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多様な社会はなぜ難しいか/水無田 気流 感想

本書は著者が日本経済新聞で連載していたコラムをメインに加筆して作成された本である。多様な社会をタイトルとしているが、主眼は女性の社会進出における問題とそれに関連する男性の社会問題に置かれている。

コラムが執筆されたのが2015年から2017年ごろということでやや時間が経過しているため、ここで指摘されている問題はかなり上の世代の感覚のものであり徐々に意識は変化してきていると感じる。私と同世代は育児を家族や様々な人の手助けを借りてすることが当たり前になってきていると感じる。
一方で、この本で指摘されている行政や政策の問題は現在に至っても改善する兆しは見えずかえって悪化している点もあるように思われる。
社会の意識は徐々に変わっても、政治家はいまだに女性が超人になり個人がより努力を重ねることを求めているのかもしれない。

コラム部分が多いため読みやすいが一つの命題について深く掘り下げていた感じはない。誤字脱字や内容の繰り返しも一部あるのが気になるところであるが過去からの変遷を見直すために参考になる本だと思った。

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