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収益化時代の作家戦略とは

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書籍化等の商業ベースに依存せず、自身のコンテンツでも収益化(マネタイズ)によって生計を立てられる作家戦略に参考となる記事を集めたマガジン
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#小説

マガジン紹介『収益化時代の作家戦略とは』

特に宣伝もしていないせいか、このマガジンの存在に注目以前に知られていないのかとも、今更ながら思った。なので、趣旨の説明を兼ねて紹介をさせていただきたい。 今まで自分自身も昨今、大きく変化している作家スタイルに関して書いてきたが、そのベースとなった記事や参考とした記事、その他にも参考になりそうなnoteの記事をまとめたマガジンとなる。 実際、noteでは有名無名、実績に問わず多くのクリエイター達が活動している。そして、有名無名に関わらず等しく収益が得る機会が存在している。

苦境の小説家が、この先を生き抜くすべとは。

ストレートエッジの三木です。 小説家を取り巻く状況も、一昔前に比べて相当厳しい時代になってきました。いくつか理由はあるのですが、まず、社会全体として賃上げ気運があり実際に最低賃金がアップされ、インフレによる物価高になっているにもかかわらず、作家の原稿料は上がっていないためです。 自分の記憶では、10年以上あがっておらず、基準単価は昔のままです。 社会全体の消費者物価指数的にはこの10年で120-150%は上がっています。 総務省|報道資料|2020年基準 消費者物価指

ストレートエッジの2023年総括

株式会社ストレートエッジの三木です。 弊社は主に作家のマネジメント業務、ならびにIPのプロデュース業務を行っております。『携わるクリエイターが創るIPを媒体に依存せず最大限に拡張し、多くの人々に知ってもらうこと』ことを目指し、業務をスタートしました。 設立は2016年4月。なんともう7年と8ヶ月が経ちまして、時の流れは早いもので……。サムネイルの画像は、設立ちょっとしてオフィスを初めて借りて引越し中の写真です。懐かしい……! 毎年この時期に一年間を総括しておりまして、今年

右肩下がりの出版市場で、小説家(ラノベ作家)はこの先、どうやって生きていく?

ストレートエッジの三木です。 2022年も四半期過ぎましたね! ぽかぽか陽気の春まっただ中ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 今年のストレートエッジは、去年から仕込んできた企画やコンテンツをいよいよみなさまにお披露目できそうでして、ずっと水面下で頑張ってきた甲斐があったな……! と今更ながら実感しております。 さて、少し仰々しい記事タイトルをつけてしまったのですが、今回は『この先、小説家はどうやって生きていくか』について書きたいと思います。 まず相変わらずの出版不況

ライトノベルのデザインはいかにして決まるのか?『不死探偵・冷堂紅葉』の場合

こんにちは。GA文庫編集部の編集いちごちゃんです。 今日はライトノベルの「カバーデザイン」が決まる過程について、とある作品を元にお話したいと思います。 その作品とはズバリ―― 第15回GA文庫大賞受賞作 『不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で』 ライトノベルで学園ミステリーに挑戦した作品です。 主人公と謎の転校生・冷堂紅葉のボーイミーツガールでもあります。 上記のカバーデザインが決定するまで、さまざまな案を検討しました。 ①まずは元のカバーイラストをご紹介!

2021年のラノベ業界を四つの観点で考察してみる。

前回のnote前回は「たいあっぷ」が目指すビジョンについて書きました。 今回は、そのビジョン実現のため、業界の現状について書いていこうと思います。 これを読めば「ライトノベル」というものがどんな業界で、どういう構造なのか理解ができると思います。 少し、説明が多くなる回です。 何卒、ご容赦ください。 業界の現状 「たいあっぷ」は俗にいうライトノベル(以下ラノベ)を誰もが制作できるサービスです。 ですので、まずラノベ業界についての整理から始めてみようと思います。 現

【必読】ラノベ(ライト文芸)作家がウェブトゥーン原作者になって確実に勝つ方法 〜これをしないと必ず失敗する〜【作家さん大募集!】

ストレートエッジの三木です。 僕たちは少し前から、ウェブトゥーンのオリジナル作品を制作を進めています。 ウェブトゥーンとは、平たくいうと縦読みのカラーマンガのことで、今のスマホ世代ユーザーにフィットした、既存の日本のコミックとは一線を隠すものと考えることもできます。 ウェブトゥーンの中には動画になっていたりBGMがついているものもあります。いわば、コミックとアニメーションの中間のようなコンテンツと表現してもいいかもしれません(事実、ウェブトゥーンの制作は、『全ての工程を一

