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【cinema】ウーナ

2017年65本目。

映画見ながら思ったのは、お芝居っぽいなーということで、そうしたらやはりお芝居が原作でした。Blackbirdっていう。

ウーナ。彼女は13才の頃から、1人の男性を愛し続けた。レイ、その人を。彼は父親ほど年が離れていて、世間はそれを許さなかった。どんなに二人が愛し合っていたとしても、それは愛とは言わないと。レイは犯罪者のレッテルを貼られて…。そんな彼女が15年の時を経て、彼がピーターと名を変えて生きていることを突き止めて会いに行く、というのがこのストーリー。

線が細そうに見えて、意思の強い女性ウーナをルーニー・マーラが熱演している。

同じ女性として見ると、というか私自身がウーナだったら、ということを考えてしまうと、彼女のようにはならないだろうなというのが正直なところ。ただ、彼女にとって、あれこそがホンモノの愛で、それから15年、誰彼構わずに体を重ねても満たされることは一度もなかった。そして、レイに再会しても、彼女の納得のいく説明はなかったし、彼女は永遠に傷を負ったまま生きていくんだろうなという終わり方…。

男は、4年の刑期を終え、名を変え、罪を償った、つもりだった。責任ある管理職の立場を得て、妻もいるし、世間的に見ると順風満帆だ。そして、再会してからの彼は、何か、ズルイ。
で、ウーナはどうだ。根無し草のように生きていて、母親には病的につきまとわれるし、目は常に虚ろ。それでもだ。私はウーナがある意味とても幸せな人だと感じる。こんなに生涯かけて人を愛せるなんて、そうない。映画の中ではひたすら哀しくて、惨めで、自分はああはならない(なれない)って思えるけども、それでもそんな人になってみたいとも思う。決して彼女は狂ってなんかない。常に正気だ。それが、とてもとてもわかるんです。

13才の抱く愛が身勝手だ、刹那的だ、ニセモノだ、なんて誰が決めたんだろう。そんな決めつけさえなければ、ウーナは誰よりも幸せだったのかもしれない。

見たら何とも言えない気持ちになる作品だけども、ロリータコンプレックスや大人の男性に対する憧れを表層的に描いたものではなくて、こんな愛のカタチもあって当然だし、変に美化してないのもよかった。そして、自分自身、何か色々大切にしなきゃと思えました。

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