三種の神器
わたしの生まれ故郷には伊勢神宮という
神聖なる場所がある
そこには三種の神器のひとつが祀られている
と、何かで見たことがある
よくは知らない。
ただ、三重県の三種といえば思いつくのがほかにある
(三重県ってサンジュウって書くところですか?と
その昔若い子に聞かれて戸惑ったことを思い出す)
松阪牛
伊勢えび
あおさのり
まさに三種の神。うつわ要らず。
これならサンジュウでもいいかも、くらい。
どうしてそんなことを思いついたかというと
聖なるお煎餅にめぐり会ったから
お煎餅が大好物なわたしは
どのスーパーにいってもお煎餅コーナーの
チェックを怠らない
大都会のど真ん中で
高級スーパーなる「成城石井」
そこには必ず「伊勢うどん」があるから寄る
ここではお煎餅コーナーというより
外国のポテチをさがすことの方が多いのだけれど
ふと目に入る三文字「三重県」
おまけに「ミックス」
題して「三重県ミックス」
それも高貴なフォントで描かれている
三重県で買ったら¥298くらいだろうけど
さすが大都会の高級スーパーまで上京してくると
それはまさかの¥880税抜き、個包装。
今夜ばかりは伊勢うどんを我慢して
三重県ミックスに移行
千円ちかくする煎餅を買うのは
セレブになった気分になれる
お煎餅もわたしも三重県出身の身で高望む。
ただ、ぜんぜんおいしくない!
まかりなりにも三重県民として
松阪牛も伊勢えびもあおさのりも
食したことのあるわたしには
期待を裏切る煎餅ぶり、煎餅だからいいのか。
いや、煎餅なんだからおいしくあってくれ。
全面的に煎餅推し
塩気しかしない
今流行りの味のしない病気にでも
かかったんじゃないか!と思う
けど塩味はする。
10個食べて封をした、その翌日
夜中の手持ち無沙汰にもう一度ためしてみる
全然おいしくない!のはわかっているのに
ものすごくおいしい笑
昨日の病気は治ったのかもしれん
牛の味のしないタレみたいな甘味
かっ◯えびせんのような殻の味
塩と、その塩のミネラル風の薬品みたいな味
それが本当においしい笑
この気持ちがどうやったら伝わるか
まずさがおいしい、という初めての感覚
慣れ、とでも言おうか。
つかれてたんだな。あっという間に残り完食。
お煎餅屋さん、すみません
三重県愛の強さゆえ…
もしかしたら今までわたしが食べていた
牛肉と海老と海苔が
ニセモノだったのかもしれないな。
東京に来たら何もかもが本物でおいしいけど
数十年むかしの、まだ高貴なお菓子が出回ってないにかえったような、ア◯ロのいちご香料の味をいちごの味と思っていた時のような、なんとも懐かしくチープなお煎餅感に、無性に三重県に帰りたくなったのでした。
伊勢うどんは今度にしようと思ったけど。
でもやっぱり伊勢で食べるのとは違うわよね〜。
麺がとけるくらい柔らかいんだから!ホンモノは!