(退職エントリ)KADOKAWA辞めて独立しようと思った話

※内容まとめ・2021年9月までKADOKAWA在籍。ノベル編集部の編集長や兼務で音声ビジネスの立ち上げ等をやっていた。 ・特に「異世界系」「なろう系」といわれる分野で編集者をやらせて頂いていた。 ・個人的なライフワークとして「クリエイターが自立して発信して、稼げる環境作りを支援したい」という想いで取り組みしてきた。 ・今まで、起業や新規事業など「フロンティア」に挑むことをやり続けていた。 ・それらをもっと実現するために10月から「異世界フロンティア株式会社」というド直球な会

小説の書きかた入門書の入門

 編集という仕事柄、いわゆる「文章読本」「小説の書きかた」の類の実用書を読むことがある。  読んだからといって一朝一夕に傑作が書けるようになるわけではないし、枠にとらわれない斬新な小説をこそ版元も――そしてなにより読者も求めているわけだが、とはいえ体系化された方法論を学ぶことは、小説を書こうと志す者にとって有益であるのは間違いない。たとえ既に頭で理解している知識、実際に身につけている技能であっても、改めて復習し直す機会となるであろうし、看過していた新たな発見があるかもしれない

3ヶ月で7.5万部増刷!なぜ4年前に発売された小説がTikTokきっかけで爆発的に売れたのか <スターツ出版さんインタビュー>

出版不況が叫ばれて久しい現在ですが、いま出版業界で驚異的なスピードで売上を伸ばしている一冊の小説をご存知でしょうか。 それが、TikTokでの動画投稿をきっかけに話題となり、2020年6月から3か月で7万5000部の重版が決定した汐見夏衛(しおみ・なつえ)さんの『あの花が咲く丘で君とまた出会えたら(スターツ出版)』です。 日本出版販売が運営するサイト『ほんのひきだし』の「本屋で今検索されている本ランキング」2020年6月17日~6月23日では5位にランクインし、9月2日~

【あれから一年】『LINEノベル』の失敗と敗因分析+これからの取り組み【ウェブトゥーン編集者募集】

ストレートエッジの三木です。 本日は自分が携わり、ちょうど一年前、2020年8月にサービスをクローズした『LINEノベル』について回顧したいと思います。 ■まえがき かなり長文ですので、小タイトルを見て興味のある部分だけを選んでお読みください。それ以外は読み飛ばし推奨です。 ■はじめに ~出版業界を取り巻く環境~ 僕は数年前から、ずっと新たな“出版のカタチ”とは何かを考えていました。 ここ20年にわたり、出版業界の全体の売り上げは減少の一途をたどっています。最盛期である

滅びが近い出版業界を復活させる、たったひとつの冴えたやり方

僕が出版業界で働き始めたのは、約20年前からです。西暦2000年当時においては、まだまだ出版界は元気でした。しかし、今の日本の出版は、『死』に直面していると思っています。その理由は、出版不況や紙の衰退、リッチメディアへのトレンドシフト、趣味の多様化など様々な要素が絡み合った結果なのですが、もうひとつ『黒船のコンテンツ支配』を忘れてはなりません。 コンテンツ業界も、製造やIT、物流やソーシャルサービスと同様に、外資の脅威にさらされています。GAFA(Google,Apple,

コンテンツ生成システム化する「小説家になろう」系WEB小説群

週に三回は書くと言って即一週間ぶっちぎることになんの良心的呵責も持たなくなった久保内ですけど。 なろう系の小説については編集サイドにいたのがもう5年前くらいの話なので、そのころの知識から大きくアップデートできていないことをまずはお断りしておいて。大きく違うところがあったら各自指摘してください。 なろう系の小説の商業化ですが、レーベル数や、作品ごとの販売価格が出そろい、当時は累計5-6万ポイントになったあたりで数社からのオファーが来るような状態でした。今はもうちょっと低いか