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暑さ対策って有機食材をたべることかも

暑い。全然暑い。なんか慣れてきたな、夏!とか思ったけど、慣れてきたななんて嘘だわ、ごめん、生意気いった。ごめん、ゆるして。ゆるしてって。ゆるして~~~~~!となる8月末の今日この頃。

駿アニメにおける少年少女の身体能力の高さって怖いよねの話

夏休みがそろそろ終わる時期だなとカレンダーを見ていて、こういう風に暑い日が続くと小学生の夏休みにBSで流れている〈未来少年コナン〉を食い入るように見ていた頃を思い出す。
未来少年コナンの冒頭にはいつも恐怖をあおるBGMと共に、「世界が大方滅びるに至ったわけ」がざっと解説される。

これはコナンに限ったものじゃなくて、滅び系SFだと結構よくある過程なんだけれど、去年ぐらいから夏を過ごしているとあまりに長く続く暑さと、暑さによる気象環境の変化によって、あらゆる方面(仕事も体調も気力にも)により強く、そして地道に影響が出続けているわけで、「いや、SFで語られる3秒くらいの滅びの間にある過程ってこんなに地道なんだね?!いっそさっさと滅びてもいいんだよ?!」みたいな気持ちになる。
頭痛がひどい時に「こんなにしんどい思いをするならさっさと滅してくれ~~!おれを~~!」みたいな、雑な思考とほぼ一緒のやつである。

岩波ブックレットって面白いよねの話

地球温暖化ヤバイって、そら昔から言われてたけど、これってこういうことだったんだ…と、身をもって全人類余すことなく体感させられる日々を過ごしているとさすがに、このしんどい状況を改善するために、何が自分にできる事なのかしらと思いながら本屋を散歩していたら目に入った本があった。

枝廣淳子氏著の〈農業が温暖化を解決する!農業だからできること〉という岩波ブックレットが出している軽めの書籍である。


自然食品を扱う八百屋としては、色々入ってくる断片的な情報が繋がっていく感じがして面白かったので、簡単に触れてみようと思う。


本の中身の話をする前にまず思い出の話

夏休み。夏休みを思い返したときに、小学生の頃はぼちぼち不登校、中学生の頃は結構不登校で、毎日休みのような日常を過ごしていた私にとっても、公的に許可をされた長期休みがあることはやはりとてもうれしい事だった。
なんでって、「学校に行かないなら畑の手伝いをしなさい」と言われることがないからだよ…!

我が家は学校に行きたくないのなら、無理していく必要はないけれど、家にいるなら、なんかしら働きなね~という空気があった。
だから中学校に上がって、靴下の丈・前髪の止め方から始まる細かな暗黙のルールにさらされたとき、「これは無理だ~!」と早期離脱した私の目の前には、スムーズに畑仕事への道が待ち構えていた。
だって、畑仕事って、本当にやることが尽きないし、仕事なんていくらでもあるんだもの。

アチくん(父)が農業を始めたのは私が産まれた年。畑が余っているので、なにか使ってくれないか?と相談を受けたのをきっかけに、野菜と米作りの楽しさにのめりこんでいった。

代々の農家ではないので、農機具もお古を譲ってもらって使い、田植えなどを小さいころから強制労働という名で家族総出となり手伝いをし、小遣いが欲しくなれば畑で草取りなどのアルバイトをしたりした。
土に触れる機会は、一般的に見たらよほど多かったと思う。

だからこそ、私にとっての畑仕事はいつまで経っても苦行だった。
畑仕事って同じことの繰り返しだし、やらせてもらえることと言ったら、草取りばかりで、虫もうるさいし、暑いし、寒いし、疲れるし、時間は長く感じるし。今考えたら花形な仕事、種植えを与えられても30分もやればすぐ飽きていた。
朝から早く仕事をしたいアチくん(父)と、どうしても畑仕事をしたくない私で何度本気の隠れんぼをしたかわからない。
まじでキレてるアチくんの気迫はチビるくらい、怖かった。

でも、その”苦行”があったから、今こうして農家への尊敬が自然と自身の中に積みあがっていったんだと思う。
年々博打のようなものになっていく農業に、日々向かい合っている人たちのおかげで、豊かな食事が出来ている。

さて、本の中に目を向けると、〈農業〉が定義するものは「栽培・飼育によって作物や家畜などを生産し、それをそのまま、あるいは加工して利用する活動の総称」(日本国語大辞典参照)とされている。
なので、農作物だけでなく、畜産も対象になることは一度おさえておきたいわね。


農業には温暖化の〈原因〉となる要素と、〈解決策〉となる要素、どちらの顔も持ち合わせている。という話

〈原因編〉

温暖化について科学的に研究する国際機関(IPCC)が2019年に出している報告書によると、2007~16年の間に排出された温室効果ガスの約10分の1強を農業分野が出していて、林業も含めたら全体の4分の1弱をしめる。

〈原因〉として主に上げられるのは5個の要因があり、
1個目は、トラクターなどの機械や乾燥機、ポンプや温室のヒーター、そして冷房などを使う際に必要な大量の化石燃料によるCO2(窒素肥料を作るときに排出されるCO2も結構ある)。

2個目は通称牛の”げっぷ”から出ているメタン。
反すう動物の胃の中で微生物が食べ物を分解して利用するときに出てくるメタンの量が、乳牛1頭当たり1日500ミリほど。
ちなみに、メタンはCO2と比べて25倍の温室効果を持っているので、コンパクトカーが80キロ走った分のCO2を一頭が毎日排出していることになる。

3個目は家畜の排せつ物の管理から出るメタン及び一酸化二窒素。
家畜の排せつ物は集めた後、大体九割が堆肥へと加工されていくが、その過程でメタンと一酸化二窒素が空へと放たれていく。

