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【cinema】追想

2017年78本目。

主役ジュリアン演じるフィリップ・ノワレが好きだったのと、舞台が第二次大戦末期のフランスということで関心があり、リバイバル上映のこちらを見てきました。振り返れば、ホンマに今年はリバイバル上映に明け暮れ、その良さに気づかされた1年でした。

ということはさておき。この「追想」は思っている以上にジャンルは「アクション」です。愛する妻と娘が憎っくきナチスドイツ軍に蹂躙され、惨殺されたジュリアンは、一介の医者にも関わらず、その当時暗躍していたパルチザン達以上に、銃器や城の設備を駆使して、ドイツ軍を陥れようとするのです。もうどのドラマよりアクション。ターミネーターも真っ青なくらいに。戦車や武器も大量に持つ10人以上いる部隊のドイツ軍対民間人ジュリアン1人の戦い。

そのくらい不自然さを感じるんですが、もし、自分がジュリアンの立場だったら、そうしたいよな!そうするよな!ってことが全て盛り込まれていて、ある意味清々しい。また、幾度となく彼の頭の中で思い出される妻クララとの何気ないやりとり、彼女との出会い、元気だった頃の姿、また、容姿は自分に似ているけども茶目っ気たっぷりの愛らしい娘、3人で自転車で駆け抜けた幸せなひととき。それが「追想」なんだなと。

ドイツ軍が酔っ払って、妻と自分と娘の海辺でのひとときを映したフィルムを映写機で回すシーン。あれはジュリアンでなくても泣けたよ。

それにしても、ロミー・シュナイダー扮する妻クララの眩いばかりの美しさはジュリアンでなくてもわかります。だってめちゃ浮いてるし。南仏の田舎の村で集う人々の中で彼女の存在は異質ですわ。日本でも田舎町に旅する女優の旅レポみたいなんありますやん?あれに近しいものを感じてしまった…。

それと当時のポスターと今回の日本のリバイバル上映の時のポスターの差がすごすぎて、ビックリしたので、載せてみます。

これ、当時のね。多分どちらかというと、いろんな意味で、男性向け映画的位置づけだったんだろうと。

これ、日本の今回リバイバル上映された時の。多分「追想」って幾分かキレイにまとめすぎてるような。

私が思うに、当時のポスターの方が内容には即していて、日本のはより詩的に捉えた感があるかな…。

ということは抜きにしても、見てよかったです。ナチスドイツがどうとか、そんなのはどうでもよくて、とにかくジュリアンは、妻クララを愛していた。愛するあまりに復讐の鬼と化したのです。それがとてもよくわかる話でした。

誰よりも漢、ジュリアン↑

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