記事に書かれています。
35の保険会社が会員として加盟する損害保険料率算出機構は、2020年5月15日に最新版となる2019年度版の「自動車保険の概況」を発行しました。2018年4月から2019年3月までの統計に基づく情報が記載されています。
この2019年度版自動車保険の概況に記載されている、2019年3月末時点の任意保険の加入率(普及率)を見ると、乗用車・2輪車・商用車など、すべての車両を含めた任意保険の普及率は、対人賠償において74.8%、対物賠償において74.9%と記載されています。
すべてのドライバーが“当然”加入していると思われがちな任意保険ですが、4台に1台は自動車保険に未加入というのが現状です。
対人対物というのは字の通り、相手のケガと相手のモノへ支払います。
すれ違う車の4台に1台が無保険という状況なんです。
自分が歩いている時に轢かれてしまった相手が無保険だったら
悔やんでも悔やみきれないと思います。
保険への加入を無理強いすることはできませんが、
結果的に無保険になっている方もいると改めて気づかされました。
こういったことは他にもあると思います。
これからも「もし良かったら」のひとことをかけられるようにしていきたいと思います。