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予告編、うますぎ。

15時17分、パリ行き

予告編作る人って、どんな方なんでしょうか。これから公開される映画を、多くの人に見てもらいたいと膨大な尺の中から切り取るんですよね、BGMも合わせて、ここぞというシーンを。

この映画の予告編は、見ただけで、とにかく心臓がバクバクして、絶対見なきゃ!と思った。テロリストが列車テロを起こすのを未然に防いだアメリカ人青年3人の物語。

そりゃもう見どころは、間違いなくテロリストとの応酬だ。予告編もそこだけが切り取られていた。

で、本編なんですが。

3人がどうやって知り合ったか。小さい頃どんな少年たちだったのか。ということが半分以上を占められていて、ほのぼの、とまではいかないけど、うーん、うーん…。そりゃバックグラウンドは必要だ。彼らがなぜその列車に乗ることになったのか。事件当時、どういう立場だったのか。知っておくべきよね。

クリント・イーストウッドの監督作は、どれもピリリとくるものが多くて、私は彼が役者の時より監督作が好きだ。

だからこそ余計に、予告編以上のものを感じられなくて、あ、そうですか…となってしまったのだ。

あの回想シーンがあったからこそ、また、本人達が本人役で演技していることこそに意味がある、というレビューは多く見たのだけど、本人が本人役で出ているものなら他にも見たことがあるし(「ユナイテッド93」で911当時の管制官やら多くの人がエンドロールでas himselfと表記されていたのを見た時は本当に心を揺さぶられた。どんな気持ちだったのだろうと)、私が厳しいのかわからないけれど、それ以上のものは得られなくて。

(軍隊に身を置きつつも)それとは無関係の日常で恐ろしい脅威に直面した時、とっさに人はそれに立ち向かうことができるのか。

彼らだからこそできたんだよね。うん、わかるよ。(全く自分の身に置き換えることができない。為す術がないから)
いや、言いたかったのは、幼い頃からいわゆる「特別」でもない子たちでも、いつ何時、そういう事態に向き合い、闘わなければならないこともある。その心構えはできているか、ということだろうか。

運命が彼らをあの場に導いたのだ。

まぁ後からなら何とでも言えるし、できたら、そんなこと自体起こってほしくないよね。人命を救うことが自分の使命だった、と言うけれど、あんな大事件じゃなくてもそれこそ人命を救う人々はたくさんいると思うな…。

私、根性曲がりすぎ?

唯一興味深かったのは、アメリカの空軍の仕組みが少しわかったことかしら。スペンサーが念願のパラシュート部隊には入れず、救助専門の部隊所属になったんだけど、その訓練模様が描かれていて、とても興味深かった。

それよりも!ウィキで、このタリス銃乱射事件を見てみたら、このタリスの乗務員はテロリストの存在を乗客が知って、助けを求めた時に乗務員室に鍵をかけて閉じこもったって書いてるやないの!そんなの映画で描かれてなかったよ。

あと映画好きとしては、このタリスにフランス人俳優ジャン=ユーグ・アングラードが乗ってて、非常ベルを鳴らすのにガラスを叩き割ってケガをしたって書かれてる。彼は乗客全員の死をも覚悟したと。

これらの事実を後で知った方がテンションが上がりまくったワタシ…。

決してケチをつけるわけではなく。私が感じたままを書きました。3人の演技がまずいとか一切思いませんでしたし、彼らには敬意を表するしかない。本当にすごいと思いました。数年前のことなのに、全然記憶になくて、多分報道されたんだろうけど、あまりにもテロが頻繁に起こりすぎて、それすら茶飯事になってしまってるのかな。それが恐ろしいと思いました。

それと、もしかすると予告編が違うものであったら、期待値も異なっていて、また感じることも違ったのかもしれません。そう思うと、予告編がうますぎ、なのか、その反対なのか。そういう面でも考えさせられたかもなぁ…。

2018年19本目。TOHOシネマズ梅田にて。

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