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『双葉さん家の姉弟』から見える次世代漫画家の姿とは

■作家、漫画家で食べていくのが困難な今日で、どうすればいいのだろうか?
作家、漫画家など含めてクリエーターになりたい人は数多くいると思うが、食べていくこと前提でなりたいと考えている人はどのくらいいるのだろうか?

職業に対しての知識だけでなく、生活の根底であるお金に関しての知識も必要となってくる。だからこそ、安易に安定を求めて「公務員」といったなりたい職業ランキングになってしまう。

こういったお金の考えは学校でも資産運用なども授業の一環に取り入れられている。また、2022年度から高校の新学習指導要領でも「資産形成」を触れるよう規定されたそうだ。

そんな今回取り上げる作品は『双葉さん家の姉弟』(著者:佃煮のりお)です。

タイトル、取り扱う作品、今までの流れを考えるだけで、今回真に語るべき内容が見えてくる人もいると思いますが、『双葉さん家の姉弟』にも触れながら語っていきたいと思います。

■この作品というか佃煮のりお氏を語るのに、ほぼ作者自身が公言しているため、その情報を元にまとめて語るだけでいいので今回考えるのに楽であった。

後でしっかりと語ることになりますが、収益に絡んだ話も氏によって具体的な数字は当然、明らかにしていないが間接的、断片的に語っているので総合するとおおよその収益は割り出せます。

さて、自分がこの作品『双葉さん家の姉弟』に触れる切っ掛けをまず語ると「犬山たまき」という人物から関連しての購入である。
そのため、佃煮のりお氏の前作である『ひめゴト』に関してはアニメ化もしていたが、ノーチェックであった。

ふと、この切っ掛けで変と思う方もいるかも知れないし、自然と感じる人もいるかも知れない。ここもこの作品というか、佃煮のりお氏の作品含めての戦略を語るには重要な点となってくる。

『双葉さん家の姉弟』内容を説明すると公式での作品のキャッチでは「弟LOVEなエロかわお姉ちゃんとの癒しコメディ♡」。ある種、こじらせた兄弟ごとの日常といった所である。

ただ、この作品は前作がアニメ化されるほか、作者本人が映像媒体に出てくるなど、一部ではあっても本来は知名度や話題性は作品でもあったはずだ。
自分はここ最近まで佃煮のりお氏を知らなかった。先にも述べた通り、自分がこの作品を知ったのは「犬山たまき」からである。

本来、アニメなどのテレビ放送は多くのシェアを広げる媒体でもある。
古くて例に挙げるのもなんだが、『ナショナルキッド』など「ナショナル」と銘打っているだけに松下電器産業株式会社が単独スポンサー、宣伝媒体の番組である。
今では制作委員会方式でリスク分散を図っているが。

そのアニメ化した知名度よりも、私の様に後発でもある「犬山たまき」という人物から佃煮のりお氏を含めて、この作品に触れたが、そもそも「犬山たまき」とは何者か?

■「犬山たまき」は佃煮のりお氏がマネージャーを務めるバーチャルYouTuberである。そう、マネージャーを務めるバーチャルYouTuberである。
(大事な点なので2回言いました)

近年というか、ここ数年でバーチャルYouTuber、VTuberは完全に普及した。そもそも、YouTuber自体が日本でも、その認知から時間は経っていていない。

日本で小学生の『なりたい職業ランキング』では2016年まではランキング外だったが、2017年で4位、2018年には3位にランクされるなど、子供が将来就きたい職業として人気が高くなっている。
出典: 「YouTuber」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「犬山たまき」の配信、もしくは佃煮のりお氏自身も配信で色々と語っているため、その背景を聞くとVTuberが今後来ると聞いて始めた活動らしい。ただ、流行だけの来るでもなく、ビジネスモデルとしても可能性も聞き及んでいたらしい。
佃煮のりお氏の話からはそういったお金の話に対してのいろんな話を人から聞いているらしく、聞き逃しがないようである。そして、実行もしている。

佃煮のりお氏は若い人らしいが、漫画家として高校生からの活動のため職歴として長い。配信で語られている内容も若者らしからぬビジネスモデルの話である時も多い(ただ、それらの実行力は若者らしい部分がある)。

VTuberはビジネスモデルとして今ではようやく確立しているが、その黎明期に積極的に飛び込み同時に自身なりに確立させたいる。

自分もそんな「犬山たまき」の配信を見て佃煮のりお氏を知って、『双葉さん家の姉弟』を作家の足しになればと手に取った。というのが流れである。

■さて、VTuber「犬山たまき」を含めた今の佃煮のりお氏の活動はアニメ化時の漫画家よりも収益は上であるのは間違いないはずである。

現在、佃煮のりお氏はタワーマンションに住んでいることは公言しているが、これは見栄からの自称でなく、他のVTuberも招かれており、そこでも語られており事実である。
そして、タワーマンションということで間接的にその家賃も推測できるが、別のVTuberの配信であるが、本人の回答で具体的な例えで語っている。
家賃は「一般的なサラリーマンの月収」とのこと。その事から本人の月収はそれ以上である事は間違いないだろう。そして、完全に漫画家でありながら連載が無くとも、人並み以上の収益を得ているのである。
また、タワーマンションに移り換わった点からも漫画家以上の収益も得ていると見て間違いない。

