男たちの挽歌(ネタバレ)
何を今さら…という映画である。1986年の名作映画だ。
この映画は実家で母親と見た記憶がある。おそらく学生時代、帰省してる時に一緒に見たのではないか。
若かりし頃の俺も映画の中にのめり込んで見たが、母ものめり込んでいた。
あの、シン?だっけ、白いスーツを着た悪役が「俺は逮捕されても保釈金ですぐ出て来る。フフフフ…」みたいなセリフを言った時、母は
「こんクソが!こげなこと言いやがって!殺せ!」と大声で言っていた。
結果、母は大満足していた。
あの映画は仁侠映画的なところがあるからね。
あの「男たちの挽歌」という邦題も素晴らしいと思う。「A BETTER TOMORROW」だと俺、たぶん見てないもん。
時は流れてもうすぐ53歳になろうとしている。
いや、今見ても俺はあの映画をおもしろく見れるよ。
でも初見時の20歳の頃より、俺は元気がなくなっている。
「渋い、ステキなオジサンになった」という意味ではなく、悪い意味で枯れ果てている。俺をギュウギュウ絞っても、もう何も出てこない。
元気が無くなり、枯れ果てた生命体になると違う視点も生まれる。
あの「男たちの挽歌」という題名を見て、例えば妻は「見てみたい」と思うだろうか?
特に映画好きでもない全女性にまでターゲットを広げてもいい。
「男たちの挽歌」?…どうせアレでしょ?男が意地だの誇りだの言って、ドンパチやって、女は添え物で、女がキツい目に遭ったりするんでしょ?男って好きよね、そういうの。
…まあ、だいたい合っている。
でも見てみたら、実際に見てみたら分からんやん?
「チョウ・ユンファの色気、半端ない…」
「いや、本当の主役はあのタクシー屋のオッチャンよ!「2」のタクシー屋のオッチャンはもっとすごいのよ!(既に「2」まで見ている)」
「あのハゲも…ステイサムみたいなマッチョハゲもいいけど、あんなハゲもアリ。ハゲの未知なる可能性!」
…と、想像してみたが、「性差」による男女の視点は違うので、俺が思ってるのと全く違う、新しい感想を聞けるかもしれない。
配給会社は、作品によっては「売りたい」層を絞ってるのだと思う。
「男たちの挽歌」はいかにも男性向けだ。
「プラダを着た悪魔」はいかにも女性向けだ。
視聴者層の半分をハナから捨てている。
でも、実際に俺が「これは…女性向けだな。俺には一生縁がないだろうなァ」と思ってた「マイ・インターン」を試しに見てみたら、結構おもしろかったのだ。
で、俺が今よく見てる韓国ドラマの話だが、
オイ!読むのをやめるな男!
「韓国ドラマは女性向け」と思ってるだろ?
「アニメ・特撮は子ども向け」って言われたら、怒るだろ?
「アメコミヒーロー映画とか…あんな被り物の映画、大人が見るワケ?」って言われたら怒るだろ?
「いや違う。そういう決めつけはやめてほしい。見たら分かる。まずは作品を見てほしい」と思うでしょ。
「韓国映画」に関して「女性向け」と思ってる人はいない。
そんな男性向けとか女性向けとか、そういう範疇の話ではない、東洋の小国が作ったとは思えない、レベルの高い映画群であることは分かってると思う。
「韓国映画」に対してはアップデートできてるんよね。
その同じ国の「韓国ドラマ」に対しては何故か全くアップデートできてない。
「冬のソナタ」から、全くアップデートできてない。
あんな「悪魔を見た」みたいなエゲツない映画を作る国だぞ?その同じ国の映像コンテンツ「韓国ドラマ」を何故、「女性向けの、恋愛のやつばっかり」と20年以上、思い続けてるんだ?
…と、単純に思う。
ホントに「俺だけなの?韓国ドラマ見てる男は?」って思うほど、韓国ドラマのレビュー、考察は「女性だと思われる人」が書いてる。
「啓蒙」したい訳ではないのよ。
男が見たら「別の視点」で見れるはずなんよね。性差があるから。
その、女性とはまた違うであろう、男性視点からの韓国ドラマレビューも読んでみたい、と思ってる。
まだ男性が書いた韓国ドラマのレビュー・考察を読んだことないから。
日本の配給会社は頭の固いジジイが権限を握ってるのか「アレだろ?日本だと恋愛モノみたいに思わせとけばヒットするだろ?冬のソナタのヒットでどれだけ儲けたのか忘れたのか?恋愛モノっぽい題名付けて、あと何だっけあのサム…ポスターみたいなやつ、いかにも恋愛が始まりそうなのに変えろ。…ホラ見ろ!「愛の不時着」が大ヒットしたじゃないか!まだワシのセンスは必要だな。オマエら若いのには任せられん。マイルドセブンライトの1ミリのやつ買ってきて」
みたいな会議を今もしてるのかもしれない。
焼きそばUFOのフタ開けたら「初心者にも分かりやすい 図解・サバイバルゲーム入門DVD」が入ってた。もう食べものですらない。
そのくらい韓国ドラマの題名・サムネイルとドラマ内で起こる内容は乖離している。
実際、韓国ドラマの邦題もマシになってきてると思うのだけど、「韓国ドラマを見て、レビューなどを発信してるのは女性ばかり」という現状は変わってないですね。
たぶん、映画ライターさん辺りが実際に韓国ドラマを見て、レビューを書いたりしていかないと変わらないと思う。
映画ライターさんの事情は知らないけど。
俺も韓国ドラマに対しては「女性向けと思わせてたままの方が平和だな」と思ってたんだけど、noteの #韓国ドラマ というタグの付いたやつ読んでたら、女性ばかりで。いや、男性視点だと違う感想が生まれるかもよ?と思ったので。
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