ちなみにこの”一酸化二窒素”はCO2と比べて298倍の温室効果があるらしい。

4個目は稲作で出るメタン。
なんと稲作もメタンを結構放出する。日本全体のメタン排出量の42%が水田から出ている。
どうしてメタンが発生するかというと、田んぼに水を張り続けることで嫌気性菌が活発になり、有機物が分解されてメタンが発生するらしい。

5個目は農地の土壌から出ている一酸化二窒素。
化学肥料や有機肥料をまいたり、田を耕すときに出てたり、野焼きをしたりするときに出る。

…急に漢字や横文字が多くなったなと思った人がいると思うんだけど、めちゃくちゃわかる。
私も本を読みながらあまりに漢字と横文字と英語の略称が多く出て、ずっとしかめっ面で読んでいた。
なるたけここからは、わかりやすく言葉をかみくだく努力をしてみる。


〈削減編〉

上記であげた農業にて排出される温室効果ガスを減らすには逆をやればいい。

1つ目は、化石燃料からのシフト。(太陽光とか風力とか蓄電池とかね)
2つ目は、現在開発中のカギケノリという赤い海藻を牛のエサに0.2%振りかけるだけで、出るメタンガスを85%減らせる。
3つ目は、排泄物貯槽を頑丈な膜で覆うことで、バイオガスを回収して、バイオ燃料に変換して、トラクターを走らせたり、燃料を販売して収入源を増やしている。
4つ目は一時的に田んぼの水を大方抜いて湿った状態と乾いた状態を交互に繰り返す。これにより稲は丈夫に育つし、除草もほとんど不要になる。メタン生成菌も活動しにくくなるため、35~70%メタンの排出も減少する。
5つ目は使う窒素肥料の量を減らしたり、有機農業・有機肥料への切り替えがおすすめされている。


〈回収編〉

地球温暖化を止めるには、まず地球を温かくするガスが多すぎるので、まずは出る量を減らす。そして、出てしまったガスを〈回収〉しなければいけない。
だってCO2は「一度空に放たれてしまったならば死なない」から。CO2は何かに吸収されるまでは空に在り続けて、ずっと地球をせっせと温め続けるのだ。だから出る量を減らすだけでは足りない。
エコバックを持ち歩き続けるだけでは、CO2はくじけない。へっちゃらなわけだ。

回収のためには植林などにより陸の植物にCO2を吸収してもらったり(グリーンカーボン)、マングローブや海草・海藻を通じて海草生態にCO2を吸収してもらったり(ブルーカーボン)する取り組みがある。
だが、上記は燃やされたり腐ったりすると、植物の身体を作っているC(炭素)は空気中のO2(酸素)と結びついて、CO2となってまた大気に戻っていってしまう。

なので、そうならないようにC(炭素)を土壌に固定化して、なるたけ出てかないようにすることが〈回収〉のカギとなる。

他の製造業などと違って、農業は土地を使って植物を育てる産業だからこそ、できることが大きくあるのだ~~~~!!!

〈炭素回収するには、つまること…?編〉


CO2(二酸化炭素)を回収するためには土を良くするのがいい。微生物がたくさんいて、あまり土を機械でかき回さず、空気に触れないことで作物がCO2をたくさん吸って、C(炭素)を大地に沢山溜めていく。
堆肥を使って土の中の健康を底上げしていったら、病気にも強く保水性も高い野菜も育って、炭素も大地に保管されていく。
炭とかを作って大地に練りこんでったらより炭素の保管がよいらしい。

読んでて思ったのは、ある種「機械がなかったころの農業への回帰、そして現代に合わせた進化」の合わせ技があっためガスを減らすための解決策なのか~~ということだった。

…息切れしてきた。
人の書いているものを要約しようとするのはなかなか脳みそがフル回転して、ンギャギャギャギャッッと変な音を立てている気がする。

結局もうここの要約だけ言いたいかもな話

つまり有機・無農薬野菜って最高~~!それを食べて育つ畜産物も最高~~~~~!!ということです。(長かったのに、着地簡単)

味も良いし、環境にも負荷がないどころか、良くするための行為に加担できる。
それって最高じゃんね~~~~~!!


一応改めて言いたいのは化学肥料・除草剤を使った現行農業がすべて悪いということではもちろんないし、化学肥料・除草剤は魔法の薬でもない。そこにはそれを使いながらどれだけ美味しいものを作れるか、きれいなものを作れるか、大切に畜産を育てて農作物を大事にして、働いている全世界の農家の方々がいるからこそ、今日に至る豊かな食事が得られている。
でもやっぱり現状、無理がきているよね。<自然の摂理に反しているものは持続可能じゃなかったね>ということと向き合う時なんじゃないだろうか。

これは勿論、農家だけの問題ではなく買う側の問題でもある。
だって買う人がいるから作られるから。
だからこそ、どんな社会に生きていきたいか、生活を共にしていける環境をどうやったら守っていけるかを考えるとき、1日3食あるうちの1食でも、意識していったらば生産者も変わっていくんじゃないだろうか!と、考えたりしました!


長かった!真面目顔しちゃった!うふ!

次回予告


さて、次回はそろそろ今年仕込んだ梅干しがいい感じにできてきたので、今年の梅仕込み’24として記録、そしてよく聞かれる質問をまとめてみようかと。来年のためにね!(忘れるからね、すべてを)(覚えているときにしか覚えていないからね)

ではまた!


何かしらあればこちらでも

いついかなる時も何を書こうか悩んでおりますので、なにがしらの質問や読んでほしい本などあればなんでもどうぞ!という気持ちで、お題箱おいておきます。よろしくね
なんでもどうぞ (@masumiya_kabu) | お題箱 (odaibako.net)



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