ただ、これに関しては成金となって、ただ金を湯水の如く使っているわけではない。タワーマンションに住み替えたことにしても、個人事業主である為、事務所兼自宅としているはず。
これに関しては節税という単語を度々口にして、実際に合う仲間とも節税で盛り上がるとも語っており、他のVTuberにも聞き及んだりと、ただお金を使い、儲けるだけではない勉強家である。

もう一点、収益に絡んで話せば、VTuberとしての商売道具である「Live2D」や「3Dモデル」などもタダではない。スキルがあれば自作も出来るが、全てをこなすのは専門的な知識がいる。
これに関しての発注している事は明言しており、VTuberで使える「3Dモデル」に関しては数百万と言っていたと記憶している。(実際、自分でも他の情報から査定してみたが3Dモデルだけならもう少し安いが、それを動かす装置を含めれば数百万というのは妥当であった)

先日も「犬山たまき」の新3Dが発表されたことから、それだけの収益と今後も稼げると判断しての投資である。

また、ここら見解に関しては他のVTuber、エコノミストによって既に語られていますので、こちらの動画を見て頂くのが今更ながら手っ取り早いです



■そんな「犬山たまき」についてを語ってきたが、『双葉さん家の姉弟』の話に戻るが、この作品今は休載中で、そのうえ次巻の5巻での終わりというか、ある種打ち切りが決まっているらしい。(「佃煮のりお」オフィシャルサイトの情報より)
今は漫画は普通に売れない時代である。(『鬼滅の刃』は売れているが、これは今でも特異な例であるが)

アニメ化された『ひめゴト』にしても、コミックの後書きでも打ち切りの危機を頼み込んで回避していることは書かれており、佃煮のりお氏は漫画家のみ収益では暮らすことは出来ないと肌で感じていたはずだ。

そんな時代であるから、漫画に依存せず新たなビジネスモデルを聞いて、早い段階でVTuberとして参入したのが「犬山たまき」であるのは間違いないだろう。
その「犬山たまき」のおかげで生活できている事も佃煮のりお氏が配信で語っている。

また、佃煮のりお氏は若い世代だけにそういったネット媒体を子供の頃から触れており、VTuberというネット媒体での相性は良かったのかも知れない上に、ビジネスとしても成立するだけの土場が自身にあったのであろう。それはアニメ化作家としての知名度であったり、アニメ化関連での顔出しも含めてだ。

■ただ、「犬山たまき」という作者独自コンテンツを得た佃煮のりお氏は成功例である為、他の者も単に真似をすれば成功するわけでも無い。
ここまでの成功例は『鬼滅の刃』と同じで特異例と見るべきである。

それでも、作者独自コンテンツを展開するのは次世代漫画家の姿と思う。

実際、佃煮のりお氏はアニメ化という足がかりが今の成功の背景にあったにしろ、そのアニメ化だけでも打ち切りに悩むほど生活基盤の確保にはならなかったのも事実である。
それは今の時代という前置きが必要か、別段問題では無い。それに、アニメ化程度で安泰を得られる職業でないのは他の漫画家等を見てもあきらかである。

そもそも、今の出版社と作家の関係はエロ漫画雑誌ではあるが雑誌連載のメリットの薄さはTwitterで激白されています。

エロ漫画であっても出版社である以上、他の大手でもこの内情は大差ないと思います。
なおさら、作家、漫画家など含めてクリエーターは自ら情報を発信するだけでなく、独自に展開できる作品が必要になるのは明白でしょう。

実際、先の激白でも同人活動で収益を得ていれば、雑誌連載のメリットは少ないと明言している。
私もこう色々と書いているが、単にこれらの情報を聞きかじって、自分なりに裏付けをして、まとめているだけでもあるから。

ともあれ、『双葉さん家の姉弟』と「犬山たまき」と触れて見えてきたのは従来の漫画家像では生活は困難なのは間違いない。

そもそも、手塚治虫氏も漫画家だけでなく、自身のアニメスタジオを持って自身の作品をアニメーションとしても売り出していた。
本来、漫画家のあるべき姿とは自身の作品を自ら展開するのが正解だったのかも知れない。

■最後にこれはクリエーターだけの話ではない。一般サラリーマンにも言える話である。
今の企業自体、技術革新などで10年先までも今のスタイルが無事続けられるか怪しい。また、働き方のスタイルも変わっていくでしょう。そういう場面で会社勤めだけが主の収益では何かあった場面で困難となる。

自身にも他の生産性で収益を得てることは精神的な安定にも繋がる。

このケースを単にサブカルの話と馬鹿にしていると足下をすくわれることになるかも知れない。

■余談
VTuberで「懲役太郎」という人物がいるのだが、彼の運営者である俺太郎氏も漫画家であるが、ただ雑誌連載で活躍は出来ていない。しかし、VTuberのプロデュースで活躍の場を得ている。

ただ、佃煮のりお氏と俺太郎氏には漫画家としてただならぬ因縁が過去にあった事が最近の配信で語られていた。

こちらもついでになるが、VTuber「郡道美玲」も同人誌時代からの佃煮のりお氏ファンだったが、その事実はVTuberとしてコラボしてお互い発覚したとのこと。

接点は何処にあるのか、分からないモノである。奇妙なモノである。

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ツカモト シュン
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