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今時のコンデジ事情 SONY RX100M7

なぜコンデジなの?

スマフォの高画質化に押されてコンパクトデジタルカメラ(以後コンデジ)が世間から淘汰されつつあります。積極的に開発費をかけてまで新しい機種を作ろうなんて事を本気で思っていないでしょう。

今まではスマフォよりセンサーが大きいとか有利な点が上げられていましたが、最新のスマフォXiaomi14Ultraでは1インチセンサーを積んでコンデジと同じ土俵に登ってきました。レンズも4つも付いていて写りも遜色ない。機能も下手なコンデジよりも多い。おまけに動画は8K30Pまで撮影出来て遙か上を行く性能です!
単に旅行の記録だとかで写すのだったらわざわざコンデジを持っていく意味が無くなります。

じゃあ要らなくね?ってことになるんですが、データをよくよく見るとちょっと違う・・・有り体に言うと素直な写真が撮れるのがコンデジなんです。
スマフォは誰かさんが意図的に作った絵が出てくるのに対して、コンデジはもっと生に近い素のままの絵が撮れるのです。まあ、そこは微妙でこだわる人はこだわる程度の差だとは思います。それに大きさが絶対的に小さい。

Z世代でもオールドコンデジが人気のようです。ひと昔ふた昔のコンデジでも十分綺麗に写るし小さくて中古だし安く手に入る(中古相場が上がってきています)。逆に写りすぎない所も魅力だそうです。実際に持っているキャノンG7はレトロ感たっぷりで今でも使えるほどクオリティーが高い絵を出してきます。
所詮カメラは物をキャプチャーする入力機材に過ぎないのですが、そこに味を求めてしまう欲深さが現在の消費を支えていると考えれば許せもすると言うものです・・・

自分的事情


今まで愛用していたパナソニックのTX1のセンサー上のゴミが取れずメーカーメンテナンスの終了に伴いドナドナしたので、替わりに同じ1インチセンサー(これが重要)で高倍率ズーム搭載のRX100M7を導入しました。TX1と比べても一回りほど小さいです。他にパナソニックのスペックに近いコンデジが無かったからこの機種を選ばざるを得なかったと言うのが本音ですが、とりあえずこれさえあればひと通りのことが出来て予備機材としては合格!となるカメラだと言うことです。

SONY RX100M7

新しく導入したと言っても、もう5年前のカメラです。
この分野の進化は止まってしまっています・・・

小ささ故、そのままだとカメラのホールドが極端に悪いので、ゴム製のグリップをつけました。うっかりして滑って落とすのは目に見えています。
接写も効かない(ソニーさん何とかならなかったのでしょうか!)のでクローズアップレンズとPLフィルターを付けるためにフィルターアダプターも取り付けました。多少見栄えと収納性も悪くなりますが背に腹は代えられません。
TX1の方が操作性や接写性能などトータルバランスがとれていたと感じています。ただ古い型なので液晶が固定でロー&ハイアングル時が辛かったのがマイナスでした。RX100M7もバリアングルではなくてチルト式です。

このカメラRX100M7はファインダーがポップアップ式で横のレバーを操作するとポンッと飛び出て電源が入り、押し込めば電源がオフになる仕組みでとっても便利!これは良かったです。
背面液晶で見るよりファインダーの方がホールドが安定しているし、明るい野外だとそもそも液晶が見にくいのでファインダースタイルになってしまいます。

PLフィルターを付けたところ

さっそく昭和記念公園でファーストライトを撮ってみました。

角刈りにされた銀杏並木
銀杏の木のアップ

このような高周波成分たっぷりの絵柄でも、しっかりと葉っぱ1枚1枚を分離して塗り絵っぽいスマフォとは違う絵作りを感じます。

がっつりPLを効かせた青空

普段あまりPLフィルターは使わないのですが、コンデジやスマフォなど小さいセンサーの場合、画像処理できる範囲が狭いのである程度色は作っておきたいのです。

撮ったままの絵 シャドーが潰れ気味
プロファイルを風景にして彩度を上げてシャドーも起こす。

小さいセンサー故ハイライトが飛び気味になるのが早いので少しアンダーに撮影して現像時に整えるのが良いみたいです。
シャドーは意外と粘ります。
ワイド時でも周辺まできっちりと写っています。

一番望遠の200ミリ開放での描写

柴犬を椅子に載せてポートレート撮影をしていたので横から撮らせてもらった。
柴犬の頭までだと大体小学生低学年ほどの高さになります。望遠でこの程度はボケます。肉眼ではボケることはあまりないので、ほぼ見た目の感じだと思います。

コントラストと色合いがスマフォとはひと味違います
ISO800ですが、描写はしっかりしています。


これはiphome15pro。
逆さまでスタイルだとローアングルが良い感じで撮れます


半分沈んだの赤いモミジ。

ワイド時は接写もある程度効きます。でもTX1ほどアップでは撮影出来ないのが唯一の欠点!望遠では悲しいほど寄れない。接写モードが欲しかった。
もし望遠で寄る必要があればクローズアップレンズを装着すれば良いのですが、そのひと手間が面倒くさい・・・

同系色の被写体と背景。Tel側で目一杯接写

上の2点では自分が思ったところにピントをこさせるのが大変だった。中央1点のフォーカスポイントにしていても微妙にピントを外したカットが多かったのが意外でした。ソニーの売りは素早いピント合わせなのですが、カメラが被写体だと認識できない場合の正確性はコンデジクラスの域を出ていないみたいです。
もう少しだけ小さなフォーカスポイントがほしかったです。オートのフォーカスポイントにするととんでもないところにピントを合わせたりするので、このような場面では使えません。

平面的な被写体

このような平面的に被写体が並んでいるような構成だとピントは大丈夫。

こちらはRX100M7
こちらはiphone15

M7とiphone15の違い。
一番の違いは背景のボケ味です。流石にM7は素直なボケ味です。
トーン再現はiphoneは勝手にHDR化されていてハイライトからシャドーまで良くバランスされていますが、逆に実際の空気感が気薄になってしまいます。
M7は余計なことをしていないのでより赤いモミジの存在感を際立たせています。映えるのはiphoneですが、見た目をうまく表現しているのはR7です。

光条を入れようとしましたが・・・

絞って光の筋を入れようとしましたがビシッとはいきません。まあ雰囲気だけは出ました。

逆光の銀杏

RAWで撮影しているので画像処理の幅が広い。シャドーを落とし、ハイライトを抑えて全体の明るさを上げる処理にもついてきています。

秋咲きシクラメン

このようなシーンは苦手なようです。液晶をタッチしてフォーカスしていますが、フォーカスポイントが大きくて花のどこにピントが合うかはカメ運任せ運任せになります。使用用途からしたら、もうこれはしょうが無いですね。

笑顔が沢山

肩車されている子供にピントを合わせたいのですが、そんな細かい芸当は出来ません。操作に慣れていないのが原因ですが、何枚か撮影するのが良いみたいです。

逆光では・・・

UVフィルターをつけていたので少しゴーストが出てきますが、良い雰囲気ではないでしょうか。こんなシーンでもピントが甘いカットがあったりしました。

フィルターアダプターを付けるとせっかくのデザインが台無しです。

自分なりに色々カスタマイズしてみました。
値段が高いけど小さく軽く高倍率ズーム付きというのがこのカメラの美味しいところです。
ピントと接写がちょっと気になりましたが、カバンの中のお供としては良い選択だったかもしれません。




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