帯状疱疹と治療について
先日つぶやいた、息子の「心が痛い」原因が分かりました!
なんと、、【帯状疱疹】でした。
10代の元気な男の子がまさか帯状疱疹なんて!
新型コロナで自宅療養中の幼稚園児も帯状疱疹を併発しましたので、状況によって、年齢に関係なく発症するものなのですね。
本人の「頑張りすぎたのかも」の言葉にヒントがありました。
病気の説明をしたら、息子曰く
「エイリアンウイルスだ」
「体に何かの卵がいっぱい付いているみたい」😱
黄色く透明な魚の卵みたいな水疱が、右胸の下から背中にかけて帯状にびっしりできています。(想像しちゃった方すいません^^;)
そこで、今回は【帯状疱疹】について、その治療薬も含めて書くことにしました。
帯状疱疹については、誤解されていることも多いので、是非ご参考ください。
【例】
患:「マッサージに行った次の日に帯状疱疹になった。たぶんマッサージを受けた時に、ベッドかタオルで移ったんだと思う。」
そのような訴えをする方が少なからずいらっしゃいます。マッサージだったり、鍼灸だったり。
整体師さんや鍼灸師さんにとっては、とんだ濡れ衣ということになります。
マッサージや鍼灸を受ける時というのは、体調が悪かったり、疲れていたり、身体が痛かったりする時ですので、すでに発症してもおかしくない状態だったのかもしれません。
🌿帯状疱疹とは
病原体は【水痘帯状疱疹ウイルス】というヘルペスウイルス科に属する【DNAウイルス】です。
初めて感染した時は水痘(みずぼうそう)として発症します。
その後も、知覚神経節に残って潜伏(潜伏感染)します。
加齢やストレス、疲労によって体の免疫力が下がると、潜伏していたウイルスが再び活動し始めて、神経から皮膚に伝わって帯状疱疹として発症します。
🌿帯状疱疹はどこにできるの?
神経のあるところにはできる可能性があります。
一般的には、身体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状にできます。
多いのは、胸から背中にかけて。
腹部や首など、50%以上が上半身にできます。
また、顔、特に目の周囲にも多くできます。
🌿帯状疱疹は移るの?
帯状疱疹は人から移されることはありません。
最初に「移されたというのは濡れ衣だ」と言いましたが、帯状疱疹は、幼少期に水ぼうそうに罹って潜伏したウイルスが暴れだして発症しますので、人から移されることはありません。
ただし、移すことはあります。
それは、まだ水ぼうそうに罹ったことのない人に移すことがあるからです。
その場合には、帯状疱疹としてではなく、水ぼうそうとして発症します。
🌿帯状疱疹の症状
身体の左右どちらか一方に、神経に沿って帯状に赤い盛り上がったぶつぶつが現れ、その後水ぶくれができます。
粟粒くらいの、透明な黄色がかった水ぶくれが密集してできて、部分的に重なって小豆くらいの大きさになることもあり、その後かさぶたになります。
皮膚だけでなく、神経にも炎症が起こっているので、かゆみだけではなく、痛みも生じます。
🌿合併症や後遺症
水ぼうそうの時のように、発熱や頭痛などがみられることもあります。
目の周囲など、顔面にできた時には、目に角膜炎や結膜炎などを起こすこともあり、重症だと視力に影響することもあります。
聴神経に炎症が起きると、めまいや耳鳴り、難聴の症状が現れることもあり、三叉神経に炎症が起きると、顔面神経麻痺が生じることもあります。
一般的には皮膚症状が治ると共に痛みも消えますが、【帯状疱疹後神経痛】になると、その後も長期間ピリピリと神経痛の痛みが続くことがあります。
皮膚や神経の炎症が治った後も続く【帯状疱疹後神経痛】は神経自体に損傷が生じているので、辛い痛みが、半年一年と続くことがあり、特別な治療が必要になる場合があります。
🌿帯状疱疹の治療
抗ヘルペスウイルス薬を服用します。いくつかのメーカーから数種類発売されていて、服用法などによって選ぶことができます。
抗ヘルペスウイルス薬には、ウイルスが細胞内に侵入し、DNAを複製する過程で、DNAポリメラーゼの働きを阻害してウイルスの増殖を抑える薬があります。
また新しいものでは、DNAを合成する際に重要な酵素群、DNA依存的ATPase、ヘリカーゼ及びプライマーゼの活性を阻害することでウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬もあります。
帯状疱疹と診断されたら、できるだけ早く服薬を開始することが大切です。
帯状疱疹は、皮膚症状が先に出る場合だけでなく、痛みが先行する場合もあるため、発症から診断まで数日かかることもあります。
症状をよく理解して、速やかに受診し、できる限り早期診断、早期治療することが重要です。
抗ウイルス薬を服用しても、効果が出るまでに2日ほどかかるため、服薬のタイミングによっては、薬を飲んでいるのに症状がひどくなったということが起きるかもしれませんが、効いていないのではないので、服薬を止めずに続けましょう。
また前述した合併症や後遺症を防ぐためにも、服用を開始したら、5日間~7日間はしっかりと服用を続けることをお薦めいたします。
🌿帯状疱疹後神経痛になってしまったら
抗ウイルス薬の服用も終了し、皮膚症状も治ったのに痛みが続く場合には、放っておかずに早めに神経痛の治療を始めた方が良いです。
治療としては、消炎鎮痛剤、神経痛治療薬、神経の修復を促すビタミン剤、神経痛の痛みの感度を下げるための抗うつ薬などの内服薬を1種類または数種類併用して服用する他に、ペインクリニック等で神経ブロックなどの治療を行います。
痛みの強さや治療期間などを考慮して、医師とよく相談して適切な治療を受けて下さい。
🌿帯状疱疹は予防できるの?
通常であれば、帯状疱疹になるのは一生に一回くらいですが、免疫力が特に下がった状況では、何度も発症する場合もあります。
また、たとえ一回でも、日本人の成人の90%はウイルスを持っており、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。
大変辛い症状ですので、現在は50歳以上の方は、ワクチンを受けることができます。
ワクチンは水痘帯状疱疹ワクチンで、水ぼうそうと同じワクチンです。
因みに、水ぼうそうは空気感染し、大変感染力の強い病気ですので、小さいお子さんは1歳になったらワクチンを接種した方がよいです。
私は2歳の時に水ぼうそうに罹りましたが、全身にひどく水疱ができて、今でも額に水疱の痕が残っています。
その当時にワクチンがあったら良かったのになあと思います。
🌿最後に
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスが病原体ですが、原因は免疫力の低下です。
日頃から体調管理を心掛けて、免疫力が低下しないようにすることが大切です。
食事のバランスに気を付けて、睡眠をきちんと取り、ストレスを溜めないような生活習慣を心掛けましょう。
季節の変わり目は、思っている以上に疲れやストレスが溜まっているもの。
帯状疱疹に罹る方も多くなります。
いつも以上に、生活リズムに余裕を持たせましょうね。
最後までお読み下さりありがとうございました!
心から感謝を込めて.。❍〇💖
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