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映画『1秒先の彼女』は可愛らしいファンタジー

少し前の映画だが、忘れられない映画なので、どうしてもふれてみたくなる。
映画『Ⅰ秒先の彼女』は、半分ファンタジーの爽やかな恋愛映画である。
話の前半分はテンポもよく、ウィットにも富んで、楽しい。ドタバタチックな喜劇は、香港映画や韓国映画のくせのある脂ぎった匂いがないのが新鮮だ(これは台湾映画)。というか、よくよく練られた展開に、安っぽい日本映画の恋愛ものに比べて、うらやましくなる。
後半は、「得した1日」での出来事と、そのSFチックな理由が明らかになるが、いまいちすんなり来ないが、前半で、やもりの面白い話があったので、後半もいっそのこと幻想ということにする手もあったのに、あえて宇宙の謎みたいな屁理屈にしてしまったので、トーンが崩れてしまった可能性がある。
女主人公を連れまわすシーンは少々説得力が不足していて、そのあたりは観客に我慢をしいるわけだが、最後の最後は、主人公たちの出会いですくわれるし、ステキな最後になったと思う。
主演はリー・ペイユー(パティ・リー)。スラっとした長身。婚期をあせりながら、郵便局の窓口に勤める役を上手に演じている。小さいころから反応がはやくてそそかしい。隣の席のかわいい同僚のデートの話に、かなり下品なツッコミを入れている。そのくせ、恋愛経験にとぼしく、純心で、さわやかで、日々つつましく過ごしている。そうした憎めない日常を演じるのにこれ以上ない適役のように思えた。


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